わたしの中に森が生まれたとき
  その枝は音もなく広げられた
  指先から胸へと続く水脈に
  細く流れてゆく愛と
  時おり流れを乱す悲しみ



  わたしを立ち止まら ....
びんのなかの
うごきは
とてもかんまんだった
ときどき
うろこのようなものが
ひかったように
みえるけれど
すぐに
どろみずにかくされてしまった
ぬるぬるしてて
なんだかきもち ....
ぜんまいのねじ
をめいっぱいまいた
よういどん で
にしへむかってかけだした
ちからつきたら
また
ねじをまけばいい
ぜんりょくで
はしりつづけた
ちょっと
いったい
だれが ....
                 

不可触賤民、ミンミン
不可職選民、眠々
不過食選民、民々
ネットの隙間の眠々
なまねこ様はなまねこと
非待時式非交換線群を
軽弾みに爪弾いて
ね ....
ほんとながいんだね
てすりにもたれて
あなたがいった
りんごなんて
らくしょうだね
そらのまんなかで
たいようがぎらぎらしていた
ばななだって
へっちゃらなのかな
しょうがくせい ....
昼下がり、蝉のバッチをつけた男が
ショウウインドウを覗き込んでいる。そこには
アンティークのオルゴールが置かれていた。
しばらくすると、店員がやってきてネジをまわした。
すると蝉が鳴き始めてあ ....
樹皮で生まれました
地中に潜りました
植物から
ご飯をもらいました
木を登りました
飛びました
鳴きました
交尾をしました
祈るように死にました
伝説のブリーフを
誰もいない
コインラウンドリィに
放り込み
パイプ椅子に座り
煙草に火をつけ
女性自身を広げ
ゆるい
サンダルを
鳴らし
三度鼻をかみ
ベッドがあり
下着があ ....
近づく

中田さんは
パンダになる

病気らしい

入り口で
手を消毒する

消毒液が
床にこぼれ

扉を
二つ
またぐ

パンダが一頭
寝ている

中田さん
 ....
プラネタリウムの暗闇に
目が慣れるまでの
ほんのわずかな時間
きみのからだの
いちばん柔らかなところに
そっと指を這わせてみたい
こっちを見るな北極星
少しだけ目を閉じていろ


 ....
鋼線伝いの道
丘へと
君をつれ
君は犬をつれ

ふと目をはなす
その隙に
君は増え
君のつれた犬は増え

群れる
群れてゆく
君君
君君の犬犬

が、を
が、を
 ....
もう、ここも夕暮れて
短い夢のあと
ひとつ、ふたつ、みっつと
呼吸を数えていく
世界はまっすぐで、明日へ向けて良好で
目覚めの後の、定まらない視線で
遠く見えない、海を見ている


 ....
ちいさなふねが
いくつもつながれた
がんぺき
をとおりすぎて
まつばやしをぬけると
みじかいすなはま
でこみちはとだえていた
なみうちぎわから
いっていのきょりをおいて
あるくあ ....
帰ってくるよ
夏が帰ってくるよ
この火で埋められた季節に
死者たちが帰ってくるよ



ただ白いだけの変な鳥がいます。暑い夏の日差しを受けて、きらきらとその翼が輝いています。飛んでいる ....
あめがやんだので
あのひとにあいにいった
べつのだれかに
あいにでかけたのか
よびりんをおしても
へんじがなかった
ひょっとして
すれちがったのだろうか
あわてて
うちへひきかえ ....
知らない

暑くもない

ちょっとだけ寒かったりする


初めまして
わたしは

あれ
誰でしたっけ?

夏の果てに棲むという

或いは大きな口をひらけて
あれは ....
遠のいていく
夢の終りの予感

連続する瞬間の
寓話的イノセンス
遠のいていくわ

音楽的無添加な透過

指の形良く
挟んだ煙草と
くゆる
正視の冷却
覚めてゆく未知数
 ....
+TATOOの悲しみ

 水商売をもれなく売女と呼ぶ
 その在庫表の端には
 くたびれたドラえもんが描かれている

 規則正しく働ける
 抜け目ない線とスイッチの裏の
 せわし ....
  

