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「きんぎょ」

かすかに覚えている
ものごころついたとき洪水があって
まだ泥だらけの 
でも復興しかけた町で{ルビ市=いち}がたって
母に手を引かれ買い出しに行った
長靴が泥でじゅぽじゅ ....
 うまれた時に にぎっていたのは
 青いちいさな さみし石

 てのひらからもぐりこんだそれは
 ぼくの ひざっこぞうになった


 ときどき いたいの
 とっちゃいたいと おもう ....
たださまようだけではなく
裸 なのだ
ただし
きらりんと光る瞳を持つ
裸の羊
 
裸のために役立たずと裸のために群から追われ
けれど裸のために僅かな陽射しにぬくもりに
狂喜する

 ....
座卓にころがる
おちょうしが三本
テレビは巨人-阪神戦
おつまみは枝豆と鮭とば
外では蛙が鳴いている

夏の 夜

       
(ストラーイック!バッターアウト!
 ....
たもつさんのこんさんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きんぎょ・かめ・うさぎ- こん自由詩504-1-22
さみし石- こん自由詩504-1-3
裸の羊- こん自由詩703-11-26
ある一夜- こん自由詩403-11-11

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