コップ一杯の冷たい水
そんなささやかな願いさえ
叶わないまま
死んでいくこどもがいる星
きっと百万年前も今も
あんまり変わってないんだよ
この星は
せめて
冷たい雨が降って
その唇に ....
切り刻んだお新香
にたにたと醤油をかける
薄化粧の私の娘
二十歳が匂う
裸鰯は漁らないが
花柄の帯を締めた
固い絆の海女たちと
今朝も鋭い磯笛を
吹く

ブリキの潜行艇に乗り ....
笑い声が急に遠くなって
気がついたら電車に乗っていました
時計の針から見放され
寂しい呪文を唱えそうでつい笑う
肉体が完全に凍って
走り出す意識はきっとここで
腫れた手首を冷やすように
 ....
夏のとおい空に
誰もいない部屋あって

積乱雲の斜面に
眩しい青春が引っかかっている
ぼくは懐かしく見つめたりしてる

2Hの鉛筆で描いた
チーターが
風の中を奔っていくとき
遡れ ....
まいにちカタログに類似品を追加して
不特定多数のみなさまに送っています
自分の言葉 というのも関連商品です
世界とおなじ大きさのサンプルがあれば
もっと売れるんだけどなあ
ひとが死んだ

そして
その後にひとは
死んだひとをまたころしている
もう血も流れないから
ひとはなみだを流せないのか

そうやって

いちど死んだひとのいのちを
にどもさんども ....
忍者になりかけてから
将来が心配になったので入ったのが大学でした
ここにはもう
学者はひとにぎりしかいないみたいで
あとはみんな
商社とか出版社とかに行くようです
父が忍者だったことを思い ....
母に
「おまえよりおとうとのほうがかわいい」と
言われた

ようやく10年後
家を出れた

わからなかった
母も人だということが
家族という塊を抜けたいま
いたいけれど わかる ....
大きな木の枝に縄を架けて
ブランコを作る
日がな一日
ブランコ、ブランコ
秋になると実がなって
地面に落ちる
拾って拾って
ブランコ、ブランコ
クりの実 ....
ほとんど白に見える山桜
山中に点景のように咲いている
近くにいくと何しに来たというように
無視しようとするので
おまえを見に来たのだというと
ちょっと嬉しそうな顔をする
こ ....
五月になれば 静かなものたちが風に揺れる
栞の挟んだ読みかけの本を開いてみる
わたしの記憶はそこでたちどまっている
色褪せた光の染みを読むように頁を捲る

その先を読むことも また
許され ....
どうでもいいけど
やめとくれ。
できれば
そんな
かわいい
かおは。
ひねって、しぼって、
まだしたたらぬ
ことのは
ふぜいを
きどるのは。
*


わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。







*

少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
日々、日々、そして日々
直立の過ぎた或る身体が
正しい姿勢というものを失念してしまう主な原因は
目にした花弁の、茎の、色彩を、質感を、暗記し反芻することで
一時的に和らぐことができます
 ....
吸いこんだ空気
に含まれた
酸素をひとつのこらず
わたしの体は
吸収しているんだと信じてた
全身の二酸化炭素を
呼吸するたび
すべて酸素と置きかえるのが
生きている証拠だって

 ....
もけはチェロのように鳴く。
もけはタンポポみたいに柔らかい。
もけはぷくぷくしていて、ぽこだ。

もけは時々すねる。
もけは時々おいたをする。
もけはいつも寂しがりやだ。

 ....
ルール それを踊る君の背中に貼り付けて 君が気付くまで黙っていようか
崩れそうな足元で 歩き出すことを禁じてみようか 立ち止まれば 立ち止まるだけ
涙の落ちていく滑る頬 涙に映りこんだ月 その一枚 ....
踊ります




夜に住む影のその柔らかなライン
生活の歩き疲れた縁取りを
可能ならば手を取り合って
繋がり合うつま先を
ほんの一瞬の隙間で避け合いながら



過ぎれば、朝 ....
赤い犬が夜は黒くて怖いからピアノピアニカ一緒に弾こう

右、ピアノ。左、ピアニカ。僕たちの布団の中は眠らぬ楽器

イタリア語で売春婦さと嘘ついてピアノで作るピアニカのうた

ピアニカに苛烈 ....
電車が止まるたびに
ひとの泣き声がします
ここ真昼の東京駅は
けして夢を見ることをしません

うだるような夏の日
固まりになってひびく
靴の音
顔を置き忘れた
魂の音

ひとびと ....
どうしてこんなところを指定したのかと不審におもいながら
おごそかにアダルトグッズを物色する客どもにまぎれていた
もうじき目じるしの赤いバラを尻に挿した組織の男がやってくる
そいつになにくわぬ顔で ....
テスト用紙の四角い枠に答えを書こうとすると
鉛筆の芯がぼきっと折れた
クラスメイトの鉛筆が
かりかり音をたてて問題をといていた
ふで箱をあけても
先のとがった鉛筆はもう一本ものこっていな ....
ワタナベ『リフレイン』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=34796
丘 光平『壁』
http://po-m.com/forum/showdoc.php ....
花が咲き出しますと
わたしの中で
やさしいものたちが
皮膚を透して 蒸発していきます

それはわたしの 遠い方向の片側で
不細工であるけれど
組み立てられていくのです
そこにだけ 微か ....
みよこさんを
つくりました
まゆげがくっきりしていて
みぎみみのうしろに
ちいさなほくろがありました
みよこさんはあさはやくおきて
ごはんのよういやそうじやせんたくをしてくれました
 ....
僕らがあの不確かな情景をそれと呼んでいた頃には
まだ君は躓かない足と目線で
確認済みの経路を泳いでいた
風をよけるような手付きで


あの足跡から
十五番目の通路の奥で
黄色い花が咲い ....
あなたはひとではない
あなたにはかたちはない
あなたはどこにでもいて
あなたはどこにもいない
あなたはいるけどいない
あなたはいないけどいる
あならからとおくはなれて
わたしはひどくさみ ....
アルマジロ 板東英二の主食なり 一部の地域で薬とされる


山小屋で飲み水代わりになろうかと結露吸い込む 友の思い出


春雨に河童の類を取り出して にこりと羽織った初恋の人


泣 ....
冬からようやく春になります
夜空がもう春になりました たぶん
桜がもう芽吹いています
知っていますか
東京、よりも半月も遅い


川の流れは順調です
これ以上ないほど順調です
その先 ....
シャツにアイロンをかけていた女は
突然の事態に吃驚している
ドラマチックに 目の前に 立っていたのが
髭の 生えてる コロンビア人で
彼は ナイフを ぺろりと舐めながら
金を要求してきたのだ ....
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