良くない蛙
飛べない蛙
湖で育った
七面鳥
クワガタムシの侍たちが
堂々と行進する
背高のっぽの高圧線
ぐわぁーんと唸る
風の強い日

美登利虫
泣き虫
お玉杓子
 ....
こんこん
つたえたいことを
もってきました
ああ
ごくろうさま
そのへんにおいといてください
じゃあ
たしかに
おとどけしましたから
はいはい
ちゃんとうけとりましたよ
あの ....
それを見つけたのはもう随分昔です


早口言葉みたいに呪文みたいにお経みたいに
聞き取れないような音で速さで
青で赤で黄で鮮やかな色彩で時に真っ黒で
真っ直ぐに進んで行きました
 ....
たとえば地震が起きたときに
真っ先に
何かを考える前に
眠っているあなたに
身を挺して覆い被さるように

それを何と呼べばいいのですか
恋人よ
恋人たちよ

言葉にされたものは ....
貴方の背中ごし
最後の花火を
見ました

あと何年、何十年
花火を見たら

私は
花火になるのかしら

貴方の背中ごし
くやしくて
くやしくて
だれかれかまわず
きずつけたかった
じぶんのはいた
きもち
ことばが
ぐさぐさ
だれかをきりつけ
だくだく
ちがながれればよかった
ちくしょう
ちく ....
洗濯物をたたむうちに
不意に可笑しさがこみあげてきた

昨日までの
それまでの
汚れを落した衣服の形
そうだとしても
ひとつひとつ
笑顔や葛藤や
その他{ルビ諸々=もろもろ}の生活を ....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く

ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う

のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
霧の花がしめやかに
咲く谷には 夜の単位を
定義した者たちが眠っている
そこから わたしは来ました
もうすこし 先まで行きます
なにかがたりないよね
って
みんないう
なにが
ってきいても
こたえてくれない
たしかに
それはめいかくに
おもいえがかれているはずなのに
めをそらして
うまくいえないけど
 ....
くらげはもう水みたくなって
やがて海になるだろう





溢れる 空想を両手にとって
きみは穴を掘っている
隣で海を耕しながら
私はそれらを見つめてあげる

 ....
かざぐるま
自分では回れない
竹とんぼ
自分では翔べない

( 風を起こし風にまわる )

風鈴
自分では歌えない
三日月
自分では輝けない


夏の終わりを待ちこがれ
飛 ....
たもつさんのおすすめリスト(3902)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
森の風景- 嘉野千尋自由詩36*05-8-12
ぬるぬるしてきもちわるい- アンテ自由詩6*05-8-12
にしへ- アンテ自由詩205-8-12
ひょうたんマラカス- あおば自由詩305-8-11
ながい- アンテ自由詩105-8-10
「蝉」- プテラノ ...自由詩4*05-8-10
- 辻野克己自由詩605-8-10
伝説のブリーフ- 辻野克己自由詩1005-8-10
中田さんのお見舞いに- 辻野克己自由詩705-8-10
プラネタリウム- 大覚アキ ...自由詩305-8-10
きみづれ野- Monk自由詩605-8-10
なにもない、海- 霜天自由詩1005-8-10
とても- アンテ自由詩2*05-8-9
帰ってくる夏- 岡部淳太 ...自由詩16*05-8-9
てんき- アンテ自由詩405-8-8
カバかもしれない- tonpekep自由詩18*05-8-8
繁茂する微熱- こしごえ自由詩13*05-8-8
くらげの日々/知っている- 石田 圭 ...自由詩3105-8-8
塩分濃度- あおば未詩・独白1*05-8-8
つたえたいこと- アンテ自由詩905-8-7
いのち- 大西 チ ...自由詩12*05-8-7
愛ではない(未完の)- いとう未詩・独白1205-8-7
花火- LEO携帯写真+ ...6*05-8-7
ちくしょう- アンテ自由詩705-8-7
笑う形- こしごえ自由詩16*05-8-6
しらやまさんのこと(6)- AB(な ...自由詩1405-8-6
そろもん(出自の話)- みつべえ自由詩305-8-5
たりない- アンテ自由詩505-8-5
_に隠される- 石田 圭 ...自由詩2805-8-5
夏の喪失- たりぽん ...自由詩305-8-5

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