センチだ
メートルだと
カタカナの単位が威張ってる
センチメンタルは流行らない
比較する基準が変わる
じゅうばいのじゅうばいのじゅうばい
目が回るほど遠いと思う
比較的長いと思う ....
いつまでも星の見えない東京をピンクに塗った兄貴を和姦
声優の違うのび太は土曜日の昼ドラなんかに癒されている
ジーパンのチャックを開けてメギラマと唱える男子トイレの隅 ....
いつも
あたしが
気持ちよくなりはじめる頃に
ママ
ってつぶやく
瞳
いいこ
いいこ
いいこ
いいこ
瞳の奥に
夏の空が晴れるころ
そこにようやく
あたし ....
昨日美という女がいた
小柄でどうしようもなく泣きそうな顔をした女だった
うつむくと
細いまっすぐな鼻筋があって
ベクトル
時間軸とは関係もなく
電車の床に延びてゆく明日
昨日美はイチゴが ....
ポーランドはもう二回目
来るたびにエーヌ伯父さんのところで夕食
黙ってラジオを聞きながら
日が沈みかけ3人で食事する
エーヌさんの奥さんは健康な眼差しで
僕の期待をポテトスープの ....
ねー君の手がもう右に曲がらないなら
僕が手伝ってあげようか
君のあご、
気持ち悪いくらい曲がってるね
ほら僕が代わりに喋って欲しかった物買ってあげるよ
ほら僕は君 ....
江戸っ子の
おきゃんといなせがくっ付いて
魚屋を創めたよ
時々遊びにいくと
人工甘味料のだけの
昔はそれしか無かったんだ
オレンジジュース
好きなだけ飲ましてくれた
....
五月の岡を歩いている
松林の間から
ひめ春蝉が鳴いている
ここは
天国ですか
みんなは笑っている
天国かもしれないが
あなたの天国であり
私達の天国ではありませ ....
今朝は季節がもどり
寒い雨が降っていた
泡粒は無情に
傘の上を跳ねまわっている
白梅の枝にも川が流れる
空は雨の中をどこかへ行った
採っておきの小枝を
詩の女神に捧げ ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
でんしんばしらのよこにすてられた
さんびきのこねこが
じりきでそだつ
自由はみな、無重力の選択圏内を潜行している。
そして、揺るぎない遅れを知る。
しわくちゃな角笛を持ったサンチョ・パンサ
この身を一体此処からどこへ連れて行ってくれるんだい?
二月の闇に ....
ごらん
あれはとても雨ににている
夾竹桃
その下に小さな蜘蛛がいて
そこにもやはり雨はしとしとと
濡れて
いるのだろうか
いい
匂いがする
そういえば、と
一行で綴られた手紙を
まだ読み終えていないことに気付く
しん、と
静まり返った日には
覚めない雨が降っていなくても
どこかで
音がするものだから
....
あなたが夜中に電球を交換したから
母子手帳にないものを確認したわたしです
今朝は自然に目が覚めました
これが普通だったのかな
なんだか病気のようで
そう思ってしまって
それでも反省する気に ....
こどもたちがつくりわらいをうかべるまちでは
おとなたちがまいにちびーるをのんでいた
とても新しい
墓石に刻まれた文字が
読めない
わたしの名前が
書いてある
はずなのに
目を開いたまま
ぶったおれ
何が見えた?
あかいふうせんがどうんどうんとそらへそらへと侵食してい
き
ました
広い、窓のあった部屋
私の一部分がそこで途切れていて
確かな
薄い胸で必死に空気を集めていたこと
息切れと
ほんの少し気持ち良いと思える
ぴりぴりとした痺れとで
滑り込んできた電車は目眩 ....
曲がれそうで曲がれるカーブは
いつかどこかで落ちていくもので
今日
と言っても嘘はどこにも転がっていない
今も削られるままの
海沿いのあの煙突のようなこと
僕らも、ひょいと飛び出して
落 ....
青ざめた喜劇役者が
陽気に痙攣している
何を間違えたのか
この照明はやけに明るすぎる
恐ろしい青空に
巨大な広告塔たちがそそり立ち
だだっ広い国道を車たちが
獣のように流れてゆく
....
ガラスの瓶が
たくさん手に入ったので
縁側に
一列に並べた
ふちを棒でそっとたたくと
ひとつずつ
ちがう音がした
家じゅうをごそごそして
ひとつ目の瓶を
薬でいっぱいにしてみた
ふ ....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた
僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
歯をくいしばってたら
お姉ちゃんが
あんた何やっとるんって
涙を頬に留めていたら
弟が
どしたんって
鉛筆を芯が無くなる迄削ってたら
ラブラドール犬のラブちゃんが
....
秋は
透き通った声に満たされた夜を僕らのもとに運ぶ
ほら、聞こえるだろう?
稲穂の群れに
目を閉じてじっと聞き耳を立ててごらん
星の向こうから僕らの時間を歪めているアンドロメダ
小さな ....
木製の、キシキシ音のする、大きな橋。
緑色の柳が揺れるたび、懐かしく思い出す建物。
透明な、湖の、湖上に浮かぶ、大きな橋。
鉄製の、熱を忘れた、冷ややかな橋。
茜色の夕焼けに、灰色の幻影が ....
毎朝、夜からの氷の瞳を持った三人の娘たちの夢を紫色
に染めてゆく、背の低い北風の話し声。彼女らの膚から
絹を解いてゆく、そんな静かな叫びを愛しているほどに
フラスコから床に零れ出した、夕暮れ ....
青空に
ふとキリンが
浮いている
なんという
虚ろな空なのだ
ああ青空
縞模様を辿ってついにここまで来ました
ここまで来た
ふと
振り返るキリンの眼には
何も映らな ....
線という表現を
鮮やかに創れば
春がぽたぽたと空の線から落ちて来られる
わたしはただの詩人であるから
世の中に支障のないように
春をしずくにしても
春に色をつけても
或いはジーパンの ....
中華料理を食べに行くと
おばちゃんとこどもっちがいちゃいちゃして
不味いエビのチャーハンが、おばちゃんの少しさめた振りをした愛情表現の様に乾いた味がした。
でもこどもっちはあんまんみ ....
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