080513
水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
晴れやかな空を風がわたるというが
晴れやかな空をわたるのは風ばかりではない
晴れやかな空をみる人もまた
晴れやかな空をわたる
晴れやかな空をみる人が
晴れやかな空に悲しみ ....
砂の降る慌ただしい時間
追われて
追いつかれて
消えてった
オブラートで隠した影法師
穏やかに流れ始めた星の砂
量れない時間の中で
三日月の美しさに見とれていた
切なさを忘れた鳥が渡る
あなた ....
5月というのにこの寒さだ
風邪をこじらせてしまって微熱が出ている
昨日バウハウス展に行った
ドイツワイマールが生んだ芸術は無機質で冷たい
芸術は時代に生まれ、伝統的な技術が加わって新し ....
風船
たくさんふくらます
ぷうぷう
ふうふう
赤や
黄色や
青色や
マーブル模様は
お気に入り
全部自分でふくらます
今日のお天気よりも
私の気分が軽いか ....
生き死になんてものが
畑に植わっているから
せめて軍手をはめて
つばの大きな帽子なのだ
黒い土のにおいのなかに
かきまぜられもしない
軽々しさを聞く
ぽこんと泡を抱いた
空々しさを ....
恋をした。
消しゴムから出たものを手ではなくて息で払ってた。
その息で、
耳の中まで、洗われた気が
した。
小学校3年生の、夏
恋をした。
英語のテストの点数を負けたと言って悔し ....
ながいあいだおもいえがき
こころにだいて
よびかけたものを
いまはおもいだせない
すなのもじがかぜにけされて
あれちにはだれもいなくなった
かたすみにさくカタバミのはなににて
ねがいのよ ....
激しさの夜を覚えているかい?
立ち止まる君はうすい雨に濡れていた
月が照らしてた
灰色の月がそっと
流れゆく雲は魚の群れのよう
風の音は映写機のようにまわり続けて
吐く息は花のように咲 ....
私はぬいを飼っている
まるで犬のようなぬい
鼻はよく利いて
遠くの音も聞こえる
口はそれなりに大きい
しっぽを振って喜ぶ仕草は犬そのものだ
ところが全身はとても長い毛に覆われて ....
母の日
雨
ありがとうの気持ちが
遠回りしながら一回り
ありがとうは姿を消して
私はありがとうを通過した憎しみを噛んでいた
飲み込むことも
吐き出すこともできず
ただ ....
うまく舞い上がれないボクは
がっかりして
ただっぴろい草原でふて寝をしていた
しばらくすると
とりさんがふわふわと舞い降りて
ボクの前まできた
そのやわらかい羽でふわふわとあおぎだした ....
円型劇場を模した半円状の空中庭園
切り取られた空も等間隔に並ぶ樹木も
思わせぶりだけど何の意味もなくて
ただ造形の美しさだけを求めたもの
こんなところで超芸術に出会えるとは
それが証 ....
オブラート越しの太陽は、微笑むこともなく、泣くこともなく
初夏の陽気だと告げられた皐月上旬
見た目よりもぬるい朝は、パーカーを置きに帰る気力をも奪っていく
パーカーにモッズコートを重ねたゆる ....
幼い頃に描いたフラミンゴの親子は
最初から最後まで綺麗なピンク色で
6と4の形をしていた
あれは間違いだと知った今でも
フラミンゴはピンク色のまま
美しい脚で佇んでいて
{ ....
悲しさや
つらさや
淋しさは
忘れたふりをしては
いけません
心の奥底に
オリとして
静かに存在しつづけ
爆発する日を待っているから
ボクらの世界は相変わらず何も変っちゃいないさ
キミ、ボクの声がきこえるかい?
選ばれていったキミ、闘いの日々だというじゃないか
大丈夫か?体など壊していないか?
誰よりも強いキミのことだか ....
最終電車の反対側の席に座る
ペアルックのカップルが羨ましくて
遊びつかれて眠るふりをして
貴方の肩にもたれかかったんだ
間近で聞こえる貴方の吐息
肌に伝わる心地好い体温
電車が止まるま ....
曖昧な言葉
すれ違いの感情
高速のヘッドライト
僕の影を斬った
曖昧な毎日
掠れてく声
切り出しかけて
言葉を飲み込んでいた
もう出会う筈のない誰か
もう出逢わない" ....
悲しみを表す言葉を並べて
悲しみの詩が出来たら
その悲しみは意思をもって
そっと旅立っていく
そんな気がして
僕は少し嬉しくなる
喜びを表す言葉を並べて
....
なんでもいい訳じゃない
赤を示す日もあれば
白い日もあり
紫が輝いてみたり
ビロードの日もあれば
綿だったり
ナイロンだったり
山だったり海だったり
女だったり男だったり
....
恋なんて
忘れちゃったの
毎日 床に雑巾かけるのが忙しくて
ウキウキなんて
忘れちゃったわよ
毎日 庭の草むしりが
忙しいの
ワクワクなんて
もう忘れちゃった
....
林檎がふるえている
暗い海の底で
ヒリヒリする電波を発しながら
傷んだ痕をさらしている
林檎たちがふるえている
共鳴しながら
いくつもの透明な触手を
スルスルのばし
痛みをそっ ....
思いつめていた
ぼくは
天界と地上を
さまよう
こころの中で
これ以上は
もう
これ以上は
猫は
ぼくのそばを
離れない
死の匂いを
嗅ぎとって
窓からは ....
お愛想だと判っていても
みょうな期待を持たされてしまう
口ぐせなんだよね
未来と繋がっているようで
繋がってなくて
この連休の天気予報みたいに当てにならない
悪気なんて無いのだ ....
足がかゆい
ばりばりと
かゆいあたりを
かいてみる
痛みはもとより
触れても分からないはずの場所がかゆい
きっと
ナイフで切り付けても気付かないであろう足の一部
神経が ....
まだ小さな子供だった
覚えてるよ、小さな手
春は桜
夏は蝉の鳴き声
秋は紅葉
冬は粉雪
この道を365回通る頃には
私の身体も大きくなった
君の一年は私の5年
....
誰も知らない塔の最上階に
僕たちはいつもいた
その部屋は『時間の部屋』と呼ばれ
窓からの景色は
天も地も人も時間も
すべてが見渡せた
僕たちはいつも3人で
僕は皆から『過去』と呼 ....
両手でくるぶしを隠そうと試みるんだけれども
隠し切れないんだ
俯いたまま
手を交差させて触れようとしてみるんだけれども
わたし、いつの間にか三角座り
外側をどうにかうまく隠そ ....
かあさん お母ちゃん
随分ご無沙汰でしたね
自分が辛い時にさえ
「もう、だいぶよくなりよるで・・心配いらん」
本当は飛んで行って
何でもしてあげたかったのに
....
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