朝起きたら父親の車に青いペンキで落書きがしてあった。
ちょっと肌寒い風に吹かれながら
「仕方ないさ」と言う父親の横顔は悲しいという一言では表現できない。

明日の朝にこやかに59歳を迎えるはず ....
ねぇ、命ってどこにあると思う?

ねぇ、心ってどこにあると思う?


ほとんどの人は胸の辺りを指す

中には頭を指す人もいる


ランナーが指すのは足

料理人が指す ....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら

ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ


偶然、生きているぼくは

今日も、また改札口をぬけ

ケータイを開き

牛丼 ....
ソフトビニールのキューピー人形は
なだらかな尻を突き出して水中を探索し
ゼンマイ仕掛けの赤い鯨は
白い腹を見せて背泳ぎをする
目玉のシールが剥がれた盲いた緑の象は
水を飲み過ぎて横倒れ

 ....
 
母は息をとめた。
言葉をひとしきり噛み締めると、
眠るように最後の息を吐いて
彗星の隣を駆け抜けた。
 
父はまなこの裏側で
時折、不精髭を擦りながら
シャンパーニュの一億に混じり ....
一人暮しする時に
父が大切なラジカセをくれた
買った当時
十万円近い価値のあったラジカセは
時代とともに価値をうしない
それでもあの日ラジカセを
父の部屋ではじめて見た時は
銀色に輝く ....
 


基幹農道の左右は区切られた水面
あの小高いのは 川のへり
足の悪い男が傾斜へとうつむいている

   なずなは もう しまい
   つめくさは もう せんから さかり

水 ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど

きっと

自分にとっての幸せってなんだろう

って考えて
探求できる子にはなると思う。


って今日着た手紙には書いてあ ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....

捕らえられた
捕らえられた虎の剥く牙
捕らえられた虎の網を破こうとする爪
捕らえられた虎の牙と爪を折ってしまえ
捕らえられた虎折られた牙と爪

「もう狩りもできない」
「シナク ....
新横浜の風景を

しばらく品川と間違えていた

その風景にせつなくなっていた

品川にはきみがいるような気がした

白い光を放つビル

白い光に照らされた道

きみが歩いたかも ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない

白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める

踏まれている 足の痛み
知らない ....
曇り空は迷子の心
今にも泣きだしてしまいそう
こんな日は気分まで憂欝になるから
誰かのそばにいたいと思う

遠くの空から雷が鳴ると
怒られたみたいでお腹が痛くなる
私は音が聞 ....
雨に打たれて
溶けて私は水になり

土にしみ込み
消えてしまえたら

雨上がりの強い日差しに
裁かれて
細かな気体になり
空へと舞い上がれたなら


どんなに楽であり

そ ....
心変わりをしたい
あなたなんか忘れて
知らないひとについてゆきたい
青い嘘だと知りながら
甘い言葉をささやくひとに
さらわれて夜の向こうに
ジプシーなんかのように
なだれこみたくて
誰 ....
左眼から流れた
涙のひとすじが
君の新品のスニーカーに
落ちる前に
わたしの



心は


気を失いかける。



予想外れの
天気が


わたし

 ....
さいきん

女との別れはぜんぶメールだ

この世にメールがなくっても

既婚者の恋愛には

ゴールがかならずあるんだよお


なにか意味でもあるんか

その、なんだ、

 ....
枯れ色を顕わにした麦畑は
豊穣の実りを得て
収穫を待ち受けている

その風景を見慣れない僕は
寂しい色としか捉えられない

咲き競う花々
明るく輝く若葉

新緑が萌え立つ季節に
 ....
扇風機なあなたに。ふきとばしてください
シャワーなあなたに。うるおしてください
百円ライターなあなたに。もやしてください
植木鉢なあなたに。うめてください
そばにいたくなる。なにかをください
子どもの頃夢中で集めた
爪楊枝でできた小さな旗
戸棚の奥から急に出てきて
捨てようか一瞬悩んだ

