運命にまた見離されたよ
乾いた空にかき消された願い

本当は君が一番辛いはずなのにね
笑った顔が痛いくらい胸に突き刺さる

優しさを切り売りして同情を買って
商売上手だけが生き残る社会
 ....
世の中にあふれる才能というやつは
いつだって僕の恐怖を煽る
かなわない
そう思わせるのが奴らの仕事
かなわない
だから僕は多くの諦めと
少しの悪あがきで牙を剥く
かなわない
それでも僕 ....
心のダムに
言葉の雫がたまったら
きっと流れるうたの川

溢れ出してしまいそうになりながら
きらきらした雫だけ抜き取って
私しかつくれないうたの川

いつかとっておきの
雫でできた川
ここのダムから流 ....
街路樹を通りぬけるたび

ドップラー効果が過ぎてゆく

記憶の海

蝉が鳴いている

呼吸する波

蝉が鳴いている

夕方の明るさに

ぼくたちはやがて戸をたてる

蝉 ....
向こう岸のビルの群れ
肉色の雲の腹がひろがり
黒い飴色をした東京湾が凪ぎながらゆれて
高速道路が時間のように巡っている
血だらけな手も足もたくさんあるのよ
あたしたちみんな輪郭を共 ....
かけないで下さい
ワタクシの
目玉焼きに
ウスターソースを
白身本来のほのかな甘味と
黄身のもっちりとした
弾力感とを
ワタクシから
取り上げないで下さい


入れないで下さい
 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
こえられるか
それを

はるかな緑の稜線を
過ぎ去った時の豊かな過去の記憶をかかえ
こえられるか

熱いまなざしのさき
あふれる想いのながれる河を
こえられるか

たちすくむ身を ....
                 080718



ガムを噛み噛み
きしる音に脅されて
保険に入る
地震の起こる確立
80パーセントの恐怖
家が崩れて
下敷きになる恐怖
命が助 ....
ある人は
足取り軽く
またある人は
ズシッと重く

それでも会場へ向かう
人波
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる

夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
昔はよかった


人は言う


昔もよかった


とは
決して言わない
新しいということは
美徳とされた筈なのに
広がる夢に
心踊らしていた筈なのに
新しいということは
 ....
汚れた掌に
赤いポストがあるので
たくさんの
手紙を書いた

赤いのは
恥ずかしいからだと
手紙の返事には
いつも
そう書かれていた

あの赤いポストが
今はない

窓 ....
* 1

愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた


* 2

あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね

目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
止まっていた半年間が
今日 大きく動いた。

この日を待っていた、
ずっとずっと。
泣きながら。
笑える気がしたから。


同じ時代を生きている
そんな奇跡のような現実が愛しい ....
ジョゼは魚になりたいといった
木曜日の夜
二度と目が醒めない様に
風呂桶に潜りながら
枕を抱えていた

ギターの音が聞こえていた
水曜日の朝
世界の全てが消される様に
窓の向こうを眺 ....
夢と過ぎた城をぬける
荒れた田畑を
古い鎧が肩におもい
切り捨てた刀身の血のりは
悔いの闇
あるいは
執着の炎
生きるために
切り捨てたのだ
畦のむこう
暗い林のかなたへ
ゆるや ....
明日で一学期が終わるので
仕事用のパソコンを持って帰る
念のため個人データはすべてロック
ああ、重い重い…肩が外れそうだ
エスカレータ登ったら
電車 行っちゃったよ く、くやしい
肩が痛い ....
900kgの重りが
肩からおろせない

本当なら骨もろとも粉々なはず
なのに私は
ここに立って息してる
歯をくいしばってでも、弱音は吐かない
「助けて」なんて今は、口が裂けても言わな ....
 
どうして
ぼくは
ここにいるの

きづいたら
せかいのてっぺんで
しゃれいを
うけとっていた

こどくでも
かいかにひとの
けはいさえあれば
ここは
ここでありつづけた ....
おなじすなをさわっている
別の数を言うから
涙がでるだけ
目を見て。 それか
目を閉じて。
見渡す限りの砂場で
雨が降って
いたとしても
同じところにいる、
それだけで
掘ったり  ....
宛先のない手紙を書いてみても
言葉が消えていくばかり

想いを込めて唄を漂わせても
風に飲み込まれていくばかり

鳥のさえずりに吐息を乗せても
空は移ろうばかりで
雫を望む瞳が落ちていく



アスフ ....
キャバレー「黄色い蝶」は

今日も大入り満員で

汀ではしゃぐ少女のような女達が

にゃあにゃあ落ち着かない心持を

笑い飛ばすように過ごしている

 

どこから来た ....
街灯は今も寂しく
駐車場へと続く道に
光を落していた。

この微弱な心音と
どこか似ているような気がして
あのまま時が止まっていることが
救いだと思えるほどに。


通り過ぎる ....
道に花が落ちていた
大きくて鮮やかなピンク色の百合の花
あんまり綺麗な花だから
歩道の真ん中に捨てられているのに
誰も踏まず
あんまり綺麗なものだから
そのままゴミ置き場のそばに置かれたま ....
見せつけるんぢゃぁねいやい!
魚の分際で
でれでれ
でれでれ
いちゃつきやがって!

こっち見てんぢゃぁねいやい!
ほれほれ
かわいくてたまらんだろう
生まれて間もない
おたくの
 ....
お医者に、
おめでたです と言われ
はあ。と答える私。
父親は誰だろう。パパかな。
そうのんびりと考えを巡らしていると、はい、とお医者から胎児を手渡された。
胎児には臍の緒と胎盤がついてい ....
金魚がプカリ
逆さに浮いていましたので
もうだめだと思って
そっと掬って森の木の下
深く深く埋めてあげましたら
むくむくむと水が湧いて
あっという間に水の中
海のようで沈んでいるようで
 ....
喉の奥に良からぬ話題が引っ掛かっている
だから、一昨日くらいから喉が痛い
唾を飲み込もうとしてもうまくいかない
段々と不満が頭の中で熱を持ち始めている
もうすぐ風邪でもひくのだろうか
今、と ....
中々に追いつけない澄まし顔
両手に掴み損ねたすみれ色
最後の言葉は言葉にならず
明日に代わる
またねとかバイバイ
とか
そんな言葉を残して

呼吸を止められるのは3分
そこから先は弛 ....
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