夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
波がそよいで

靴底に、沁みる

遠い水を{ルビ浚=さら}い

 海が伝う。

    {引用=あの日}

そっと {ルビ掬=すく}い

手の内にきえる


一瞬、少 ....
世界は僕を賛美する
僕は真っ白な天使ゆえ
人の道の頂点にいる

なのになぜだか
世界は僕を蹴落として独りにする
まるで僕は薄暗い日の当たらない所にいる
人の道の最下層にいる

人はみ ....
夕方 お散歩にでた
屋根をみた

すべりそうな屋根
安心の平らな屋根
凸凹な屋根

屋根から屋根へ
お散歩 お散歩

夕方の屋根は
どれもみんな
さみしさがのっかってた

 ....
誰にも故郷があって

それが心の拠り所と呼べるものでなくても

またその地を踏んでみれば 何か思うものがあって


私はなぜだか 駅に降りたら涙が込み上げてきた

帰ってこれたことが ....
気がついてみると、あの頃にようには心や脳
が動かなくなったのか、とかなんとか。そん
なことはないはずで、身体と心のあちこちが
ゆるんで、ちょっとやそっとしたことなんか
で胸が高鳴り、涙を流して ....
わすれもの
わすれたままに
しておく呪文

ときどき きれて
おもいだす




エアコンの効き過ぎたホールの
化粧の芳香と二の腕にむせながら
逃れた駐車場の隅に


 ....
 積乱雲を想って
 紫の渦あじさい
 順呼気に澄む
 ふくらみ過ぎた花と緑は
 まるで巨大なくるみ型の舟
 或いは脳みそ 
 私はミソスープに伸ばした腕を
 食卓の
 小鉢に触れたいと ....
かのじょとわたしはいつもいっしょにいる

かのじょのみぎかたには食洗機についてる
みたいなひねるだけのスイッチがついている

わたしがからだをかたむけるとわたしの体はゆうれいみたいにすいーっ ....
それは凄くて 彼の胸は貝がらだ
完璧な夏に 投棄された貝がらだ
涸れないことをほめるのは
ただ軽蔑するのと一緒だ

彼は{ルビ薬匙=やくさじ}を咥えさせて
蛇も寝なさそうな夢を明か ....
そして私は迷い込む
静かな五月の夜
輪郭を失くした処に

複流し
伏流する時の中で
淡くオーヴァーラップするのは
私の意識と
君の意識か

(私とは)
(君とは)
谺のように出 ....
宿命か大蛇に勝つのは夢のなか

どんなに足掻いても
逃げることもできず

雑多な大都会の
ありふれた駅前に
颯爽と現れた私人は
何もせず
人知れず

今日も虚のなか
生きていて ....
草原で風に吹かれて
座っている
誰かが来るのを待っている
偶然通りかかるには
あまりにも広い

知らなかった
こんなにも膝を抱えるなんて
自分自身で歩いて来た
わかっているけど
一 ....
 打ち明けられた秘密は
 どうするだろう?
 やっぱり落ちるだろう
 どこへ?
 どうして?
 何も分らない感情になって落ちる

 落ちながら
  冷えるだろう
  冷えて固まるだろ ....
鼓動と同じペースで手を叩いたら
どちらか分からなくなった

手を止めた瞬間に崩れ落ちる身体を想像しては
足元を悠々と闊歩する
蟻の行進を眺めた

つま先から少しずつ、食いちぎられるまま
 ....
  

僕が森に行くのは
そこに隠れている夕焼けを
あの日の夕焼けを見たいからで
森に行けないときは
こうして目を閉じている
できれば
君の息が聞こえるくらい静かな場所で
静かな気持 ....
田中はまだ17歳だ
カフェの部屋で沖縄にいる
女の子だ

カフェの部屋は沖縄の密集地域にある
ビルの4階で経営している
というのも予約制である

このカフェは
◯◯有限会社の社長のカ ....
私は
優しい人間ではない
ただ
自然で
ありたいだけです


自分の弱さを
自分で認められる人は
ほんとうは
つよい人だ
そこに道がある


私は無知だ。
ここにこころが ....
行きそびれた 五時
帰りそびれた 五時



もうそんなに刺激が欲しい年頃でもない、
とつぶやいたあなたが、カットハウスへ
消えてゆく。それでも、歌はどうですか?
それを詩に込 ....
東京SK駅から北東約十分
明日にかかるプールバーで
転がる玉を見ている
すべての始まりはそこで
やがて
花火の夜に散るように
マイクロバスから
あせた国際色が帰る宿
すべての始まりはそ ....
  ふたり


 ふたりにしか
 出来ないことをしよう
 ふたりきりで 話そう

 もしも 意味が違っても
 見つかるのを 一緒に探そう

   *

 ここでしゃがんで
  ....
田園の
真ん中に
ぽつねんとそびえている
焼き鳥屋から
狼煙があがる
狼煙があがる

昼は
終わったのである
夜が
始まるのである

だんだん
だんだん
浮き上がる
ぼぅ ....
殺したい
殺したい
殺したいと右手が唸り
思い切り壁を殴りつける
ふりをして ほんのあと1センチで止める
この細胞の残酷さ
眼差しはボクサー
棒切れのような身体からあふれ出す狂気
頭の ....
 風の中で
 花びらになるもの
 一枚のレンズ越しに見える
 様々なかたちに折れる
 吹きながしになって

 君と痩せた蜂の両足が 
 季節を運んでいる
 胸が渇き
 私は何故かシャ ....
ぼくの犬が消えた日
空には深爪したような月があって
そこだけがぽっかりと
穴が空いているようだったよ

ぼくの犬が消えた日
学校までの通学路はとても長くて
おまえのだらんと長く伸びた
 ....
「今日の貨物も 重そうだな」
「ああ 空の雲も 重そうだな」

凍り付く森の枝先 すり抜けて 
貨物列車がゆく
港の駅まで たんたたんと

コンテナの奥はガラスの水槽です 
銀の平原を ....
 眠りをさますのは
 グラスのピアノ
 窓のカタコト
 外気が漏れている
 天井が笑っている

 風に去られ
 人目からも外され
 膨らんでゆく実をあたたかに想う

 たったひと粒 ....
1.
夜の陽だまりに
昼間見つけておいた
幽霊の足が咲いていました
窓辺で奇妙な咳をする
子どもの背中は丸くなる

(月のドーナツを齧ったのは
(わたしです
(歯型がぴったり ....
   


まだ
緑の生い茂った頃につく花梨の実は
毎年のように
手が届かないところについていて
酒に漬けると美味しくなるとか
蜂蜜を加えたら喉の薬になるとか
はす向かいのKさんは毎 ....
雨のあと、僕らは廃園で見た
レインコートを着た怪人
手足が長くて、大きなシャベルを持っていた
まるで今しがた何かを埋めていたように
土に汚れたレインコートを


その色を その手触りを
 ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
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