反面教師。
梓ゆい

「食べる事は、最高の幸せ。」だと
病気の父を見て思う。

炊き立てのご飯と葱納豆。

よく噛んで食べて
完食出来るという事は
何よりも尊いと
味付けの薄いお粥を父に差し出した。

(ピーッ・ピーッ)と鳴る炊飯器

茶碗によそった銀しゃりを前に
私は無言で手を合わせる。



自由詩 反面教師。 Copyright 梓ゆい 2015-06-29 05:54:09
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