息を止める
薄く広がりゆく世界
油膜の浮いた
美しい世界
僕は睡魔と闘いながら
クダラナイ言葉を零している
コポコポと鳴る携帯
水没して窒息して
できれば海の近くに住みたかった ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります
無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の
....
{引用=刻む秒針の 大時計の音が気になるので
夜中の階段を昇るのだ
光る猫や人形の目を避けるように
しずかに しずかに 足音たてず
針はとまる
真夜中に僕の亡霊は 音のないダ ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる
視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
緑に溶けよう
空へ還ろう
小さな蟻の亡骸
土に還るまで
あと、何時間?
緑へ溶けよう
空へ還ろう
緑のお洋服を着て
うつ伏せに寝転べば
土の匂いが身体中を駆け ....
揃いの浴衣 鼻緒の赤
ミルクの河に浮かぶ きっと螢
源氏と平家が 仲よく飛び交うなんて
霊的な 絣の紺みたいです
(アトミックボムのランドマーク
鐘楼流し と間違えた外国人の夫婦の涙 ....
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った
彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
080625
(ろくろの革を膨らます)
騰貴マネーが
ブリリアントな
ダイアモンドを
投げるのだとさ
どこでと問えば
とろろとろろと
....
それって大した問題じゃないけれど
ピアノが弾けない
ほ の音も ろ の音も知らない私は
いいいー と口ずさんでは
猫を踏んでしまった男の歌が
倍速で流れる
頭の中
やっぱりピ ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる
駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
....
公園のブランコが濡れている
灰色の空が水溜まりに映っている
飛沫を上げて走り去った車に
靴下の中までびしょ濡れ
今頃君はなにしているのかな
あれは確か去年の6月
ち ....
静かに醒めながら燃えていたい
夏の陽射しに身を溶かしながら
冬の大気にカラカラに乾きながら
感性は既にブスブスと燻されて
炭を纏って汚れちまって
地肌なんて見えはしないしそのうえ
燻さ ....
熱を受け止めたアスファルトに
裸足で触れる。
それは ほんの少し生温く
でも 夜の風には逆らえず
この体温を奪うように
冷たく冷たく、
消えてしまいそうなほど。
....
悲しすぎる日々に
傷つかないように
心 緩慢な水のように
それでいて敏感で
すぐ涙で満たせるように
080624
灯心草
藺草のことなんですがぁ
蒸し暑い午後
開け放たれた
座敷の真ん中に
寝ころんで
真新しい ....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
まいど君 今宵のデイト エスコート
コーディネイトは いまいちだなあ
話好き すべらないけど オチもない
いつの間にやら 巻き込まれてる
なんだかね ふんわり軽く ぼわわわん
眼鏡を ....
「モクテキは何か」
「今 何をユウセンすべきか」
「シテンをどこに置くかが重要だ」
(なんて
ゴシドウくださるおかげで)
くちゃくちゃの紙クズみたいな
オツムの中は
ひ ....
ある少女は微笑みながらこう言った
「私は中途半端に死にたい死にたいと言って、リストカットをするアナタ達とは違うのよ」
そう言い残して らんらんと 足取り軽く階段を駆け上り 屋上へ行った
....
雨が降り始めたと思い、傘をさす
ぺたんっぺたんっ
それはスタンプたち
地面の所々に少しづつ、きれいな幾何学模様が現れる
増えて繋がっていく黒い模様に引き寄せられるように見入っていると
徐々に ....
街を濡らす雨
叩いているか
あらゆるリズムで
冷たい夜半
霧雨を縫って歩く野良犬
おまえは傘
あらゆる名前を拒んだ空との境界
捨て去ってもその姿に
切り抜かれた水溜まり
この皮膚 ....
艶めかしく
雨に濡れた髪
差し出された謝罪の言葉と赤い傘
どちらも受け取らず
ただ
あなたを誘惑してる
濡れた髪
言葉も傘もいらないの
抱き締めてほしいだけ
....
おまじない
君の名前を書く
君の名前を書く
君の名前を三度書く
そうしたら
嬉しくなって
なんでも叶う気がしてきた
信じられる
信じられる ....
今までたくさんの詩を読んで
そこからいろいろなことを感じて
詩を書いてみたいと思い立ち
様々な詩を書いてきました
書いたからには
読んでもらいたい
認めてもらいたい
そう思うのはいけ ....
小さな頃から
オシロイバナを身にまとって
教室へ向かう道の途中
家へ帰る道、夕焼け空の下
遠くに並ぶ影が羨ましかった、よ
あれから、数年
オシロイバナは ....
赤に黄に僕の空を染め上げた
染め上げていたその欠片
欠片はアスファルトの上、ガサリ
ガサリと老いた祖父の手
手の皮膚の色と手触り
手触りすらもやがて朽ちて
朽ちて残る細い細い骨 ....
はじめは
音もなくただ
切り取られた絵を
見ているようだった
気付けば
あたりいちめん
降り続いていた
ほそく長い銀色の
むせ返す空気を
土に
留めておくように
....
カラオケ帰りの深夜二時
車を止めてエンジンを切ると
無音の空間が一面に広がり
取り残されたような気分になった
駐車場から歩いていると
自分の足音がはっきりと聞こえた
その時 ....
あぁ 今日もまた 鳥かごの中から世界が見えるよ
ほんのちょっとした、ありふれた病気
なのに体が思うように動かない
心には沢山の傷がついて紅い血を流してる
きっと助けて欲しいのに ....
うだるような夏休みの夜
水を求めるように
冷凍庫から氷をとり
口に入れる
がりがり
噛み砕いたり
飴玉のように
ゆっくり溶かしたり
氷は40度に満たない
僕の身体にすぐ溶 ....
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