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日が落ちて 暗い川に
すう とよぎる物がある
魚のひれに
背の高い草
それから
釣りのおじいさん
長い棒で
水をかき
橋をくぐる

なにがみえるのか
なにがきこえるのか
波紋と ....
しらない をおいかけたら
からかうように空をすべった
梅雨のあいまの明るい風に
しらない しらないと
はしって逃げた

いつだって
しらない は遠く
つかめそうな距離でも
生卵のよう ....
チョコレート色の夜が
しずくに溶けて 流れ出す
とろりとろりと
自分ばかり見て
しずかに ひそかに
排水溝へ落ちてゆく

私の足元を
暗い色のしずくが
うずを巻いて とりかこむ
逃 ....
ゆびさきを闇にひたして
子宮の中に帰ろうとこころみる
背の高いくすのきがわらい
絡まる根でわたしをとらえた

蝉のねごとが聞こえる
綿毛のくしゃみが聞こえる
トマトの放出する酸素が見える ....
ぱちん

がまぐちをひらくと
ごえんだまが三つと
ごじゅうえんだまが二つ
それから ひゃくえんだまがひとつ
奨学金のはいるまえは
それでいっしゅうかんを過ごす

こむぎこと
おこめ ....
となりのとなりのとなりのへやの
めざましどけいがなりやまないので
ゆうがた六時半にそとにでた
まだ日はしずまず
ふだんよりずっと赤いかおで
西のやまの端にキスするようだった

あんがいあ ....
サンダルをはいて
かわべりをあるく
ゆうだちのあとの
なつのにおいはわたしの
あしのつめににじんで消える

わたしがいなくなる
みどりのなかにとけはじめ
ゆっくりとかぜにながれる
上 ....
カーテンを開けると
山が見えて
その中腹には墓が並んでいる
集団住宅を思わせる密度
西の端にペンギンのような像
人に聞くと観音菩薩像らしい

部屋の端で
卵と砂糖と薄力粉をかき混ぜる
 ....
街灯はあたりをてらし
川はなにかのために流れる
夢のなかにいるような
うっとりと甘い夏のあめのなかに
かえるのくしゃみをきいて
はすの葉のうえにとびのった

傘がみずをはじく音
遠くの ....
灰ぶちのねこのしっぽを追いかけて
角のコンビニでりんごジュースをかう
こいびとはきゅうに消えたわたしをさがし
視界から消えるなとおこる
このしあわせはいつまで続くのだろう

雨色の雲がおひ ....
水面をゆらしながら
初夏のかぜが吹きすぎる
こいびとの手をひいて
堤防をころげた

草についた水滴はあまくひかる
さかなが跳ねてぱちゃんと音をたてた
はねまわる ころがる
だきしめる  ....
雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない

 ....
きみはきまぐれ
洗顔料をはぶらしに塗りつけて
靴を磨いている
それはちがうと虫はささやき
猫はその虫をくわえて去った
葉の落ちた柿の木がゆれる
ほりかえされた桑が叫ぶ

ハンドクリーム ....
母さん、明後日のゆうはんはなんにしようか
夕べはほうれん草のおひたしだったし、
今朝はやわらかなチョコレートパンだった
昼もやわらかなチョコレートパンで
夜はまだなんにしようかきまっていない
 ....
つちのかたまり
きのかたまり
一つ一つ刃を入れて
ぬのをまきつけてひとをつくる
ななだんかざりや
さんだんかざり
硝子のなかのふたりきり
いちまさんはひとりきり

ほそいまなざし
 ....
おふろに一緒にはいってくれるきみへ
にくにくしいねといったときに
なぐらないでくれないか
わたしはこんなにほねほねしいのに
といったときに
胸のふくらみをつつくのをやめてくれないか

と ....
目を閉じて
自分の身体をなぞる
髪がある 冷たい感触
耳がある したのほうが柔らかい
眼窩がある 目が飛び出そうで怖くなる
鼻がある 少し油っぽい
唇がある 言葉が溢れそうだ
首がある  ....
ねむるためのよるに
ねむらない

とかすはずの砂糖を
とかさない
珈琲は苦いほうが目に痛い
肝油ドロップをふたつぶ口に入れて
つくりかけのシャツをつくりきる

かたづかない部屋に
 ....
外があまりにもしずかなので
わたしはまた音を失ったかと思いました
外があまりにもうごかないので
わたしはまた光を失ったかと思いました
外があまりにも秋らしかったので
わたしはまだ冬がきていな ....
ある朝
右のみみがきこえなくなりました

ある朝
左手のこゆびがうごかなくなりました

ある朝
右のあしくびがまがらなくなりました

ある朝
左のめがみえなくなりました

わた ....
メルルーサというさかながいるらしい
昨日食卓に並んだ

私はそのさかなをしらなかったので
想像してみることにした

全長三メートル
深海にすみ ぎょろめ
口はとがり
歯がある
縦に ....
しずかだとおもうほど
わたしはここにいたいわけではない

となりにすわるおとこと
たわいない会話をかわしながら
わたしはよいを隠している
すきだとかあいしているとか
ねたいとか
そんな ....
ひとりきりでいなくなろうと思った
特に悲しみなどないのに橋の上から
飛ぼうかと思っていた
わたしはみかんがだいすきだったので
最後に一つと思ってくちにふくんだけれど
あまりにおいしくなかった ....
おやすみなさいとゆめをみない
おはようとめがさめない
こんにちはとてをふれない
さよならとふりむけない
しらないうちにわたしは
がらがらごえのばばになり
ひとりきりでさくらのしたに
ねむ ....
たもつさんの竹節一二三さんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
暗い川- 竹節一二 ...自由詩1205-7-13
しらない- 竹節一二 ...自由詩805-7-11
雨のあいだに- 竹節一二 ...自由詩505-6-21
ひそやかに- 竹節一二 ...自由詩3*05-5-24
おかいもの- 竹節一二 ...自由詩504-7-18
日がしずむころ- 竹節一二 ...自由詩904-7-16
あしのつめ- 竹節一二 ...自由詩504-7-10
わたし- 竹節一二 ...自由詩204-7-8
だれが- 竹節一二 ...自由詩104-6-11
午後- 竹節一二 ...自由詩504-5-24
ちぢにみだれる- 竹節一二 ...自由詩804-5-18
ひとりきりの日曜日- 竹節一二 ...自由詩504-5-2
きまぐれ- 竹節一二 ...自由詩404-4-5
ゆうはんのしたく- 竹節一二 ...自由詩404-4-5
ひいな- 竹節一二 ...自由詩104-1-23
きみに- 竹節一二 ...自由詩803-12-18
からだ- 竹節一二 ...未詩・独白403-12-1
ねむるためのよるに- 竹節一二 ...自由詩603-12-1
まひるの丘- 竹節一二 ...自由詩403-11-18
欠けてゆく- 竹節一二 ...自由詩303-11-10
メルルーサ- 竹節一二 ...未詩・独白403-11-7
車上にて- 竹節一二 ...自由詩403-11-3
みかん- 竹節一二 ...自由詩603-11-2
しらないうちに- 竹節一二 ...自由詩603-10-30

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