黄昏に頬杖ついて

中身の持たない独り言
聴こえぬように
聞かれぬように


水面のか細い光の先を
なぞる視線も定まらず
虚ろに泳ぐ溜め息吐息
覚らぬように
悟らせぬように

 ....
うっかりついてしまった
溜息の先端から
滑り落ちたマンボウが
午後3時17分の紙コップの
コーヒーの中に浮かんでいた

セクハラまがいの
丸い横っ腹を堂々と晒して
背びれと尻びれを ....
 
羽を跳ねる
パネルを器用にとじて
鳥は止む

空は青く
そのかなたに生えた
おなじ色だけのソーラーを
背中で掴もうとする

てのひらを合わせる
人と人にも似た
ぬくもりから ....
                  081007



美幌峠から見た屈斜路湖は
とても美しく
バスの窓からは早くも紅葉が輝いて
秋の実りの後の癒しの時を迎え
乗客達は
道外から ....
キッチンに立つ
あなたの姿
トントン
包丁が野菜を切る
まな板の音が
デクレッシェンド
わたしは心地よく
耳をそばだてる
ジュー
炒める音は
カレーの子守唄で
眠りにつく
好き ....
ひそやかに草を食む
動物のそばを歩く
季節は夕方にちなんで
風が瞼に
暗やみをしまう


欲しかったものは
ひとつになる
もつれた言葉をほどく紐
ぜんぶじゃなくなる
いま ....
先生と呼ぶ女の声が
先生と呼ばれる男の肩を振り向かせ

女の顔は無邪気なノッペラ坊であった
男は女の顔を描いてやろうと創作へ向かう
女は先生お手伝いしましょうかと歌い出し
男は ....
生の感情を引き出せないかと
密かに手書き用のメモ帳を
鞄の中に忍ばせることにした

言葉が降って(笑)きたら
すぐに取り出して書き込めるように
手を動かすことで感情が零れるように

そ ....
{引用=既に知っていることをまた
振り返って
つまらないことと思い直す
夢は夢
胸に灯された光は
なんだったのか}

キンモクセイの季節と人は云う
小道の角を曲がる時感じた匂いを
記 ....
sadame『可逆』 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167904

 この詩は、紙の可逆性を見た作者が、変化した自分の頭蓋骨の中身が果たしてこのように ....
吸いかけのタバコを灰皿に残したまま
別のタバコに火を点けてしまう
もう何杯目かは
忘れた
三半規管がサボりだして
その加速が止められないまま
もう上手く歩けるような気がしない

別に酔 ....
(影のない犬って知ってる?
(え、知らない、何それ?
(ほら、見てごらん


そう言って指さしたのは
真っ暗な空を
黒いことをより強調させるように
輝くひとつの星
その上に
オリオ ....
オレの説明書は

そう、藍いろの空

アンティーク店の

黄いろい光輝く

古本屋のまえに

クルマをとめて

な、気にするな空

藍いろのカルテに

全部書いてある
ためいきの

かず

きんもくせいの

かおり

なにかに

あやまるとするか

オレンジの

ひかりやかげ

おさなくて

かげやしない

つんとする

 ....
      
             081007



オリノコ川に
月が出て
野猿の群れも
眠りについた
静かな雨が降る前は
猫の子一匹騒がない

幻想と否定するだけの
 ....
真新しいクレパスの
いっぽん、いっぽんに
なまえを書いてゆく
きみのなまえだ

先端恐怖症の妻は
体育着の胸に
名札を縫いつけてゆく
今日は調子がいいの、と言って

慈しみの雨が屋 ....
悲しい歌を忘れられない
あなたがいつか手をのばす
その先に何があるのか
指先は語る事を知らず ただ
まばたきもせずに一心に見つめる
あなたのあの眼差しが欲しいと思う
風さえも忘れる束の間の ....
35646歩

