夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
卵、みせかけのベニヤの殻をぺりっと突き抜けた
明るい中から暗い夜へうなだれぶち込められたどろりの光を
そのまばゆさの産物がひとつひとつ小さなゼリー状で次々と分裂し
粒が粉になり地球上に拡散しまた ....
ゴミラは疲れてしまった。
うつむいて
とぼとぼと茶色い海辺をあるいた。

テトラポットが陽気な声で
「あたしはゴミじゃないわよ」と言った。
でもゴミラは知っていた、
テトラポットはゴミラ ....
膨らんでしまった
地球の半分の大きさになった

わき腹に インドネシアがささるし
南アフリカからドイツまで腕をのばすと
陽が射さないと 苦情がくる

こんなに大きくなったのに
考えるの ....
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは携帯ゲーム機をやりながら路肩を歩く/
qwerty walks in the shoulder of road/
q ....
(曙)

薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
 ....
としゃっ、としゃっ。
雨ではないものが降っている中閉じこもる膝
肩にもたれる自分の頭 とか、
不自然なほど換気されていない部屋の中の一部
とりわけ日々の苦痛より前 ぬくもっているそのものが
 ....
 裸足ですか?
 いいえ 林です
 蝶ネクタイは? 
 蚊に喰われました
 海へいきましょうか
 カモメは飛んでいますか?
 ええ、すぐりの実がなる頃です 
台風の声がする、ゆあーんん。


道化どもの動悸が青テントをきしませるサーカスの夜
ぎいこ、ぎいこ、と支柱が「舟」を漕ぐ
真ん中で振り子、する空中ブランコ金魚じみたラメ衣装の乙女ひぅぅぅぅる ....
きれいな三角形の甘いスイカのてっぺん
ちょっぴり齧ってみた    
・・・甘い
ちょっと固くなった食パンの角
ちょっぴり齧ってみた    
・・・香ばしい
小さい時から手放せないウサギの縫 ....
道中 キモミミズは、兄の横顔を見ていた
兄ちゃんの髪はヤモリのお腹みたい
橋の苔はツルツル
足の甲はトゲトゲ

今からケイバに行くところ
葉が踊りざわめつく

天井から、アナウンス
 ....
ニワトリのたまご
白いネリケシで
土台を作って 10個
窓辺においた

今日は 曇りのち晴れ
少しずつ輪郭が浮き彫りになる

黄色い光が浮いてきた
午後

ジリジリ
なのに冷た ....
捨て金魚をした

近所に川がなかったので
人の多い駅前に捨ててみた
金魚だってわかってもらうために
「大学と手毬です 可愛がってください」とでっかく書いた
気になって一日に何回も駅 ....
全身黒ヘッドフォンが千羽飛ぶ 都会の空に響く雑音



一羽からは TOKYO-FMのハーフのDJの声
(猛暑苦)
一羽からは ソフマップに行くとかかっている歌
(広東語)
一羽から ....
少女は部屋の四方の窓を全開にして
綱を握りしめて
鐘を力いっぱい打ち鳴らした
なぜだか判らないけれど
とにかく屋根には鐘があって
そして鳴らさずにはいられなかったのだ

鐘はボワァ〜 ....
正午だ
ダッシュ!お昼、のあとでゆっくりと《神々を噛むためのガム》を買う
お気に入りのキシリトール、あの木陰がいい
アラニン化合物、腰をおろしてゆっくりと
フノラン(FN)とリン酸カルシウム( ....
165cm
背伸びする 172cm
椅子の上に立つ 212cm
たんすの上に ひざまずく 423cm
屋上にいく 2665cm
富士山に登る 377765cm
飛行機 エコノミーに座る 1 ....
ヤモリが窓にはりついている その腹は白い わたしはそれを見つめながら 目の前が
急に真っ白になってしまう もがいても晴れぬ霧のなかで 人恋しさに泳いでいた視線
が骨格を発見する 継ぎ目の無い骨はセ ....
昨日はオレンジの匂いのする君の部屋を出ると見えたいっぱいのコンクリートを僕は何も考えないことでやり過ごした。
僕の頭中いっぱいの僕でさえよくわかっていないものは君の部屋のオレンジの匂いに少し似ている ....
かかとが少し痛いけれど
あなたがくれたこの靴は
いつでもはいていないと 
誰かにとられてしまいそうで
ばんそうこうが蒸れて 
きずぐちに良くないと知っていても
はかずにはいられない
むか ....
1. 太陽のひとしぶきが僕の額に夏を刻印する夜明け


