世界にひとつだけの「」
見崎 光

揺れるのは
花だけじゃない

ひとひらに広がるもの
ひとひらにそよぐもの

風に踊る葉の反射
水に映るありのままの景色


誰かの歌に傾けた
心と耳のしずく


どれだけちっぽけでも
どれだけくたびれても
それが、本物

繕って
背伸びして
鎧を着てたんじゃ
いつまで経っても
種のまま

土の冷たさより
土の暖かさに似た
空の蒼さを

草の影より
草の眩しさに透いた
風の薫りを


世界にひとつだけの自分で
世界にひとつだけの花を
世界にひとつだけの歌に

乗せて
揺れる



自由詩 世界にひとつだけの「」 Copyright 見崎 光 2008-09-19 22:21:03
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