ビデオテープの町には
あの頃のままの
恋人がいて
老人は
画面に張り付き
色の雨粒を見ている



空と地面に一本の線が伸びる
その端っこを
紙コップにつなげて
い ....
灰ぶちのねこのしっぽを追いかけて
角のコンビニでりんごジュースをかう
こいびとはきゅうに消えたわたしをさがし
視界から消えるなとおこる
このしあわせはいつまで続くのだろう

雨色の雲がおひ ....
雨に煙る国道は
遠く空との境が曖昧で
その上を僕等は はぐれないように
線を引きながら

雨に迷うのはここでもあなたで
いつのまにか迷っているのは僕だったりして
ここまで迷ってしまうのは ....
美しくない夕日などあったでしょうか
山の稜線に影を落とし
上空を見上げれば
雲が山の彼方から淡い橙色に染めあげられています
山と雲の間を
黒い点のようなものが
こちら側からあちら側へ ....
いったいなにを鳴いているのだろう
夜の底が蛙の声で沸き立っている

半球はいつも夜のこの星で
絶え間なく鳴き続ける声はいつか
太陽系の外側の宇宙にむけて溢れ出すのだろう
何億年のあいだ ....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか


「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ


昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな


警報機こわし ....
ゴヤゴヤしていると
頭の中で巨人や人喰いサトゥルヌスが
ぐるぐると回転していて
窓を開けて
空を見上げれば日曜の午後みたいな
美しい
星空だった
雨作りが砂丘をトボトボ
酸っぱい雨はもう流行らない
少し涙が滲んでくる雨作り
そして涙はこぼさないように!
ラクダの膀胱でこしらえた雨袋へ入れる
もう少し泣かないと町もできやしない
町作り ....
結合した雪の結晶体が
春に降ることがないように
満ちることの重大さが
人生の背後に潜むのだ

荒れ狂う恋の嵐とは
また別のところでの
生殖
ことばはなく 有無はなく

未天地での選 ....
この世界のどこかに
わたしにならなかったわたしがいて
やはり ひとりで歩いているなら
おそらく わたしは
声をかけることができないので
せめて すぐ前を歩いてゆく
少しで ....
最近
ヨーグルトが美味しい

爺はよく

「このヨーグルトは安いけど美味しいんだぞ」と

かりんとに付けて食べていた

爺が晩酌の顔で食べていた姿が懐かしい
爺は将棋が好きで
近 ....
へんなかたちのきみのあそこは
しゅうまいに似てるね、にく、たっぷりの、にくの
しゅうまつの夜
ふみんしょうの都市の溶鉱炉で
きょうはなにを溶かそう?

おれんじの世界で
呼吸をとめてみま ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる

昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
機械音がする

オーナーが
自動ドアから
出て行った後
カウンターに立つこと約20分
新聞を整理して
返品伝票を書く

細かな雑音がする

店内には誰も居ず
シフトは1人
時 ....
寝ているすきに
あの娘の目ん玉を
拝借してきてしまった

薄目をあけて眠る癖が
あまりに
かわいかったから

鼻でも 耳でも
なんでも良かったけど
薄目にやられた

枕元に置い ....
桜の木は老い
花びらは輝く力を失い
低いサーチライトに照射される
低く低く流星弾が飛び交い
黒い影はジワリと砂に滲みだす

断ち割られた石のベンチに寝転んで
覗き込む夜空の底
私た ....
「チャールズ・ブコウスキー」

あなたは自分を制御できない自分を、
ダメオヤジ、だってわかっていて
せっかくのチャンスを片っ端から壁に投げつけ、台無しにしてしまったのだ


チャンスって ....
空襲のあとは
炭の山だった


『Cの練成』

彫刻よろしく
ヒトの型をとった
炭素を
スコップで突き崩して
トラックに積む

鼻をつく
死体の焼けた匂い

立ち込める灰 ....
焼 き 魚 泳 ぐ 世 界 は 詩 の 世 界

前 世 で の 僕 ら ふ た り の 墓 参 り

夢 枕 寝 グ セ で 立 っ た 先 祖 さ ま

ね み み み ず 寝 間 着 ....
誰かが扉を開け去っていった
レモンが置いてある部屋に
出し抜けに押し寄せる大量の泥
僕だけが
部屋にいないので
どうすることもできない
二頭の馬が夜の中を歩いている
病院の屋上で
君とあやとりをする
君が欠伸をして僕が瞬きをする

