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透き通った黒に、私は何の用意もしていませんでした
立春の冬はまだ夜にあり、凍えるには充分
涙
それはそれは同じような線を辿り、胸まで達する程の
音は
この夜があまりにも深 ....
月がでているよ
青と夜の間にいるんだよ
赤は明日のじゅんび
巡るように運ぶじゅんび
星を 光らせましょうか?
月色の道路をゆきます
音も無く
声も無く
ただ街灯の無い藍夜へ
灯りが少なくなるにつれ
夜の雪が薄藍に染まっていきます
雪と月が ....
その
青い腕が捥がれるような感覚はいつからだったでしょうか。
青い腕は空を飛び、地を跳ね、思うように風に乗れたというのに。
オレンジの世界は、私にはまだ明るすぎてうまく泳げない ....
夜道
秋の冷たさと手を
つなぐつもりはないのにその熱は伝わる
星がゆれて見えるのは
わたしの体温のせいでしょうか
木の葉からり
ピアノするり
....
カーテンが窮屈そうに夜を待っています
奥で鳴り響くような声で飛行機が
空をつたって午後へ
飴色の今日が沈みます
目を細めるカーテンは笑っているよう
手を広げるのを待つ夕へ
....
空はしろでした
捨て場のないしろ 冬の朝
どうも空の手すりに手が届かないのです
時の音は軽やかにエレベーターを上るのだけど
空はしろでした
揺れても泣いてもわからないしろ 空は、青か ....
空がちりりん
春の鍵をもった太陽が
今日もあちこちの箱をあけにのぼりました
山の
土の
風の
屋根の
木の
公園の
ブランコの
女の子の
かちりかちりと
ちいさな鍵 ....