2. 僕はパジャマの袖を不器用にたくしあげながらテーブルに付く


3. 風のブランコに押されてレースのカーテンが膨らみ高まってゆく ....
たとえば
クロワッサン と アールグレイ・ティー の 朝食
よろしければ目玉焼きも付けますが

たとえば 
チャーハン と コーンスープ の 昼食
よろしければしゅうまいも付けますが

 ....
渇いた口から取り出す体温計は砂臭い
剥げかかったマニキュア
むわっと立ち込める暑さの中で
激しく咳き込んで 頭痛をこらえていた

今日の私はやりたい事がたくさんあったのだ
昨夜着替えたパジ ....
ルールーと悲しい音を立てて回る歯車を引き止めて
唸っているゼンマイに電気を通すとそれなりに揺れている
動力に油をさしすべらせることによって加速は増す
近くの見知らぬ工場から無断で引いている電線の ....
今の気持ちを残そう
コトバにのせて残そう
ヒトは忘れる生きものだから

今の気持ちを残そう
ヒトは変わる生きものだから
変わる生きものだから
今日の真実も明日は虚無
だって変わる生きも ....
裏庭のトマトをもぐようにわたしはわたしになまえを
いくつもつける
(たとえばフランチェスカ、など)
そこにいるわたしテーブルのうえのわたし
わたしがすでにいないところにいるわたし
テーブルの ....
ぼくの名前は秒針
チッチッチッチッと音を鳴らして
0秒から59秒まで
時間を知らせるのがぼくの存在

ぼくはある待合室の掛け時計の中にいた
ぼくのことを見詰めている
ひとりの女の子が居た ....
簡単に分け与えた
朝を隔てて越えるもの
下向きになって思う空気は
まだ近く 目の中で止まらせたままの
駅の中で

何も 言えないほどには
透き通っていた
その時間僕達の足が
誰かと  ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
 
 冬の間に完成された景色は
 硝子瓶に詰められてきらきらしていた
 細やかなバランスをとって
 その中を動くものはなかった二月

 桜は荘厳に咲いて
 壮麗に散って
 始まる年ごと ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フライング- 岡村明子自由詩903-9-17
にわとりの産んだ世界のコケコッコ鳴り渡る- nm6自由詩503-9-15
ゴミラの消失- 佐々宝砂自由詩5*03-9-11
大陸- 山内緋呂 ...自由詩1003-9-11
クウェーティーは路肩を歩く- kakashi自由詩3*03-8-25
チンダルのはしご- AB(な ...自由詩803-8-20
吐瀉物- 黒川排除 ...自由詩203-8-17
林さん- 山内緋呂 ...未詩・独白303-8-12
『颱風の聲』- 川村 透自由詩2*03-8-11
齧る- 暗闇れも ...自由詩703-8-10
二人兄弟- 湾鶴自由詩203-8-8
エッグ’s- 湾鶴自由詩203-8-5
捨て金魚- 嘉村奈緒自由詩33*03-8-3
ヘッドフォン蝶- nm6自由詩303-8-1
意志- アンテ自由詩2*03-8-1
《SUGARLESS_XYLITOL》- 川村 透自由詩3*03-8-1
等身大- 湾鶴自由詩7*03-7-28
夜護- 黒川排除 ...自由詩203-7-25
そんなオレンジ- 山本リョ ...自由詩203-7-24
くつずれ- かなりや自由詩1*03-7-24
『柑橘系の簡潔な朝の叙述+PS』- 川村 透自由詩103-7-24
はえがたからないようにして- かなりや自由詩5*03-7-14
夏風邪のカルピスウォーター- 野島せり ...未詩・独白203-7-11
海浜プラクティスランドの憂鬱- 黒川排除 ...自由詩303-7-11
変わるものだから- KEIK ...自由詩303-7-9
テーブルのうえのフランチェスカ- なを自由詩3203-6-18
精神科の待合室でのつまらない妄想。(千葉県民の会で朗読したや ...- よだかい ...自由詩1603-5-21
恐竜の背中のカーブ- 合耕自由詩503-5-13
ハピネス- いとう自由詩5703-5-12
キラメキ- マッドビ ...自由詩303-5-6

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