山道を行く
水流れ青き木立の杉林曇り空には静けさがある
オレンジの紅葉咲きけり西教寺気恥ずかしげに四人で歩む
敷物を広げて座り妻語るハンミョウという道しるべ虫
山道はなだらか ....
ひろげたお店を片付ける
そしてトイレで用を足したなら必ず水を流す
便器の底を覗けば
生きてきた私自身の素性が判る
※
早や店じまいの季節になったものだと
ひろげすぎた店 ....
若葉は青臭くていいと
老いた葉が
羨ましげに
鑑賞している
尖っていた葉は
あなたを守るため
傷つけるためじゃない
でも 遠ざけたのは
青くて頼りない葉だったから
そ ....
傷だらけの携帯電話を見ながら
明日のことを思いめぐらす
不利な戦いになる
このまま今日が続くなら
偶然とは理由がわからないだけの必然
真夜中に白い氷が降りはじ ....
ドは横たわっている音
いつまでも重い音
太りじしのオダリスク
レは小さな女の子
たんぽぽ色で爪先歩き
笑ったね?無邪気なお目目
ミは若草のさざめき
さ緑の丘 駆け下りる若者
涼 ....
どんなに難解な熟語を知っていても、
ムズカしいことを言っているとは限りません。
どんな言葉をどう操っていても、
それが根っからの本心であるとは限りません。
僕にとって僕が僕であるように、
誰 ....
新規事業として計画しているレストランについて
既に上場を果たしているレストラン経営者に話をしたとき
素人が手を出して成功するような甘い業界ではない
僕の名刺を裏返したりしながらそう憎 ....
今週から急に冬になったねって
君とかわした週末朝のメール
今年のクリスマスプレゼントは何にしようって
とつぜん焦る気持ちになったけど
それを考えることがすごくすごく嬉しくて
寒い朝に心が ....
深夜、満月が天空に輝き道路脇のトウモロコシ畑の背の高さに道路脇が深い闇となっている。そんな道を一人歩く男。そんな夜、大きな棕櫚の樹に向かって歩きだす男。
棕櫚の樹は国道16号と県道の交差点に大き ....
昨日の
銀色の
すすき
のほ
今日の
銀色の
やなぎ
のめ
銀色の
のはら
のうえ
のゆき
銀色の
のばと
のむれ
のみち
....
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない
おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント
原爆ドームを見上げると
青空が見える
ドームの小ささを
私たちは ....
イブの夜 ひとりで歩くラブホ街
エアコンの温度を下げる雪女
焼き芋屋装っているストーカー
寝酒して寝ゲロを吐いて寒い朝
殺し合い 雪合戦に見せかけた
駄洒落言い死にたく ....
今日がこれで終わると思うとき
一日笑顔であったかどうかを
数えてしまう
そんなこと本当はしてはいけないはずなのに
自分が笑顔かどうかはあまり重要でなくて
君が笑顔 ....
クエスト
テニスは制覇した
ゴルフも制覇した
競泳にもスケートにも進出した
クラシックに白鳥の湖、ポロやクリケット
黒人の登山家っているのか
少なくともアフリカ大陸にいないとすれ ....
冷静沈着というよりは枯木死灰だ
天衣無縫というよりは無知蒙昧だ
多面的というよりは気まぐれだ
ひたむきというよりは妄執だ
奇抜というよりは悪ノリだ
繊 ....
瞼の向こうに 眩しく光る世界の先に
雲が流れて 風が冷たく
あなたを いつか思いだして、
どうか、笑っていて…
歪んでいくんだって。
その中でもがくんだ、
誰も彼も。ねぇ。
知らない ....
まるでこの世の始まりから
僕を待っていたように
茶色い床に君の
十二枚の写真が散らばっている
秋の風が窓の外で
穏やかにはためく午後
僕はグラスに冷たい ....
昌平坂から明神下へ
歩く夜道のその先に
いつも馴染みの赤提灯
一杯機嫌のお銚子の
もう一本のお調子者
明神下の居酒屋は
いつも馴染みのの客ばかり
飽きもしないで同じ酒
升で飲もうか ....
ジャカルタ行きの便を2時間待っていた
雨雲だったが滑走路はまだ濡れてはいなかった
雷がごろごろ言っている
クアラルンプールの町の一角にも
たぶん親に見捨てられた姉と弟がいる
彼らはマレー語で ....
男の話
浅くなった眠りの中で
蹄の音がしていた
となりで眠っていると思った男が
雌の鹿だといった
森の
そんな においのする男だった
神さんの住むという深山の
山間 ....
大人になっても ぼくらは不器用なままだ
世渡りは覚えたけれど
いつだって精一杯 いつだってかっこ悪い
何か一つできたら 子どもみたいに喜んだりして
変わったことがあるとすれば 守る ....
ご指名は ときかれて
いいえ 特にないですと答える
チェーン店の美容院は こんでいて
手の空いている人が 洗髪したり
髪を染めたり 切ったり の方が
私的には 早く終われて良い気がするの ....
晩秋の薔薇の逆光
僕らの無言が凝固する日時計
輪郭の綻びかけたモノリスの横貌
枯れた水盤の縁に小さくゆらめく追憶
猫を撫でたあとで
優しさは書かない
返信を待ち焦がれても
淋しさは書かない
軍鶏鍋を食ったからといって
美味しさは書かない
マニュアルをなぞったつもりで
愚かしさは書かな ....
雨降れば、君はそこに
風止めば、君はそこに
僕はどこにでもいる
君の中にも 僕の中にも
雨降れば、君はそこに
風止めば、君はそこに
残されたものは 揺すられて
うわついた笑いが みすぼらしい
陰リの横に陽を積むように
水面をくぐって
目を開いてみたけれど
うつむく頼りなげな草見上げて のばす
わずかに出た指に重な ....
今日ぼくは仏教遺跡に行った
ここは1200年前の仏教徒たちのメッカだったそうだ
南国の木々に縁どられた田園風景をバスで走る
途中火山灰の土石流にやられた復興中の町を通る
バスから降りる
暑く ....
ぼくを傷つけたことを
普通のこととして配慮しよう
今夜彼女をむしょうに尊重したかった
そのくらいぼくは今
普通を探しているのだろう
インドネシアやマレーシアでは
大半のひとびとがイスラム ....
あなたが悪いのよ
あなたが悪いのよ
ベッドに投げ出した身体は重く
やる気もなくイライラした私は
彼の胸をげんこつで
ドンドン叩いて叫んだ
あの人のことを忘れられないのは
....
「夢ならば」
肌を刺すような風
なびいて
夢 紅葉狩り
枯れていった草
大地に帰り
恋 秋の囲い
夢ならば
流れ去る一筋の光
夢だから
忘れいく装飾の色彩
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