両の人差し指でぱたぱた
ニワトリが餌でも突いているようで
思わず吹き出しそうになるけど
なにやら真剣に打ち込んでいる
あなたの横顔
見方によっては男らしいとも言えそうで
古いやつだ ....
{引用=
真夜中のはなし
ぼくは窓辺で涼んでいたら
ぼくのピックが
(ポケットからこぼれ出て)
となりで眠っている女の胸を裂いた
そうして
闇がひろがっていくのを
ぼくはただ見ていた
....
泡沫のような時代の中で
大切なものを一つ見つけました
移ろいゆく景色の中で
いつしかガラクタに変わっていました
夢
その輝きを
誰もが追い掛けて
誰もが掴みかけて ....
眠ってる場合じゃないぜ
ある午後
気が重たい電子音が浅く
光る地平の線が向こうの方で
本棚の背後から
脱走して拘束する両耳から
貫通するガラスの欠片のその輪郭が
つま先から冷たく繰り越し ....
十七歳のわたしは
高校という檻の中から抜け出せず
今日もこうして
いましか出来ないことがあるのだと
信じていたのだけれども
一つも無いことに気付いてしまった
疑 ....
院からの態度のデカい実習生
ツンツン頭を嗜められた
合コン来てるんじゃないんだぞって
気にする様子は無さそうで
焦点の合わない目で校庭を見ている
おせっかいな協力者
善意と ....
さっきタイヤで踏んだやつ
ビニール袋だったのかな?
何かの動物だったのかな?
暗くてよく分からなかったけど
動物だったらどうしよう
大きさ的に人間じゃないし
戻って確かめるほどでもない ....
ただ、咲いているだけ
でも
咲くことに意味がある
「名も知らない花」
咲いて、散って
はい、おしまい
儚いからこそ美しい
雲間の空の向こうの海には
大きな大陸があるのだと言うけれど
わたしは知らない
おひよりに きみは
「やぁ〜 ! 元気だったかい? ・・ 」
なんて 声を掛けてきたのか
どぉだか知ら ....
聞こえただろうか
朽ち果てた魂の
最後に鳴らす
微かな音が
定められた法則に従って
それは誰にも気付かれることなく
静かに空に浮かび上がり
遠く地球を離れていく
火星を越えて
....
せいに意味を感じられたらよかった
*
{引用=
意味なんかないと
笑っていえたなら
ぼくらもう少し強かった
ひとみの奥に傷が見えるよ
夜はまだ ....
記憶が
ぽろぽろ
剥げ落ちて
さっきのことも
分からなくなる
いつか
あなたが誰かも
分からなくなるのかな
恐怖は包装された箱の中
いくつも
転がっているか ....
笑うな
あたしをわらうな
口を開けて{ルビ哄笑=わら}うな
目を開いて嗤うな
鼻の穴を開いて{ルビ嘲笑=わら}うな
あたしがわらいたい
お前をわらいたい
....
桃の心臓をかちりと割ると
滴り落ちるのは
椿の深い唐紅花の唇
涙より沁みるのは
歯茎から抜けない
本心の建前
みずみずしく透き通るのは
海に砕けた夏の記憶
恋の夜に{ルビ馨=かお}るほ ....
一つの町に響いた産声
一つの胸に抱かれた赤子
一つの愛を心に受け継ぎ
一人でも歩けるようになる
やがて一つの挫折を経験し
やがて一つの恋を見付け
やがて一つの命を残し
やがて一つの死を迎 ....
東京タワーのライトアップは暖かい
都心のビルから漏れる明かりは
眩く刺さる白色光ばかりで無機質だから
高圧ナトリウムランプのオレンジの光を纏った
東京タワーに救われた気がして
ムキシ ....
幼かったころ
暗闇にむかい
怖くなってよんだ
どこにいるの
ねぇどこにいるの
その問いが
ながい時をへてかえってくる
どこにいるの
ねぇどこにいるの
わたしはうろたえてこたえる
こ ....
ちりぢりになった
個はなぜ
女として固まるのだろう
いちど断裂せしめられ
求心力により
私の中で女と言う星がやがて
かがやく
寂しくて
悲しい
心の奥底の詩は
男としての小 ....
何回しても
いくつになっても
慣れることなく
いつも
いつも
恋する気持ちは
初心者で
いつも
いつも
経験が
モノを言わない
それが恋
難しい本を読み漁っていた
色々な知識を得るために
だけど哲学や道徳を覚えても
やさしい人になれるとは限らない
難しいことを考えていた
遠い国の病気や争いのこと
同情しては心を痛めて
....
夕立が晴れて澄んだ空のごとく
私はすっきりと一つの決断を我に下した
一点のくもりもなかった今の私の心には
marriageは二人の暮らしの通過儀礼
一つ抱き合うごとに私の心の鉄は溶け
....
{ルビ紫陽花=あじさい}の 濡れた葉に這う{ルビ蝸牛=かたつむり}
私のようね のんびり燻る
行動の 大胆な人 恐るべし
踏み荒らされた 丹精こめた
自己主張 認められたし 強引な
....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
閉ざすとみえることがある
開くとみえることがある
両方同時にはみられない
欲張りなわたしは迷う
さあ、どうしようか
目を、口を、耳を
心は、出会う人々が勝手に開閉していく
わたし ....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ
帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる
それなのにどうしてそんなことを言うのだろう
こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
久々にお昼過ぎまで寝られた
カーテンの外は透き通るような青
こんな日だからどこにも行かずに
コーヒーを飲んでゆっくりしよう
ダイニングを軽く掃除して
フリマで買ったコーヒーカップで
砂 ....
あなたは
初めから
そっと隣で見ていてくれた
あなたの一言に
心満たされ
涙したり
笑ったり
癒しと言う言葉の持つ意味は
きっと
あなたのような方の為に
存在するの ....
ことばの森の中
今日も歩き続ける
迷い込んだ
ずっと奥深く
流れていく
ささやかな小川は
さら さら と
どこに
流れ着くのだろう
ことば
それはただの
ツールにすぎない ....
おそらく灰色の 町外れの停留場は
傘の上のダンスの 懐かしい音がするので
目玉の星が キラキラ光ってしまう
セルロイドは酸性雨に弱く
ネジ式の動力で
スキップをしながら溶けそうにしてい ....
鬱屈した僕のドロドロとした心は涙の海にしずんだ
青空の下のささやかな幸せは
僕を誘っているようで
拒んでいるようでもある
僕はどこに流れてどこで果てるのか
ふらふらと ....
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