夕暮れの中へ
 白鳥たちが
 旅立った方角を見つめて
 僕も両腕を羽ばたかせている
 
 彼らは悲しみを捨てに行った
 南国のフラミンゴ
 陽気な友の声を聴きたいそうだ

 ま ....
手のひらから小鳥が生まれる
4月の終わりにそれは始まり
僕は少しずつかなしみを知ってゆく


朝目覚めると小鳥は一羽生まれる
だからといって何もしてあげられない
飼い方も知らない ....
<パンダ禁止>

薄汚れた白と汚れの見えない黒でできている
パンダになることは禁止されている
パンダであることは禁止されていないので
檻に入って、笹などを食んでいる



<しまうま ....
ベランダ越しの未だ遠くは
氷雨と陽光がないまぜとなり
見慣れた不陸の白い壁へ
硝子に囚われたあまたの雫が投影されゆくのを
掬い 指で 伝い
一筋いきおい斜めにたゆたい
曳かれてゆくものなど ....
舗道を歩いていました
敷石の目地をいつまでも眺めていました枯葉が挟まれていました思わずよけて
雨が
濡らしたのは前髪で
手前に向うに硝子の簾のように
遠近の補助線となりそれはカンバスという名 ....
  

本島中部の小学校で よくあるように
高台を開いた土地に建てられていました
二年生の教室だけは校庭をはさんだ東側に
平屋建ての校舎でした
その校舎の裏に緑の小さな森山(ムイ) ....
常夏の島の書き割りが落ちたら
きっとここは西日の当たる四畳半

でも大丈夫

西日の当たる四畳半で今度は
アフリカ大陸の書き割りを描いて

サファリルックに身を包むから

そう ....
スーパーで買い物をしている間に、外はすっかり暗くなって心細くなった。
自転車に積んだ荷物が重くて、よろけないように注意しながら、狭い四つ辻を車と車の間をすり抜けながら曲がった。
ふいに木に咲く ....
「笑う君の手の甲に浮かぶ血管を見て恋に落ちました。(まる)」
背の高い君が体を折り曲げてあたしを覗き込むその目が好き
この恋は本物なんて思わないけど本気だってことはわかるわ
ばらばらに砕けたあた ....
一対五で混ぜるのよ
カナコさんは慣れた手つきで
ビンのどろりとした白い液体を
コップに注いた
それから
冷えたペットボトルを冷蔵庫から出して
ぐわぐわっと振ってから
神妙な手つきで
 ....
おはよう

冗談でしょ?

















冗談だよ

おやすみ
うまい具合に物事が「かぽっ」ってはまったらすっきりするだろう。
でも、きっと物足りない気がするだろう、と思うといつまでも何も解決せずに、世の中が進んでいくことのほうがいいのだろうか?

ぐじゃぐ ....
(百年後ニハ
 生キテイナイ)


二人連れと犬
雨上がりの夜
犬は
道端の壁やら草むらを
ジクザグにはしゃぐ
見えないものを見る
ひんやりした空気を恐れたりしない
世界 ....
赤い衣服から
す と 引き抜いた 
ほつれ糸

クルルルル
弄んで・まわして・弄んで 
クルルルル
赤らんだ指の模様 切ながって
更に赤らんで・赤らんで・堪らないため
 ....
追いかける夢が好き
手の届くところにあって
手をのばせない
そんな夢が好き
多くは望まない
高くは望まない
それでも
追いかける夢が好き


野村さんの奥さんにはきちんと名前があるが「野村さんの奥さん」と呼ばれても野村さんの奥さんはあまり気にしない
野村さんの奥さんは決して「若奥さん」なんて呼ばれないことを知っているがそ ....
たださまようだけではなく
裸 なのだ
ただし
きらりんと光る瞳を持つ
裸の羊
 
裸のために役立たずと裸のために群から追われ
けれど裸のために僅かな陽射しにぬくもりに
狂喜する

 ....
とあるところに、<虹色の湖>があるのです
光の加減ではなくて
なんの具合なのか水の色が様々に変化して
それは汚染ではなくて
自然の現象なのですから
たくさんの観光客が見物に行くのです
から ....
{引用=ヒバリの声}

天気の良い休日
芝生に寝転がると
無造作に配置された
数基のパイロット・プラントに吹く潮風は
いつも違う声を響かせた

石炭液化システムは
あの頃の技術研究の ....
在るか無いかって言えば在る方の
宇宙の中の
ドーブツのなかの
冷たいドークツのなかの
ひとりの
おんなのこ

おんなのこはいつでも『無い方。』
もともと何にも無いから
寒くて、欲しく ....
夜がふけるとせいせいする

眠れない夜に
柵を飛び越えるのが
仕事なのだが
実にだるい

たまに
あまりにも真剣で
何百とジャンプを強いられ
数えるほうも大変だろうが
こっち ....
甘いものばかり味見してると、
人のせいにして、楽しようとしちゃいます。
それが癖になるのです。

意味のない会議はパワーを吸い取るのよ。
いけないわ。
いけないわ。

わたしの大好きな ....
軽トラックの荷台にかけてあった
銀色のビニルシートにしみとおったあめは
半日積みっぱなしの石油ファンヒータの箱を湿らせて
納品書と保証書を湿らせて
取扱説明書までがくたっと湿っていた

  ....
1.
しってる あなた 
あなたじゃないの
いいよ べつにそのつもり
そのつもりなら もっといっぱい
うそついて
もっといっぱいうそつきすぎて
くるしくなって ねぇもがいてみせて
どき ....
窓辺にトックリバチが巣をつくった。
なめらかな曲線を持っていて、
微妙な色彩のだんだらで、
それは見事な造型だった。

だから毎日眺めていたのだけれど、
いつしか忘れてしまった。
役立つ ....
そういや私が最初に「たもつ」なる名前に目をしたのは、考えてみたら「醤油」を読んだときではなかった。

某PJでレビュウに値する詩を探していた私は、幼いが鋭い何かを感じさせる短い詩「さめ」に注目した ....
魚の形をした気球が彼方に見える
静かな世界だ
とても静かだ
ガラスの海が波打つが
その雫は丸い煌きの渦
手にとって覗く少年が
吸い込まれて行くのは仕方が無い

昼も夜も朝も

同じ ....
蜘蛛の巣が
空いっぱいにひろがるように
石炭運搬システムはかたちをととのえつつある

複雑にからまる配管
たちならぶタンクの密集する水処理システムは
巨大都市のように姿をあらわすはずだ
 ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ


昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
初めての男の子を
六ヶ月で持っていかれた母は
あらん限りの声を
張り上げ

それはどこまでも澄んだ
秋の青空に吸い込まれていった

その煙もやがて
秋の青空に吸い込まれていった
 ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
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