両腕でバランスをとりながら黒鍵を渡る。ちろちろとつま先から炎、揺らめくモディリアニ。白鍵
は床上浸水していて、溶けてしたたるたびにじゅう、って、しずくの結晶なんだ。映る、壁に体と
もうひと ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
「詩を読むのにも飽きて
 ピヨピヨ湖のほとりで
 釣りをしていた

 おれが愛したのは
 美しい風景ではなく
 それを記述した言葉の美しさだった」

と かいたところで
 ....
真夜中にちっちゃいうたを湯舟でうたうと
ゆげでぜんぶなくなってしまうから
今日はうたわなかった
半分になってしまったペディキュアは
女であることを忘れさせてはくれないのに
どうしてもう半分を ....
コーヒーと洗剤、カップラーメンを3個あの人と生きる為のここんとこ
うちには冷蔵庫がない

耕したままの畑にちょこんと寄り添うてみれば
お前らの生活には根ざしたものがない、と
お偉方の批判
 ....
朝には
テーブルの余白から
夜に吐いたお伽噺は消えていて
お伽噺の糧として要した液体の缶や瓶は
テーブルの余白にて
死に惚けた口腔のような
得体の知れない黒い空虚に成り果てて ....
 


 結局僕らは、手を繋ぐことも恐れていたから、きっと、人間なんて外枠は、どうでもよかったんだね。感覚で繋がる、思いは繋がっている。「繋がる」なんて言葉の嘘を、僕らはとうに見破っていた。不器 ....
                  「メリーゴーラウンド」 15

  ぼくは

散髪屋さんなんて行きたくない
って拒絶していた自分がおかしい
喉にタオルを巻こうとして
気管切開のカ ....
あれから
どれくらいの時が過ぎたのかなんて
思い出せないけれど
わたしは夜の11時頃
仕事帰りにひとりで
国道4号線沿いの
びっくりドンキーで
ハンバーグディッシュを食べていて
つい
 ....
こうやって、ね
もちあげたら
そうしたら、ね
おっこちてきたんだよ
ぽた、ぽた、
って
おっこちてきたんだよ


ぼくが
うちゅう、みたいな
まっくらで
つめたいところ、
り ....
りんごの花咲くゆうべのこと。

蛇は指環をくれた。
言葉の代わりに指環をくれた。

指環をはめると、
ぐじゅぐじゅといやな音がした。

左手は灰色に変色し、
潰瘍だらけになり、
皮 ....
布団を上げると 
やもりが一匹 
ぺったんこになってました
どこも腐ってなくて 
見事に水気が無くなって
臭いもありません

ミイラという言葉より
押し花という言葉が
頭に浮かびまし ....
  



汗臭いソフトボール部室の角
グローブやベースが積まれた壁

  「すろー かーぶ おしえるけん

            やまねこ拝」

きたない赤い文字

   ....
沢山の肌があって、沢山の息があって
電車の水疱まみれの窓硝子は、耐え切れず、つつ、と、壊れた
そしてまた、つつ、と、何度でも壊れた
沢山の肌があって、沢山の息があった
私わかってい ....

散天したナンテンを摘む球体関節の
長足が天圃を揺らすモールス-テンポ
もう留守になった巣箱のサテンの毛布に
告発者の独白がchillを喪して震えている
朝靄の満ちる未知の一縷は揮発性
 ....
奪われたものは奪われたままに夜は消え
春をいろどる明るい粉は素知らぬ素振りでダンスする
海はかたちあるものを映すことができずただ光を反射し
あまりに眩しいので虫たちはみな死に残るのは切り絵だけ
 ....
私は大地だなんて今更そんなこと歌いながら歩いてゆく
まひるの高速道路さすがにちょっと危険
でも引率する彼女の後ろにはぞろぞろと娘たちがついてくる
娘たちは美しかったり美しくなかったり
あるいは ....
「もう一年早ければ、受験できたんですがねぇ。」
そういった試験管はかなり嬉しそうに笑った。
新卒の22歳より、
数年分賢くなったわたしはいらないのだそうだ。

バス停であなたを待つ間、
 ....
たなかさんちに
ようじがあるとかで
おばあちゃんについていった
すごくおおきないえで
おばあちゃんとたなかさんのはなしが
いつまでたってもおわらないので
ろうかをたんけんするうち
す ....
花はよく咲いたが

実をなさなかった









わたしの部屋には

白磁があるが

それには違う

実を山としよう
 
 
  ....
約束されたことは、なかった
ただ一度も、なかった
噛み合わない歯車が磨耗を呼び
嬉々として
それを食い潰した
約束されたことは、なかった

約束されたことは、なかった
なだ ....
一晩中

ブルーシールについて語り合う

植物性は許せないらしい



今朝

庭の畑に霜が降りた
夕暮れの後の雨はどこも優しい
平静な音が響いて
空間が深まっていく、窓の外
思い返すほどに
心落ち着いていく


世界は円になっている
そんな
額面通りにはいかないらしい
言葉が繰 ....
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おも ....
外で誰かが ドアをドンドン叩いている
そのあとにありえない音がする
最近同じ二階で引っ越していった中国人がいたのを思い出す
この前アパートの消火器の箱を開けたら包丁が入っていたのでうちで ....
いいのである
しょせん言葉ならば
たれながしても
永遠やヒストリーに
殉ずることこそ
権威主義のア・ラ・カルト
そんなことを
半世紀 いや 
もっと前の
詩人たちも言っていたと
信 ....
私が新しく作り替えられても
朝はいつでも同じ時間だ
野原の奥がくすぶっている

伸びる
伸ばされる
空になって、消える

遠くでサイレンの音
迎え入れる朝は窓
コーヒーの黒
空 ....
彼の背後はなかなか困難である。

もともと幸福な人の幻覚を離れて、
世界を睨んでいるのが神々の仕業だとしたら、
実感することのなかった日々の生を
ただ正確に自分で創造し続けていないといけない ....
産声をあげたのは
この世界に降り立つのがいやだったからだ

羽根がほしいのと望むのは
今すぐにでも空にかえりたいからだ

死を恐がるのは
僕たちがまだうまれたてだからだ
もう競争するのはいやだ。
はっきりいってコンテストなんて根本的に意地悪すぎる。
ダレか一番だとか、なんでわざわざ知らなきゃいけないんだ。
良い経験でした。なんてたてまえはもう言いたくない。
 ....
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