デパートに行く日は隠そうとするから
着いていきたくてだだをこねた
5Fのエレ ....
 {引用=見上げた空のたかさを
  とおく 感じて}

皮膚はまるで
とうめいなガラスのようだった
ふりそそぐひかりを
全身で吸収していく


こころに咲いた
まだせかいを
知ら ....
いつも適当な友人A
お互いからかいあってばかり
真面目な話も軽く受け流すから
たまに本気でイラっとくる
そんなアイツが急に「悪かったね」
しまった胸を火傷してしまった

いつ ....
プール清掃の前 ヤゴ捕り大会があって
捕まったヤゴたちは巨大なペトリ皿に移される
ヤゴはそれぞれの教室に置かれ、トンボになるまで観察される

子どもたちが最初に目にしたのは、なんと共食いだった ....
夕べ好きだと

しゃがれている

透明な

ロックンロール

心のなかで

心たちが

みっともないデモ行進


泣くなよ泣くな

オレンジの沿線を

ぽつぽつゆ ....
青いユニフォームが体育館にいます
3人の外国人選手と2人の日本人選手は
背が高くてスマートな18歳です

彼らはスピーチの後にゲームをします
体育館がいつの間にかコロシアムになり
ボールが ....
郵便受けに入っていたのは
営業スマイルの葉書と
ネクタイをきちんと締めた葉書

営業スマイルの葉書を開いてみると
べりっという音を立てて
用のないパンフレットを差し出してきた
次から次へ ....
喧嘩ばかりだけど
泣かされてばかりだけど

私はあなたが大切


悪ぶっても
強がってもダメ

隠れた本心知ってるよ


みっともなくて
気にしすぎで
心配性で
弱虫で
 ....
あなたは
かけがえのない空

そう悟ったのは

自信の欠落したあの日から
幾月を見送った頃


新しい光
淡さを秘めた数分
あなたを忘れた数時間
掬われた空虚に
多少の望みを残したまま
捕らわれ戻る景 ....
着ているのを忘れるほど着なれたにおいの上に
すっとしてほっとするほのかなにおいをはおり
むわりと包み込んでくる空気を受け流しながら
いろいろな顔の一面をのぞきにいった
家から抱えてきたざらざら ....
突き抜けるほどのブルースカイ
爽やかだけど違和感がある
そうか雲が無いからなんだ

快晴の空はこの町を飲み込んで
日常の景色から輪郭を奪う
まるですべてが合成であるかのように

ホリゾ ....
beebeeさんのおすすめリスト(6567)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
晴れときどき曇り- 山田隆自由詩408-6-14
喉仏- 1486 106自由詩5*08-6-14
Re:- わら自由詩25*08-6-14
プール- 沙虹自由詩508-6-14
在る日- 黒子 恭自由詩408-6-14
ラジカセ- 小川 葉自由詩308-6-14
水門を臨む- 縞田みや ...自由詩9*08-6-14
未来- モリマサ ...自由詩3308-6-13
キライ- 小原あき自由詩14*08-6-13
虎__〜音あそび〜- 桜瀬ろろ自由詩3*08-6-13
品川- 吉岡ペペ ...自由詩608-6-13
詩が生まれるとき- 西日 茜自由詩16*08-6-12
- 1486 106自由詩2*08-6-12
消えて- 舞狐自由詩9*08-6-12
心変わりをしたい- 石瀬琳々自由詩6*08-6-12
weak- 桜瀬ろろ自由詩2*08-6-12
この世にメールがなくっても- 吉岡ペペ ...自由詩108-6-12
かれいろ- kauz ...自由詩8*08-6-12
かけがえのない- ここ自由詩508-6-12
お子様ランチ- 1486 106自由詩5*08-6-11
こころに写る空の色- こゆり自由詩8*08-6-11
素直- 1486 106自由詩3*08-6-11
ヤゴの飼育- 西日 茜自由詩13*08-6-11
夕べのデモ行進- 吉岡ペペ ...自由詩508-6-11
FC選手が来た日- 西日 茜自由詩3*08-6-9
客の来ない家- 小原あき自由詩19*08-6-9
あなたへ- 舞狐自由詩6*08-6-9
ぽろん- 見崎 光携帯写真+ ...4*08-6-8
リピート- ここ自由詩208-6-8
ホリゾント- 1486 106自由詩5*08-6-8

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