また、ここに夏がやってくる
僕の広げた手のひらの内側
少しうつむきがちな背中にも
広げた葉っぱのトンネル
その先の坂道は空へ消えていく
青い青い夏、遠い遠い世界
少しずつこの街からは何かが ....
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました .... 六月、朝は煙の中から浮上していく
昨日積み残してきたものは
もう何処にもないかもしれないと
溜まってしまった風の中に体を傾けて
もう一度目を閉じていく
泳げない朝に見る夢は
煙った街から突 ....
腐るまえに
食べます さかさにして 
付け根のあたりを
ひらいて
吸って
養豚場から柵を跳び越え豚が逃げ出した。
ラジオを首からぶら下げて。
 田んぼの稲は真っ青。そこを豚は一直線に突っ切って
町の市場へと向かう。ラジオは大音量で、
「豚肉が高騰中!」と報じている。 ....
1……うん
2……うん
3……うん
サンダル履いてこ


アツは夏くてサンダルでないと
図書館行くときも卵買いに行くときも
ゆっくり歩いて キュッ キュッ
帽子は麻製つば広し
変則 ....
白いペンキを買ってきて
塗りつぶした
とにかく全部塗りつぶした
ぺたぺた
わたしの
痕跡はきれいさっぱりなくなった
ぺたぺた
とても静かになった

丘のうえの大きな木のした
ご ....
宴もたけなわに ぬけだして
トイレで もどすのは
ふつうです 血へどを
吐いては飲みなおすのが
基本ですので
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる

空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
  

卒園式ではいつも以上に
園長先生のお話 長いね
と うちの子供が気にかかる
寝てはいないか
ちょっかい出してはいないか
そんな心配もなんのその
みんなちんまりと神妙な面もちで
 ....
パラパラとガラスをたたく

大地から沸き上がるあつさと

ねつの滴りに

味サイが帽子を揺らす

アスファルトは硝煙のかおり

かさのはながさく

しばし 追憶にまどろむ
忘れない
高い小さな窓から覗き込んだ時間を
校舎の隅、零れていた笑い声の隙間に混ざった寂しさを


夏だった
世界がゆっくりと溶けていくまでの時間を
知らない、知ることもない
あと少し ....
世界一小さい公衆トイレ(それはおれんちの、そして君んちのトイレ)
で、ギャルソンが生まれた。趣味の悪い蝶ネクタイをしていて
手に乗せた皿の上には、ご主人様どうですか?といわんばかりに
蛙の死骸が ....
「ねぇ、ウインクしてみて」
と言われて
どちらが利き目だか迷った

迷うようなウインクに
どれだけの効き目があるのかな
とボクが言ったら
「迷うようなところがいいのよ」
と彼女は右目で ....
レッグウィップレッグウィップ。足元にじゃ
れつくウィップ。遠ざかる遠吠えにウィップ。
深夜のアスファルトに水滴。薄い雨粒。オゾ
ンの微膜が地表にはびこり地球を覆いつくす。
オゾンウィップオ ....
  
  
どうして
こんなにも
遠くなってしまうんだろう


君の温もりの届かない場所へ
朝の
くうきを吸いに行く


そこにはもう

玉砂利の向こうで
手を合わせる ....
おくればせの真昼
季節はずれの発情
そこここに信管を潜め
それでも無心に回り続ける天体の
うわべもなかみも
総花の躁

 嗚呼人類文明ノ日輪ハ隠レタリ
 我唯内的生命ヲ以テ爛堕ノ世情ヲ ....
チョコレート色の夜が
しずくに溶けて 流れ出す
とろりとろりと
自分ばかり見て
しずかに ひそかに
排水溝へ落ちてゆく

私の足元を
暗い色のしずくが
うずを巻いて とりかこむ
逃 ....
右へ行くと睡蓮が
左へ行くとアヤメが
池の真ん中で
悩むわたしは錦鯉
卵をたくさん産んだよ
こどもたちは
みんな
ヤゴに食われたよ
わたしは錦鯉
ゆらりと泳ぐ
バクバク食べる
太 ....
気温が下がると
外が気持ち良さそうに
ほどけているので
わたしはサンダルを履いて
恐る恐るドアを開ける

