またまた、しょうこりもなくどうでもいい事をかかせてもらいます。
とにかく本が作りたくって、はみだしコーナーに企画のお知らせなんかを書かして頂いた。いきなりすぎてびっくりされた方もいるかと思われる ....
息を切らしながら山道を登っていくと
薄暗い脇道から片目のポインターが飛び出してきて
びっこの前脚で器用に跳ねた
どうしたらよいのだろう
何かの病で左目を失くしたのか眼窩は
底知れぬ闇 ....
港から程遠くない高台
急な坂をゆっくり登ると
桜の枝の間に覗く再建された天守閣
ゆったりと
本丸天守閣から海の風景が広がる。
遠く相模湾が霞み、その右手に浦賀水道
三方を山で囲まれた ....
およそ百年前
大学二年の一人息子を交通事故で亡くした時
既に寡婦であった資産家の江古田夫人は
今度の悲嘆には到底耐えられないと思った
そこで息子のDNAを研究機関に預け
一年半後
スーパー ....
夏を忘れたように
川面は揺れています
秋柿色に灼ける西のほうこうに
知っているそらはありません
路面電車を染める透明や
季節を渡っていく雲も
映す川面を揺らす風
みんな、私の知らない後ろ ....
わたしたちは人生のなかで
なにやかやこむつかしい計算をする
足したり、ひいたり、平方根をもとめたり
無理数でわってみたり
数と組つほぐれつ
ひとさまざま、千差万別
でも最後には、だれでも「 ....
【漕】
自転車のペダル漕ぐ足弱ってる 若いころならすぐ着けたのに
【芯】
よく飛んだ 真芯で打ったホームラン 子供相手にフルスイングし
【なう】
「恋なう」と君がつぶやく毎日を ....
わたしのかわいい人
眠っているのか
死んでいるのか
肩だけで息して
しわを数えて
わたしのかわいい人
雨空はきらいだって
雨空が切れて
切り口に青空が光るから
それだけでぼくは雨 ....
あなたの唇に息を吹き込む
サンピエトロ大聖堂を流れる僕の風
祈りはあなたのために
そしてピエタ像のように抱きしめて
僕はいつでもペテロになってあげたいと
あなたの唇に言葉を貼りつける ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた
壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく
この一振 ....
誰もいない六畳間
頬を畳にくっつけて
夏休みも終わりの午後
八歳の僕は昼寝する
風が簾を通して頬を撫ぜる
うつらうつらしている僕の眼の先には
隣の部屋でミシンを踏む
母の姿がぼんやり ....
のぞみ126東京行き
名古屋から乗り込んだデカ目と太目
ジョーシとブカは帰路を本部長の噂
子のサッカークラブ
プロジェクトと社長の意向
途切れがない
そして同時に立ち上がり
喫煙ルームへ ....
お久しぶりね、きつねさん。
いちにち、いちにち、寒くなって
ほぅっと、吐く息、朝早いと白くなるし。
雪のにおいがしてきたり。
そうするとね、きつねさん。
頭のなかに君がこんこんこんと、やって ....
鳩尾から飛び立つ
フラミンゴの羽音を
君に
聞かせてあげたかったけれど
仙骨から這い上がる
虹色の蜘蛛を
君に
見せてあげたかったけれど
せり上がる甘酸っぱい海面で
何を ....
のっそりのっそり 午前中
猫が歩いている
公園は 曇り空
尻尾がない そう思いながら良く見ると
ハイハイ?
1歳に満たない乳児が地面を這っている
どこから来て どこに向かっているのか
た ....
いつもの喫茶店
そこに座る。それは知っている。でも、正面きってだなんて話かけられないよ。
動きだしたい
したい-死体のような-この-こころ-----
作者不在の机を前に 作者不在の椅子に座 ....
小さくなっていくこと
悲しいと思ったことはなくて
けれどいつか
君の小さな手で
拾ってもらえなくなるのだと思うと
それはとても悲しいことみたい
君はとても
ていねいな人で
きっちり ....
顔を上げるとそこは晴れ
雲が犇めく青い空
或る者がそれを美しいと尊び
まるで人の心みたいね、と
浅はかなリリックを書き連ねる
それと恰度おんなじ頃
社会生活にあぶれた蛇が
安アパートのポ ....
僕は皮膚の内側が
赤く錆び
その欠片が1つ落ちるまでは何もしないでいたい
そうしたら
透明になってゆく血液と漣の色を覚えて
ひたすら画家になった
気分で文字をカサカサと描いてみる
....
【青い鳥】
涙はない 思えば おもうほど 青い空しか
浮かばない
人は かならずしも 真正面から むきあうことで
力を その胸に宿すのではなく
同じ方向に そっと居る
そ ....
僕の瞳の奥で
針を手に持って微笑む君
それって
拷問と呼べないか
たとえば曇天の松戸
ゴミ焼却処理場の高層煙突
ピカリぴかりと位置を知らせる
ピカリぴかりと存在を知らせる
岩瀬無番地という住居表示
表示不要の権力装置
存在を表示しない
昔陸軍工兵学 ....
光と風は紡がれて
空の中で弾けて散る
今、滔々(とうとう)と波は揺れ
君はうたた寝を始める
昨日見た夢の続きを
君は夢の中で演じて見せる
それは悪夢の続き・・・君は ....
ねがいごとはありますか?
あたらしいゲームがほしいとか
せかいのへいわとかということでなく
じぶんひとりのなかでおもいうかべる
そんな ねがいごとはありますか?
おおきいとかちい ....
ああ
恋しいあの人の海で溺れたい
そして
きつく抱き締められながら終わりたい
秋の夜は
ロマンチックに
エロチックに
春はGじゃん。卒業生の賞状筒携へてときめく去りぎは、風も温みて、
毛織物など{ルビ藍=いんぢご}の内にこそ重ぬれば綿の膝丈{ルビ袴=すかーと}ひらめきたる。
夏はのーすり。日頃の腕立てすれ ....
「夢のような世界でした」と
老人は語る
戦争が二つ起こり
三つの大きな恋をして
今、一つの命脈が尽きようとする
「夢のような世界でした」と
老人は語る
「今、 ....
木枯らしが吹き
去って行った男たちを
つらつらと思う
あったかい口づけ
厚い大きな手
柔らかな髪
広い背中
甘い匂い
熱くなる
ほめ言葉
リフレインする 声
声 ....
降り積もる季節になりました
おもいが
私は忘れていた何かを思い出し
振り向いたり振り向かなかったりします
移ろう
というのは少し悲しいことかもしれません
それとも私は悲しいということば ....
茶色い段ボール箱
何を入れてあげようか
寒くなってきたから
やわらかい膝掛と
寒くなってきたから
暖かい手編みのマフラーと
あの子が寒くないように
茶色い段ボール箱
....
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