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「きんぎょ」
かすかに覚えている
ものごころついたとき洪水があって
まだ泥だらけの
でも復興しかけた町で{ルビ市=いち}がたって
母に手を引かれ買い出しに行った
長靴が泥でじゅぽじゅ ....
うまれた時に にぎっていたのは
青いちいさな さみし石
てのひらからもぐりこんだそれは
ぼくの ひざっこぞうになった
ときどき いたいの
とっちゃいたいと おもう ....
たださまようだけではなく
裸 なのだ
ただし
きらりんと光る瞳を持つ
裸の羊
裸のために役立たずと裸のために群から追われ
けれど裸のために僅かな陽射しにぬくもりに
狂喜する
....
座卓にころがる
おちょうしが三本
テレビは巨人-阪神戦
おつまみは枝豆と鮭とば
外では蛙が鳴いている
夏の 夜
(ストラーイック!バッターアウト!
....