眠りがフクロウのようにさらって行った
わたしの寝顔を照らすのは
月や星ではなく
まるで深海魚のよう
自らのいのちの灯にほかならない
闇の毛布に包まれた
記憶の中の光彩は
彗星のよ ....
僕の昭和は40年代後半からだった
喫茶店の入口を飾るレプリカのような
素朴な人工がひかり輝く日々だった
遊ぶのは工事まえの土くれのうえだった
わざと転げて服をよごす
....
詩などの投稿掲示版を利用させて頂くようになって
十年くらいになったのだろうか。
ほんとに無料で投稿してもいいの? 好きな詩に投票?
ポイント? 感想は書きたいけど ポイントなしだと
がっかりな ....
はっつぁんと やっさんでは
何を奈落の感じるか感じないかは 違う
ある人にとっての奈落地獄が ほかの人にとっては
なんて楽なことだと 肩をなでおろすことだったりする
地獄の其処に釜 ....
君を前から見ると普通にかわゆい
後ろから見るとなかなか良いお尻だ
でもさあ
横から見ると何も無い
それは可愛い実存的謎だ
類推するに君はこの平面だけの愛すべき生きものなのだ
....
腹をすかせた人に
必要なのは
おにぎりであろう
一篇の詩など
あったところで
なんの役にも立たないのだ
心に空洞をもつ人に
必要なのは
一篇の詩であろう
おにぎりのように
それ ....
中国に来てから餃子にはまっている
羊肉と豚肉と牛肉のがあって
牛肉餃子が一番、おいしい
大学の寮の食堂で一人分、餃子を頼んで
タッパーにつめてもらって部屋に持って帰る
小さなお椀に中国で買っ ....
晴れた日の陽射しはいつも私の眼には眩しく、外に出掛ける際にはいつもサングラスをかける。
家には何種類かあるけれど、最近はVivienne Westwoodの青いサングラスをかけている。
外界と自分 ....
雛の日に『首くくるぞ』のメール着た
配置場所じゃんけん選抜雛飾り
雛祭り階段落ちの面白さ
今年から五人囃子が軽音に ("『けいおん』に" のほうが良いのか ....
あと 一つ
それで完成
そう思った瞬間
倒してしまった!
しゃっくりみたいな声を一つ漏らして
あとは動けない からだがこわばって
ドミノは時間を遡り
駿馬のように駈け上る
....
君だけに毎年贈る桃の花
ウェディングドレス着たいとお雛様
初節句 純金の雛買うてやり
雛壇に並ぶロボット銃を持ち
工作の雛人形はアヒル口
流し雛 海を渡ってLA ....
春からのぼくの目標
字を丁寧に書くこと
給食で野菜を食べること
それから
静かに絵を描くこと
暖房の音が
途切れず部屋を回っている
のを聞くこと
窓に雪の粉が
冷たく張り付いて ....
もっと欲張りたいが
足の裏の面積だけしか
貼り付けられないんだ地球よ
そこから伸びたからだは
きみにとって
どれほど影響があるんだろうな
影とふたり
あたしはなりすましながら生きている
厚手のコートを脱いだら
するららと
時間が落ちて
あなたに一歩近づく
梢の蕾がふくらんだら
するりりと
時間が落ちて
あなたに半歩近づく
約束の日は近くて遠い
ほんのり焦 ....
さざなみは
永遠をよそおう
罪ではない
それは
やさしい嘘
人は
さいごに
この海にたどりつき
さざなみにも
終わりが
くることを知る
かもめよ
愛しいおまえも
いつ ....
木に彫りつけた
昔の僕達の名前は木が成長したために
幹に埋もれてよく見えなくなってしまった
それと同じように 僕達も
年月の風雨にさらされて随分と歪んでしまった
一人は精 ....
心地よい揺れと
生ぬるい水温
波にさらわれたコンタクトレンズ
ぼやけた視界がとらえたものは
降り注ぐ優しいひかりの雨
身動きが、とれない
とりたくもない
堕落していく心
そ ....
高揚を求めながら
沈み込んでいるたましいは
かわりながら
かわることの意味をしらない
やさしさがオセロの ....
疲れたからねそべって
夜を手にとってみる
ふんわりとしてとんがってて
あれ
私の心みたいやね
いじわるな気持で
つんとつついてみる
へこんだ穴がちょうど
昨日泣いた場所
ごろ ....
むかいに洋館のある静かな広いとおりに面した
千原さんという掛け軸と刀のある名家の末裔らしいこじんまりした家の裏手の
片隅に石炭スト−ブのある一間に母とあねと僕は父の仕送りで暮らしていた
....
あい変わらずぼくは
かなしみを知らなかったから
トーイチに会いにゴミ捨て場へ行った
夜中に網小屋まで降りて来て
悪さをする星どもなら知っとるがの
じゃが かなしみは知らん
カン女に ....
春はたまごの眠り
たまごの中でまどろみながら
イースターエッグの夢を見ている
{ルビ復活祭=イースター}の朝が来たら
ウサギが隠したたまごを
子どもたちが探しに行くよ
春になったら ....
母ちゃんと旅に出る
鞄に歯ブラシ、着替え、切符と
最後にわくわくを詰めて チャックを閉める
朝一番のバスに乗り込んだ
母ちゃんと座席に並んですわる
乗り物酔いの薬あるよ
切符は持ったか ....
まず人間であって微笑んで
はたけを耕している
最後までたがやしている無心に
野良ぎがやぶれていたってかまわない
無心はかたちや定義をこえているから
そしてひとのは ....
わたしのなかで
剥がれおちたなにか
そのなかにある
あかいかたまりのなかの
あかいわたし
剥がれ落ちたわた ....
学園都市線の高架下
灰色の橋脚に二羽の鳩が仲睦まじく
寄り添ってはキスをして
激しく身をよじってはまたキスをして
やがては重なり 羽ばたきながら
気の早い春が固い雪を緩め
茶色く水っぽ ....
歩くのはいつも なまの義足
寄木細工のじん帯をか細い骨で震わせながら
足裏に
肌合いのわるい
なじめなさを押しつけても
二つのものが 交互に役割を担うから
どこか
と呼ばれるcell(セ ....
十二月の夕暮れは突然やってきて
時間の無い坂道を上って行く
左手に灰色のニコライ堂が聳え
覆い被さりながら
聖橋の先には聖堂の黒い森
神田川もJRも跨ぐ聖橋
暗いトーンの夕暮れから
....
白魚にためらい傷がありました
スーツ着て会社に行かず凧あげる
君だけが友達でした藪椿
春淡し俺から会社辞めてやる
種芋になれずに腐り果てていく
ミシュランの調査員ぶり田螺 ....
ともだちのメールの カナリクタビレタが
カタクリ カンタービレに 読み間違えてしまうのは 三月のせい
この胸に 湖水が萌える
サーモンピンクと コーラルピンクのあいだに ひそむ
銀 ....
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