煤眠り SuiSui再度 焦げロープ
苔眠り スィスィ再度 漕げボート
もうこれいじょう
なーんにもかんがえたくなかった
ところかまわず
からだをなげだして
やーめたっ
なげやりなこえでせんげんして
あとはどこかのだれかが
つづきをするなりちょきんときる ....
兄は云う
この井戸を掘り返してなるものか、
と。
野井戸はけして深くなく、
雨水が満ちているのだが。
野井戸はすでに開かれて、
....
花壇のマリーゴールドは
みごとにおひさまの色
おひさまを
いっぱいに吸いこんで
ハナムグリのベッドは
おひさま色の花粉
ハナムグリのごちそうは
おひさま色の花粉
夜なんか知らな ....
まるで橋を渡るように
月の町と日の町が
時の海の渦の中に
一つになって溶けていく
知らない町
知らない人の群れ
立体裁断の服の子らが
同じ顔くっつけ喜びはしゃぐ
人形のような老 ....
おそらく きっと
一人で生きるために
生まれてきたんやろうと思う
卵の裏の膜は
楊枝をさすと
窓の桟の汚れが
よくおちます
埃が自分のお花なら
網戸の青いナイロンは
桜の葉の ....
子供の頃は
山手線とか
中央線の
区別なんてつかなかった
中学高校と
陸上部に所属
大学では
経済学を専攻していた
いつまでも
走らなければ
いけないなんて
思いもしなか ....
赤土の皿に赤い身
濃い溜まり醤油と
潮気かおる雨宵
ここでしか漁れんもんやから
引き戸かたつく飯どころ左隅で
ちらちら横目くれられビールを半分まで
流し込む
わぁ美味しそう ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
少女まんがワールドのあのピンクの靄の中にいると
書店が丸ごと幻覚剤に思えてくる
美化された男達が刺身のようにならんで
少女達の目で品定めされレジへと運ばれていく
私が初めて読んだのは萩尾望 ....
けらけらと笑いあい
手をつないで
かけぬけた
日々
わたしはいつでも
ひとりでした
ほろほろと溶けて
くずれてゆく
角砂糖はキライ
シャカシャカと音のもれ ....
夕立でもぎ取れた蝉が
丁度今乾き切りました
私はアスファルトに足を揃えました
腹をかえし対の肢を合わせたその亡骸は
無音の言祝ぎでした
夕立のあと再び燃えていた日は、結局 ....
はだしで たたん ステップ
ひびけば きょうが はじまる
おはよう おはよう
ことりのようにさえずって
あさのぐんしゅうにまぎれても
ひとり ひとり たどりつくばしょ ちがくて
....
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな
と
親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔
まだ見たことありません
のような午後の世界に
河川敷の花火
の音が聞こ ....
びっくりした瞬間に
落っことしてしまった、っ、は
鍋の中で出汁を吸うと
綺麗な色艶に、茹で上がった。
だから皆、
美味しい!とは言わずに
おいっしい!、って叫ぶんだ。
ワイシャツに袖を通し
カーテンを開ける
陽射しがこれみよがしに降り注ぐ
俺は塾講師だ
自転車に乗り煙草を吹かし口笛を吹け
汗が滲む
郊外型スーパーの前 ....
発車を告げる笛がとつぜん響き渡る
いつの間に電車が到着していたんだろう
みんな一斉にホームに駆け出す
ぼくも駆け出す
階段で足がもつれて転びそうになる
転んでいる人もいる
閉まりかけた ....
交差点に立ちながら考えた
なぜ俺はここにいるのだろう
紺色の制服の中のそのまた中は
少しも変わっていないのに
化石となって考えた
風がひゅーひゅーなっていた
女子高生が華やかに通り ....
梅雨明けの午後3時、
高架化成った西武池袋線桜台駅。
昼飯食いそびれた背広姿のサラリーマン(俺)が
ベンチにて団子3串にかぶりつく。
頭ン中にはお気楽な音楽。
「カリフォルニア、 ....
さり気なく母であれば
さり気なくあなたも娘であるから
家の重さが気楽だね
愛しさは葉裏に隠した卵のように
日にも晒さずに
風を気取って通りすぎる
着慣れた服の私を
あなたは横目で追い ....
私には顔がない
のぶちゃんはグルグル包帯の
ミイラ男みたいな顔持ってた たしか
と、思っている
水鏡にもお尻を向けられた
私 やっぱり顔がない
手鏡捨てた
三面鏡割った
別にいいや ....
朝の花瓶から落ちたばかりの
新しい百合の花の傍らに
朝の床にて閉じたばかりの
新しい蝶々を添えたらば
一滴も流れず
ふたつ
満ちた
何も願わない夏の朝
百合の花と蝶 ....
子供の頃
山手線よりも
中央線の方が
好きだった
どこまでも
走っていくと
思っていたから
ずっと
真直ぐで
余計なものなど
何も無い
直線に
憧れていた
ずっと時間 ....
白いシーツにくるまって
裸の足を少しのぞかせながら
「帰るところがないのぉ」って
まるでローティーンの家出少女みたいな
口調でさ
そう言ってみな
きみの横に滑りこんだぼくは
不器用に ....
傲慢な蒼さに
突き刺されて肌が痛い
高揚とするのが
負けたようで憎い
潮が照り返す午後
子供は競う
空の青さは海を
上手に飼いならしている
渚は囁きを止めない
無意識 ....
それは
失ったっていうことにはならないよ
って
あなたは言うけれど
じゃあ聞くけど
本人に聞いたんだけど
もう覚えていないんだってさ
何も
覚えていないんだって
秘め事とか
....
僕
には携帯を充電す
るより少しだけ大切なことがある たま
に
は逆らってみたいと思う
....
水道の蛇口を捻ると
羽根飾りを着けた男の子達が飛び出してくる
あわてて掬って口に含むと
格子窓から漏れてくる明かりのような
ぼんやりとまたうっとりとした
現実に変わって
あたしの渇きを癒す ....
いつだって繋ぎ目は曖昧だから
継ぎ接ぎは空にだってある
雲の
折り重なった影を
届かないその曲線をなぞったりする
ほんの些細なことが
いつまでも尖って痛いので
繰り返す垣根の下り ....
ばらばらに散らばっていた いろんな言葉が
ひょんな瞬間体に まとわりついてくるんだけど
でも
知らない女の舌が
僕の肌をすっと すべっただけで
またそれはすぐに ばらばらになって消えてしまう ....
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