飛行機
カブト
ネクタイ
しっぽ

象のような鳴き声の強風が吹くと
君の髪がボレロ ....
最上階のプライヴェーエト・ジァアグジィーの
黒い鉤型の湯出口に
バラいろのヤモリどんがつっかえている
赤ん坊のように柔らかな爪のはえた
短い後ろ足をじたばたさせ
水道管の奥へ奥へと身をよじら ....
こうえんのべんちに
ぼんやりすわっていると
ちいさなくもがにしのそらからやってきて
しろいぼうしがひとつふってきた
すると
こうえんのあちこちから
ひとがたくさんわいてでて
ぼうしに ....
信号機青から赤に変わるごと雨の中咲く紫陽花な君

水死体に隠されたラヴレター燃えることのない恋の終焉

スリープしながらないあがら滝に美体花季たぎりましょう世界を
何もすることがないから
土を掘っている

素手で掘っていると
爪の中に土が入って
指先が赤く腫れてきたので
彼女を呼んだ
小さなスコップを手に
彼女はやってきた

何が出てくるかな ....
からころと音のする
そんな欠片が散らばっていて
拾い上げると色とりどり
思い思いに光を反射している

広い砂浜
両手を広げても足りない
誰もいない静けさは
ただ波音を響かせる


 ....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
 詩の批評とは、作者側と批評する側との詩を書く上でのスタン
スないしは生き方のスタンスの差異を明らかする作業なのではな
いかと私は考えている。
 批評する側が詩を選び作者の了承をとらずに批評する ....
まだほとんどの人が働いているお昼の3時に
いきつけのスーパーに行くと
詩や日記を書いて汗を流さず暮らしている自分が恥ずかしくて
レジの女の子に好きだと告白できずに
照れながら表情には出さず左手 ....
青く薄い ひかりの午後
静かに生徒が佇む五月の日
気の早い蝿がふたつ
窓を開いた机にたち止まる
ひき出しの奥には 忘れられた手紙があると
放課後、静寂にのぞきこめば
それはたしかに彼の ....
たもつさんのおすすめリスト(3908)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「雨細工の町」- クローバ ...未詩・独白14*04-5-24
午後- 竹節一二 ...自由詩504-5-24
雨の国道- 霜天自由詩804-5-24
夕日- ワタナベ自由詩904-5-24
蛙声- まんぼう自由詩504-5-24
廃失者- 本木はじ ...短歌2604-5-24
展開者- 本木はじ ...自由詩204-5-24
「雨細工の町」- クリ自由詩4*04-5-24
生殖- 本木はじ ...自由詩204-5-24
ノート(どこかに)- 木立 悟未詩・独白704-5-23
ヨーグルト- 純太自由詩304-5-23
都市- 青色銀河 ...自由詩304-5-23
てんぷら- 月音自由詩4004-5-23
静止- ねなぎ自由詩404-5-23
目ん玉- 望月 ゆ ...自由詩7*04-5-23
鉢抜け- まんぼう自由詩104-5-22
手紙- 石原大介未詩・独白5*04-5-22
Cの練成- 蒸発王自由詩104-5-22
夏晩- 本木はじ ...俳句704-5-21
喪失- 本木はじ ...自由詩404-5-21
カシオペア- 本木はじ ...自由詩504-5-21
頭脳ホテル’81- 石原大介未詩・独白7*04-5-21
たのしいきもち- アンテ自由詩504-5-21
花水- 本木はじ ...短歌204-5-20
引力- 本木はじ ...自由詩704-5-20
からころ- 霜天自由詩2104-5-20
五月のイカロス- 本木はじ ...自由詩1304-5-20
私はただ、過敏さを露見したにすぎないのでしょうか?- サダアイ ...散文(批評 ...5*04-5-19
うらやましくて- rue自由詩10*04-5-19
十七才の遺書- 折釘未詩・独白204-5-19

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