くすこはつんぼ
むかしから
なにもきこえぬ
かんじてる
くすこはふれる
はなのこう
やけにげんきな
ばばのこえ

てづくりゆかた
なつまつり
はなびうちあげ
ひかりみた
 ....
私は昔から男の腕にもさもさ生えているあの毛が大嫌いなのであって、それは例えどんなに大好きな人のものであっても変わらないのである。しかしだからと言って、極力腕毛の濃い人は避けるとか、付き合ってから濃いこ .... 脂喰坊主は地下鉄の端で
ホームに顔を突き出して遊んでいる
駅員が慌てて止めるが
大丈夫
脂喰坊主は死なない
脂喰坊主はバツの悪い顔で笑う
それから
目を閉じてかっきり一秒
 ....
 一人でいることに、何年も飽きなかった。シートの、海に伝わる神話を読みながら、永く暇をつぶしていた。精霊の女、の横顔の表紙。空腹の中、海に向かう道、カセットで、オペラを聴きながら、わたしは車を走らせた .... それは 私の中の悟りのようなものなのかも

小学生の時に こんな事がありました。
「どんな風景でも良いので 風景画を描きなさい。」と言われ 好きなようにスケッチして絵の具の色をおきました。
 ....
                  「メリーゴーラウンド」 11

  声

何度も何度も
くりかえし読んだ童話がある
街はずれの丘のてっぺんに
大きな観覧車があって
雨の日も風の日も ....
夜の真ん中の
縁をなぞりながら
影だけの月の
少しだけ零れる明かりを
晴れることの出来ない日
ここでも
傘だけは、ある

夜に、越えられずに
息の詰まる深みを
ゆっくりと
息を入 ....
迷子のお知らせをします
赤い帽子をかぶった
ワンピース姿で
後期量産型の
中年男性が
迷子になっております
アナウンスはスロープを
なだらかに崩れ落ちる
伏せられたメガホン
かぶせら ....
記憶は
思い出に似ていて
にどと戻りはしないのに
私の体を小刻みにふるわせる

港町の風景が逆光の影のように
寒くてしょうがないのはきっと
季節を呪った
ブランコのせい

吹きかけ ....
もう出会うことのない
未来の恋人たちに
かすかに血の匂いのする親密な
Hello



自転車の荷台にフランチェスカが座る
バスタブのお湯がフランチェスカのぶんだけあふれる
回送電車 ....
祖父のあとをついていく。

海を見渡す墓地で、親せきたちが鎌で草を刈る。わたしも草を刈る。

母が野の百合を、見つけ出した墓に供えた。

波は白い。
ぐるぐる回る
思考を止めて
自分を殺す
冷たい水が
ぬるま湯になり
手を沈め
足を沈め
最後に頭が沈んでいく
ごぼごぼごぼごぼ
何もない場所へ
落ちる
だから
ふりむかないことにする
いつでもどこでも
撃ってくれ
防弾チョッキは着ていない
君は
エプロンで
マシンガンだから
僕は
好きだったんだ
風の音。わたしは平野に立つ。西の空は錆びた色をしている。

離れたところ、陸橋に車が列を作って走り去る。月が風に揺れている。風の音が、遠くの車の音が、わたしの耳の中の音が、入り交じっては、かき消さ ....
誰もが安易に描くことの出来る草原の断片をひろいあつめて
籠とゆう籠のそとがわを不安定している
蝶の羽根越しに開かれた冬へと
踏み込む
回転するはばたきはすぐに閉じ
巨大な雪山に遭難する
吹 ....
まだ 小さな眠りのことから うまく話せないでいる 濁ったものや 透き通ったものが 次々と流れていく 潮の引いた海岸 陥没の七色の群れたがり 等しくなく問いかけるもの 温度を感じるならば それは揺らぐ雲 .... もうこんな窮屈なブラックホールでの生活は嫌だ
と彼は言った
しかし私の手のひらの上にも
本箱の中にも
ブラックホールなどなかった

