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小さな呼吸で空気を振るわせて
目の前の背中に当たり 返る

真っさらな少女に
闇を吹きかけ
夜を越えた時

昔掛けた
馬鹿馬鹿しい枷が
砕けて熱い塊に変わる

それ一つ
抱きし ....
夕焼け空捕まえて泣いた
切なくて声出して呼んだ

宵待ち竦んでうずくまる
可哀想だなんて
放っておいてほしくて

差し伸べられた手払って
悲しみなど許せないと叫んで

幼い日
川 ....
君は君にしかわからない
悲しみの空気を読み込んで
そっと手のひらで文字にして逃がす

窓辺にもたれて
涙もこぼさず


僕はこの世界を
少しだけ繋いでいたくて
小さな音で音楽をかけ ....
真夜中の風呂場で
魔法が解けて
僕は泣く

いつかの涙が帰ってくる

骨ばった身体を
折りたたんで
声を漏らさず
溶けてしまう

曖昧な夜に
曖昧な君の存在に

僕は君の少 ....
滔々と光の溢れる朝に
絶望を絡げて目覚めても
枯れた肉をしがんで生きてきた

霖々と世界を流す雨に
激情を預けてしまっても
慈愛を秘めて抜けてきた


後に気高い花となる
野生の血 ....
陽炎たつ錆色の線路に沿って
かつて遠くの街まで貨物を運んだという
歴史の残痕を夏草に問う

どうして忘れられなくてはいけないの

なんて
誰にもいえない
答えられない


小さな ....
浴衣に片思いを忍ばせて
ぼうっと光る
夜店の明かりに吸い込まれていく

君は決して
私を待つ人でなく
私は決して
君を待ったりしないと決めていて

今思えば

それだけで
私た ....
僕たち
頼りなくも
この小さな灯りで
明日の方向くらいわかる
いつだって
踏み出す一歩は
小さなものでしかない

続く指針が
結果的に幅を描いて

そっと広がる
ランドスケープ
嗚呼 線香花火
叶わなかった約束事

逞しさでもって駆けた夏
きらりと残り火

何も奪わない恋だった
駆けっこみたいな関係性

風化しない
約束の言葉は

大事にしすぎてはいけ ....
見慣れた君の手に
初めて触れた夜のように

触れた瞬間
想像がはじける


たった一度きり
二度とはないよ


生きた時間を
静かに込めて

見慣れた君の唇に
今初めて
 ....
いつか鳥取砂丘で奪われた
気怠い熱が返ってくる感じ


デラウエアの雫が
中指からぽたりと落ちて

甘やかな記憶が
砂塵のように崩れていく
それは不思議な爽やかさで


一歩踏 ....
真夜中には出掛けましょう

「抜け出す」後ろめたさはありません

それを叱る人もいません

昼間グランドを駆け回っていた

少年少女は今頃健全な夢の中

グランドが闇に染まったら入 ....
なみなみと カップに注いだ

たっぷりの時間は

ごくごくと それはあっという間に

君に飲み干されてしまって

僕は呆れてしまうのだけれど

君があんまりにも

美味しそうに ....
見透かした誰かが
ネジを巻いて
僕たち生きていきましょ
背中から声だして

可愛いあの子は
きらきらを手のひらで捕まえて
そっとポケットにしまう

それを見ていたけれど
じょうずだ ....
千波 一也さんの藤原有絵さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宵待ち- 藤原有絵自由詩707-1-7
宵待ちカテドラル- 藤原有絵自由詩706-12-9
窓辺のランプシェイド- 藤原有絵自由詩6*06-9-22
真夜中の僕の少女- 藤原有絵未詩・独白4*06-8-25
ルピナスの眷属- 藤原有絵自由詩5*06-8-16
忘却のノスタルジア- 藤原有絵自由詩6*06-8-6
透明花火- 藤原有絵自由詩9*06-8-4
指針ランドスケープ- 藤原有絵携帯写真+ ...6*06-7-2
線香花火- 藤原有絵自由詩7*06-7-1
愛する人に贈る口づけ- 藤原有絵未詩・独白4*06-6-28
デラウエア- 藤原有絵自由詩6*06-6-21
夜の子供- 藤原有絵自由詩10*06-6-17
いっぱいの時間- 藤原有絵未詩・独白6*06-6-17
トリック- 藤原有絵自由詩2+*06-6-15

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