群青色の夕方
白いお月さま
ここはどこですか

自分のことを忘れ
感情を ....
疫病が蔓延して
またひとつ
古い村が捨てられた

縦穴住居跡には
いつも怯えたような
青白い満月がかかる

古代を復元した月が
青白いのは空気が澄んでいたから

ここにも ....
えりちゃんのにおいがして
雨がすこしふった
きれいなえりちゃんはふきげんで
ようふくの襟を
ひんまげて

おとうさんはとかげを撫でて
まどを 
すこし開ける


えりちゃんの隣に ....
血を 花を
みどりの草地に散らかして
突っ伏している 兵士たち
風のニュアンスを聞きわけた
鳥は しばらく帰ってこない
こんにちは
頼りのない足取りの青年が囁く
こんにちは
つぼみのままの桔梗のようなからだが
治療病棟の個室に吸いこまれる
「若松さん。」
人の傷跡が残る廊下に ただよう消毒液のにおい
若松 ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 .... 空が微かに剥離する
空の剥離する音をきいている

微かに青い香りがしている

カシャっ

生活はいつまでたっても生活で
ぼくは毎日お腹が空いて
そしてぼくは
sexがしたくなってし ....
 カーテンの隙間から差し込む光のブロー
 頬を擦っていく風のブロー

 この街はリング
 真っ青なライトと
 アスファルトのマットに挟まれた
 埃っぽいリング

 午前中は誰も口を ....
 十月

忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた 
ぼくは何気ないそぶりで 自然 ....
また夜がきた そうして風がしみる
ぼくの肩も胸も もろく こころは
出血を くりかえしているが
かまわずに よりかかってくれ
きみひとりなら まだ支えられる
ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
たもつさんのおすすめリスト(3908)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ただいま、に向けて- 霜天自由詩1105-7-1
●そろもん第一の栞- みつべえ散文(批評 ...2305-6-30
泳げない朝に- 霜天自由詩1105-6-30
そろもん(据膳の話)- みつべえ自由詩205-6-28
ブタラジオ- プテラノ ...自由詩5*05-6-26
サンダラー- ヤギ自由詩3*05-6-26
ペンキ- アンテ自由詩405-6-26
そろもん(宴会の話)- みつべえ自由詩405-6-25
空の形- tonpekep自由詩45*05-6-25
しらやまさんのこと(4)- AB(な ...未詩・独白605-6-25
*あまおと*- かおる自由詩11*05-6-24
あの日、飛び越えた五線譜を- 霜天自由詩705-6-24
ギャルソン- プテラノ ...自由詩3*05-6-24
ウインクのききめ- イオン自由詩2*05-6-23
ライト、ライト、レフト(ウィップ)、ヴァース- いとう未詩・独白9*05-6-22
しらやまさんのこと(3)- AB(な ...自由詩3*05-6-21
微熱さめやらず- Dolly自由詩205-6-21
雨のあいだに- 竹節一二 ...自由詩505-6-21
池の鯉- チアーヌ自由詩305-6-21
なくなる- チアーヌ自由詩505-6-21
月曜の夜- あおば未詩・独白3*05-6-20
なぐ、じかん- はな 自由詩11*05-6-20
そろもん(鳥の話)- みつべえ自由詩305-6-19
こんにちは_若松さん- たちばな ...自由詩11*05-6-19
蒸し焼きの雨- 岡部淳太 ...自由詩37*05-6-18
カシャっ- tonpekep自由詩3*05-6-17
ボクサーズ- マッドビ ...自由詩105-6-17
十月_十一月_十二月_虹- 青色銀河 ...未詩・独白7*05-6-17
そろもん(抱擁の話)- みつべえ自由詩405-6-17
ムーニールー- ふるる自由詩35*05-6-17

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