どうやら彼の言っているのは
ただの黒い穴のことのようだ ....
今があり
なにもないから
安心して息をしていた
なにもないはずなのに
車が走ってきた
人が乗って居る
慌てて撃ち殺そうとしたが
武器がない
殺さなければならないものが
目の前を通 ....
オレンジは地獄の香りがすると気が付いたのは、
今から20分前だ。

汚れた薄いオレンジ色が雲に流れて、
辺りには誰もいなくなったので、
夏休みにも飽きたので、
誰もいない学校に行っ ....
シャワーを浴び
体をすみずみまで洗って
髪をつやつやにブローし
化粧水
美容液
下地
コンシーラー
ファンデーション
粉白粉
ここまでがベース
眉を書き
アイシャドウを入れ
ア ....
?.

{引用=
「俺は白だ!」空が泣いていた。空は自分のことを白色だと信じて疑
わなかったのだ。「違うよ、君は青色なんだ」「嘘ばっかり!」どう
しても聞いてくれない空に、僕は鏡を持ち出した ....
午後3時に建物の外に出ると
ひとっこひとりいなかった
というのは冗談で
こんな大雨なのに
腕を組んでいる二人組がそこら中にいる

かくいうあたしだって
日付が変わるころに
お酒に飲まれ ....
黄色い線までお下がりください
下がってますよはいはい
車掌さんいつもありがとう
風の強い夜
電車は黄金色に煌々と輝き
静かにわたしの前に滑り込む
ドアが開く

乗らないでいると
後ろ ....
遠く
かなたの星で生まれた光
降ってくる
ガス雲をぬけて
いくつもの星団とすれちがって
ちりや小惑星をかいくぐって
小さな青い星に突入して
大気に散乱されながら
ようやくここまでた ....
暗号電文を流すのはやめてくださいという文章が郵送で届く。どういうことか問いつめると何もしてないと言う。ぼくらはキャッチボールをしに外へ出る。遠い異国から輸入されてきたいくつかの異なる言語圏の文字で書か .... 駅前で
ギターで歌い続ける少年の
声を誰も覚えていない
ギターの音色が日付を越える頃
繰り返している月のかたちを
誰も答えられない
すっかり冷えきった自動車の
エンジンをそっとかける
 ....
公園のベンチで
よだれをたらしているひとが
木星に廃屋を建てていた
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
画用紙に書いた思い出を
消しゴムで消してゆく
書き込む時と
同じくらいにていねいに

そしてうすくけばだった
画用紙を抱えたままで
真っ白になりました、と

少しだけ泣いた
  
 ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
くすこへ- 石川自由詩804-10-14
うでげ- 捨て彦散文(批評 ...304-10-14
脂喰坊主_と- いとう未詩・独白1404-10-13
バード_(「バード連作集1」)- 光冨郁也自由詩20*04-10-13
曼陀羅絵巻のように- ひより散文(批評 ...10*04-10-13
- アンテ自由詩604-10-13
月曜の夜の晴れない日- 霜天自由詩1004-10-13
3000リットル- 黒川排除 ...自由詩804-10-13
ふるさとではきこえない- たりぽん ...自由詩5*04-10-12
親密なHello- なを自由詩1504-10-12
- 光冨郁也自由詩12*04-10-11
一日の終わりに- チアーヌ自由詩3*04-10-11
マシンガン- バンブー ...自由詩1104-10-10
平野- 光冨郁也自由詩6*04-10-10
- 本木はじ ...自由詩404-10-10
それから- 黒川排除 ...自由詩304-10-10
奥鳥羽の秋- たかぼ自由詩304-10-9
自動車- あおば自由詩3*04-10-9
オレンジ色- あおば自由詩5*04-10-9
フルメイク- チアーヌ自由詩504-10-9
douze- ピッピ自由詩11*04-10-9
左半身の濡れかた- 吉原 麻自由詩7*04-10-9
黄色い線の内側- チアーヌ自由詩704-10-9
聞こえますか- アンテ自由詩6*04-10-9
だけれどぼくらは- 黒川排除 ...自由詩204-10-9
暮れない夜、覚めない日- 霜天自由詩1004-10-9
2835年(弥勒17年)- 本木はじ ...自由詩604-10-8
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
もう一度- umineko自由詩1204-10-8

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