あなたは
決してわたしをゆるさなかった
はじまりの
隠しあう接触のぬくもり
黒くながれおちる髪を
手櫛でやさしく梳きながら
洩れる水を袖口に運ぶ
清潔な距離がくれた
まどろみの ....
いつの間にか
背中の子どもは静かな寝息をたてていた
スーパーのレジ袋を下におろし
あたしは 一体どのくらいそうしていただろう
電柱には 黒い紙に 金色のマジックで
『キリストは必ず来る』 ....
背中が痛いよ
見上げればお月様
おなかが重いよ
だから
筋肉を伸ばしたり縮めたりするよ
今夜も
夜を着て
招けば水が湧きいずる
鏡に立木や鷲をうつしながら
わず ....
前の街で
俺は淫売宿のいかがわしい玄関口で
夕立に打たれて濡れながら歪んだ
恐ろしいほどの雷は
地上の何物かを鷲掴みにしようと
空から腕を突っ込むが
本当に一握りの無辜の生命を食い物にした ....
ペッシャンコの蝉が
歩道に転がっていた夏の朝
甘臭い生ゴミの袋の横に
カラリと乾いた屍一つ
カラッポの中身で七日間
うるさく喚いた命の遺したモノ
おい おまえそんな空しい姿になるため
....
湖の花火
湖のもに光り漂い夕暮の花火大会家族ととも
夕焼けの鮮やかに映え今宵楽し風の吹きいる湖畔に坐して
街の灯がくっきりとしてあと数分打ち上げ花火の始まるを待つ
子の夢と親の ....
たったいま
この詩をよんでいる
あなたがきらいです
と
わたしに言われて
どきっとした
あなた
名前はなんと
およびすればいいでしょうか
あなたの名前は
あなた
ではないはずなの ....
せっかくここまで来たのだからと
あなたは言う
あなたの言う
ここ がどこなのか知りたかったから
自分の姿を鏡に映してみた
ああ 知らないうちに
こんな姿になっていた
決して頂 ....
夏
あぢ
なんか、快晴ではない
曇っていて
空気がじめっていて
あぢ
あぢい
君と別れるとさ
俺はもう
切なくて
切なくて
なんか、夏祭りらしいんだけども
俺、見学も参 ....
夜風にあたって
許されたような気持になる
なんにも変わっていない
なんて言わないで
夜は更けて
時は流れて
始まりも
終わりもつながっているのなら
終止符みたいな星の点
....
ぼくらのいのちのかたまりが
こころとなって かたちとなって
やってくる
あしたにはちがうかたち
になっているかもしれないし
そのままのかたちをしているかもしれな ....
何かの工場でも移転したのか
住宅街の真ん中にあられた大きな空き地
その空き地を取り囲むようにはためく斎場反対の白抜き文字
いつまで運動は繰りひろげられていくのだろう
はちまちをした町会 ....
アンカーに係留されている大型船
岸壁の縁に並んでいるビット
その上に座り俺をじっと見ている猫は
俺を町中からここまで連れてきた。
俺は猫に話しかけた。
ポケットから取り出した小さな煮干し呉れ ....
すみれの花時計で十四時から二十三時までの十七分間を
世界で一番きれいだとうわごとくり返しながら
豚のように運ばれてゆく
荷馬車を降りれば
なまぬるく甘い夏に抱かれるのだ
息を詰まらせ汗ば ....
騒がしさの中に、静けさがある。見える声と、見えない声がまじる。
出かける人たちや帰ってくる人たち。生きてる人たちが遠くへ行き、死んだ人たちが遠くから帰ってくる。
生きてる人と死んだ人が、見えないど ....
凸凹のこころは
少しずれた
凸凹を探し
おたがいの
凸凹を埋めたいの
かもしれない
そうじゃなければ
この胸の
ざわざわは
何?
恋でもない
愛しさでもない
同情で ....
百合のつぼみが白く垂れている
セミが電気設備のような音をたてている
葉が揺れている
オレンジと黒の蝶が羽根をやすめている
影が揺れている
緑がひかりで黄ばんでいる
....
倦怠感と働くことを考えて薬を止めてみたけれど
辛くなって。
だから
今日はちゃんと
薬を飲んで
眠ろうと思います。
闇に想えば
どうか
あなたを愛す
夢を見れますように。
いのちにいろがあるとしたら
なにいろでしょうか
たいようみたいにあかいのかな
おそらみたいにあおいのかな
ゆきみたいにまっしろなのかな
もりみたいにみどりなのかな
いろいろないろを ....
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙
見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く
あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心
あの夏の日々
割れる脳内 ....
日本海にしずむ
落陽は
おおきくて美しい
と、ラジオでだれかが言った
*
かつて
五島灘にしずむ
落陽を
―― オレンジ色のおおきな
....
平成23年8月6日
旧暦の七夕イベントでにぎわう鴨川
視界を遮る北辺の山々の
はるか上空まで入道雲が立った
3本ほど 並んで立った
昭和20年8月6日
「今日も暑いのぉ」 ....
僕の孤独な情念の炎が
語るべきことばの切れ端たちを
のこらず灼いてしまうので
僕の口からこぼれだすのは
いつも色違いの灰ばかり。
灰ばかりです。
両手の手のひらいっぱいに
灰を差し出 ....
ヒトの心なんて
わかるはずもない
愛でてる猫は
自由でいいね なんて
背中にある
羽はいつか
きえてしまって
代わりにはえてきた
疑うって気持ちは
ヒトの証明みたい
君 ....
原爆投下59周年
奇しくも長崎原爆記念日の午後
福井の美浜原発では2次冷却水循環パイプが破裂し
高温蒸気の直撃を受けた4人の作業員は顔が真白で
体内の水分を瞬時で奪われ炭化よろしく硬直し ....
六十六年まえの今日
セミが朝からの暑気を鳴いていた
あのひかりや
爆風や
炎熱の地獄のなかに
どうしておれはいないのだ
六十六年まえの今日
いまのおれのよ ....
奈々子さんが亡くなった。交通事故死らしい。
奈々子さんは、人懐っこく暖かい笑顔が印象的な清楚系の美人さんだった。
彼女は兄の友人で、私が最も好意を抱いていた女性であっただけに
彼女の死は ....
目の前の人は
下ばかり向いている
私は
伸びすぎた爪をいじったり
髪を触ったり
挙句のはてに
することがなくなって
ほろっと涙をこぼしたり
していたけど
目の前の人は
下を ....
この夏はいったい どれくらい うめぼしを食べるのだろう。
梅雨明け前くらいから 急に暑くなったから、当然 汗をかく。暑がりのあたしは ハンパじゃない。
スポーツドリンクの中途半端な甘さは嫌いだ ....
逃げ場をなくした熱気が
重く澱んでいる夜の底で
線香花火に火をつけると
涼やかな光の飛沫が
覚めやらぬ地面にほとばしる
しつこく素肌に絡みつく
湿り気を含んだ風の端に
弾き出され ....
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