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{引用=
朝には明星
鼻先をかすめる風は
五つの星と三日月の旗を
掲げた彼の地で生まれ
古の道筋に誘う
一滴の恵みも無い砂漠の
明け方何処ともなく現れた
灼熱の大地をやさしく包む
虹 ....
{引用=
悲しみまでも
どこかよそよそしく
荒ぶ冬の
窓際に飾った
クロッカスに宿る
想いを晒すように
萎れた花弁を千切るとき
浮かんでくるのは
たった五文字の
届かなかった言葉さ ....
(言葉の意味を失っても僕たちは生きられるだろうか。)
フォアグラの味を覚えて
肥満鴨の生涯を忘れるみたいに
受け止められない感情を前に
そっと目蓋を閉じる
高級な言葉を奥歯で噛み締め ....
春になれば咲く
桜の花弁はちょうど五枚
最初の言葉で
占う結果は
決まってしまうから
だから
色とりどりの紙を並べて
千になるまで鶴を折って
祈る時は
涙をこぼしながら
私ひと ....
積もる雪が暫しの暇を
流れる雨が暫しの癒しを
与えてくれている間に
答えを探して
這いまわる
けものの
みち、
愛を験す事はしてはけないと
高尚な教えに諭されて見えなくなってい ....
名前も知らない女の子
バイクで事故って死んじゃった
警察に追われている途中
無免許だった事は分かってる
ヘルメットは被ってた
ネットでは
自業自得だ
警察は仕事をしただけ
価値 ....
積雪に隠れた
蕾のまま枯れた赤い花
その上を跳ねる
帰る巣を失くしたセキレイが
か細い声で歌う
新しい神話の調べ
誰にも愛でられないまま
続く仕舞が
私の庭で
月明かりの下で
{引用=
鳩尾に浮かぶ双子星は
並んでいるだけで強い
片方の光で片方の
存在が影に隠れてしまっても
油を注がれる時は
いつも同じように
僕たちは
宇宙の切れ端を集めて
繋ぎ合 ....
離れてゆく船尾から
手を振るあなた
晴れやかな光射す午後に
まっ白な服を着て
握りしめた写真に火を付ける
二度とあなたの哀しいいのちを
逆に引くことが出来ないように、
灰 ....