まるごと
吉岡ペペロ

幼稚園のとき

ぼくはまだ透明なまま

この世の不平等に

まるごと理不尽を感じていた

小学生のとき

ぼくはまだ型通りのまま

真実はひとつ、だと

冤罪を晴らすかのように信じていた

中学生のとき

ぼくはまだ誰からも好かれぬまま

柔らかなこころを

欲望や切実の世界へと放り込んでいた


あの頃

いくつものこころや思考で

自分が

壊れそうなのを護っていた

それが

大人になっても続いている

今じゃ

世慣れて汚れた理不尽な男

なのに


幼稚園のとき

ぼくはまだ透明なまま

この世の不平等に

まるごと理不尽を感じていた

小学生のとき

ぼくはまだ型通りのまま

真実はひとつ、だと

冤罪を晴らすかのように信じていた

中学生のとき

ぼくはまだ誰からも好かれぬまま

柔らかなこころを

欲望や切実の世界へと放り込んでいた











自由詩 まるごと Copyright 吉岡ペペロ 2013-05-02 22:34:27
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