35647歩

気が遠くなるほどの数を数えながら
ひたすら階段を上り続けている

誰もいなくなった放課後で
開かないはずの扉を開けた
そしてこの世界に迷い込んだ

 ....
肌を刺す風が
愛しさを増して儚さに気付く

透き通る空は冷たく
理由の無い微笑みを浮かべた

感覚的な人間が
時として季節を亡くし
暗く沈んだ夜空で涙を流す

やがて訪れる季節 ....
窓の外には二重世界
流れる夜景に重なる
車内風景は簡単に反転して

揚げ餅を食べる自分と目が会う
それは疾走する鏡像/虚像だけど
あちらから見たら僕が虚像に違いない

快速電車が途中駅 ....
君の目は光を失ってた?
その瞬間
君はどんな顔をしてた?


生まれてきて
生きてきた


嬉しかった事は?
辛かった事は?



僕等には  ....
 
あたしが
死について考えてるうちは
死んでないから

ぼくが詩を書き終えるまで
思ってる
誰かが

そのことを
忘れたふりして
思い出した
ただそれだけの作業のような
気 ....
肌よりも少し涼しい風が吹き漂う香りは秋の色かな

快晴に晴れた真昼の金木犀せせらぎに似た郷愁を誘う

可愛いね小さく咲いた花びらを集めて香る道端の枝
思い出をコーヒーにとかしながら
ゆっくり飲もう
暖かな毎日を思い出しながら
角砂糖みたいにじわりと溶け出すのを
軽く掻き交ぜながら変わっていく味を
楽しみながらゆっくりと
味わいながらゆっ ....
部屋でひとり
ぽつり
窓の外を見ると
空が落し物をしていたので
拾いに外へ出る

最近おもう
ふり返ると
いくらか沢山のものを
落としてきました
過去という

それを拾うこ ....
斜面を切り分けて
父の家が建つ
小さな

直方体を
重ねただけの
たぶん
遠い質量の

かたちのないたましいを
とどめおくために

ほっとした表情で
母は告げる
これで
 ....
秋学期が始まって
そろそろ学校祭だって。

シュウカツ。
乾燥して響く近い未来

秋が始まって
そろそろ飽きてきた平日。

ぶっちぎって走る地下鉄
脳を駆け巡る信号
改札を通り過 ....
 
自転車を漕いでる
全速力で
ふみきりまで
息子を荷台にのせて
遠くから汽笛の音が聞こえる
蒸気機関車だ!

夢をみていた
眠りにつくまで
SLを夢みる
少年だったはずなのに
 ....
「探さないでください」
そう書き記された置き手紙は
彼の心境を静かに物語っていた

そこからいなくなることで
初めて存在が知られるというのは
忘れられるよりはるかに寂しい

空っぽにな ....
自分が嫌いだ
身近な人を傷付けまわして
誰もいなくなってから後悔する
そんな自分が嫌いだ

くろ

人間が好きだ
身近な人を傷付けまわして
誰もいなくなってから後悔する
そんな人間 ....
beebeeさんのおすすめリスト(6566)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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マンボウ- nonya自由詩12*08-10-11
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共感と反駁と- 西日 茜散文(批評 ...6+*08-10-9
泥酔する三半規管- 皆月 零 ...自由詩9*08-10-8
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あきのかぜ- 吉岡ペペ ...自由詩608-10-8
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異次元- 1486 106自由詩3*08-10-7
- Izm自由詩208-10-7
疾走する虚像- kauz ...自由詩3*08-10-6
きみとうたう- caleha自由詩508-10-6
東京タワー- 小川 葉自由詩308-10-6
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おもう- かんな自由詩7*08-10-6
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日曜メトロ- 相羽 柚 ...自由詩3*08-10-6
臨時列車- 小川 葉自由詩1008-10-6
行方不明- 1486 106自由詩1*08-10-5
モノクロストライプ- 緋月 衣 ...自由詩9*08-10-5

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