ばかげた
  世のなかが晴れていた
  ことばが ぼくの目のなかで
  すばやく動いて よくは見えない


  たいくつな愛のように夜がきてほしい
  あなたの胸にいつしか溜 ....
雨のコンパスで描いた唄が
手の甲に乗せた鎖のように
水溜りを増やしていく
半径をどのくらいに広げても
踵に当たるメロディが好きだから
優しい言葉でなぞる世界に
いつの間に追い付けたのかな
 ....
柔らかい肌に触れる手は
心でカーテンを揺らして来て
余った風で話すような声が
誰かのファスナーを探そうとする
それはどこかで折れた翼を
支え切れない背中のワンピース
傷口を塞ぐことで消えて ....
私が初めて付けた口紅
まだ子供の頃だったのに
あれから少しも減っていなくて
お母さんどこへも連れて行って
貰えなかったのかな
確かお父さんが空港の免税店で
買って来てくれたもの
きっと大 ....
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
僕は夜明けをあまり知らない
けれど夕暮れならたくさん知っている

薔薇いろから菫いろへとグラデーションする夕暮れ
金色の雲が炎えかがやく夕暮れ
さざ波のような雲が空を湖面にする夕暮れ
不吉 ....
31
そのときはじめて
おじいの顔つき変わって
おかえりいいうた気がした


32
なあんお前
それぐらいのボルト交換もでけへんのか
飯は喰ったんかいな


3 ....
渋谷・RUBYROOMのカウンターで
白ワインを飲む
今夜は嬉しいことがあったから

先月はここで
赤ワインを飲んだ

この店では月に一度
「SPIRIT」という朗読会が行われ
今夜 ....
空には嘘を付けない気がする
ネックレスの鎖が切れても
また繋ぐような水色の風に
出会ったことがあるから
人の間に生まれる絆も
ずっと信じて良いのかな
雲の切れ間に鏡を持っていて
互いを照 ....
1
そして今僕が見ているのは 
雲から降ろされる光のはしご
指から零れ落ちる


2
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない


 ....
愛と平等という
矛盾に気づいた深夜に
冷蔵庫は唸り出す

絶えることのない
沈黙にも似た説教に
何一つ解決策は見出せず
労働者は眠る

冷蔵庫の不眠不休
労働者の不平不満

実 ....
焼け焦げた影がひとかたまりついてくる


  無敵の人


いきがかりの道なりは非論理が連なり
明日まで継がれた暗がりは八方塞がらず
もう疲れた帰ろうかと思いこもうとする
体力をゲー ....
白いブラウスの襟を
真っ直ぐに戻す時は
紙ひこうきみたいに
指先から離れて飛ぶ

空に少し傷跡を残す
翼が迷った代わりに
私の唇で閉じていく
思いも願いも込めて

音のない最終滑走 ....
  躰のほとんどを
  ねじれた袋におさめて
  わたしたちは泣いていたね

  はんぶん透けて
  はんぶん凝ったような
  美しさ 見えかけの 東京の月
造ったものを埋めようと思い
草原を掘っていたら
本物が出てきてしまった

その土偶に
隣のミヨちゃん
という名前をつけて
博物館に送った

ねぇミヨちゃん
僕は あといくつ
 ....
ある冬夜、僕を布団に残し、俺は家を飛び出した。
持っているなかで最も武骨なジャンパーを羽織って。
転校生は心の内壁に小さな刺青を持っている。
転校生は誰も、そんな秘密ゆえに転校してくる。
古着の青いネルシャツ、兄に黙って借りた記憶。
もちろん僕に兄はいないし、だけれど必ず返さなきゃ。
誰が作ったのか
何のため作ったのか
何故 贋物と判ったのか

話はつきないのだけれど
人形は人形
そんなに贋物よばわりされても
と照れ笑いをしているようで

  僕らの本物 ....
両祖父とも僕の初恋を待たずして逝ってしまった。
父とは出来ない色んな話、3人でしてみたかったなぁ。
痛覚レセプタ

ちょびひげのおじさん、今でもフィルムの向
こうから笑わせてくれる。拳を振っている。
誰もの幸せのために戦っている。そのときに、
必ず痛くなるものをさらけだしている。 ....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの

人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど

幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
そのふるえる糸にも
ひとつふたつの意味はあった
のかもしれない
時折の風雨に晒され
形を変えてしまった
その幟ももう
争うためのものではないし
御触れの見張りでもない

そよ ....
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
青森の形はメタモンか、ベトベトンか。
どちらにしても、青森はむらさきで塗る。
ポケットに
風のシールを
しのばせて
使い途など
無いほうがいい

けどそこの
あなたとあなた
そのすきま
何もないより
吹かせましょう

風の色
見えないはずの
赤、青、 ....
前の住人が忘れてった風鈴。
干し竿で晩夏が首を吊ってるよ。
幽霊は容易く夏を越える。
水色のゼリー、たったの一つで。
あなたは朝起きたら歯を磨く
あなたは人に出会うと元気に挨拶をする
あなたは他人の迷惑になることはしない
あなたは常に他人を気遣う
あなたは道の右側を歩く
あなたは平均的な人間だ
あなたは法 ....
  無機の
  果実
  歯欠けの道化師は
  朝 マンドリンを焼く
  駅前公園で
たもつさんのおすすめリスト(3908)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
泥水- 草野春心自由詩120-1-18
雨のコンパス- ミナト ...自由詩120-1-18
beautiful_glider- ミナト ...自由詩220-1-17
遺品- ミナト ...自由詩120-1-16
石榴2020- wc自由詩320-1-13
夕暮れ見本帖- 塔野夏子自由詩5*20-1-13
フラグメンツ_カタログNo.31~60- AB(な ...自由詩6*20-1-13
SPIRITの夜- 服部 剛自由詩220-1-11
フェイクファー- ミナト ...自由詩220-1-10
フラグメンツ_カタログNo.1~30- AB(な ...自由詩6*20-1-6
冷蔵庫- TwoRivers自由詩6*20-1-3
無敵の人(初稿)- れつら自由詩1*19-12-28
eternal_place- ミナト ...自由詩2*19-12-23
ねじれた袋- 草野春心自由詩219-12-21
ミシガン・レリックス_2- AB(な ...自由詩4*19-12-20
ジャンパー- クーヘン自由詩2*19-12-7
転校生- クーヘン自由詩3+*19-12-6
ネルシャツ- クーヘン自由詩4*19-12-1
ミシガン・レリックス_3- AB(な ...自由詩9*19-11-30
3人- クーヘン自由詩3*19-11-26
あ、- AB(な ...自由詩15*19-11-19
ことば- 梅昆布茶自由詩1519-11-4
そよぐ- AB(な ...自由詩9*19-10-24
メモ- はるな散文(批評 ...619-10-1
むらさき- クーヘン自由詩3*19-9-11
風のシール- AB(な ...自由詩519-8-29
風鈴- クーヘン自由詩3*19-8-23
ゼリー- クーヘン自由詩3*19-8-18
常識のコレクション・序2- れつら自由詩119-4-6
烏瓜_6- 草野春心自由詩218-12-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131