読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む

外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
 ....
紫の深い海が
瓦礫の街を隠していると
エルフの盗掘者は言った

「もし行きたいのなら岬の老人を訪ねな」

経験値を積み
装備を買い揃えても
ドラゴンのブレスで何度も死んだ

ハ ....
先輩の肌に初めて触れたのは卒業式の胴上げでした 艶かしい光感受性受容器が視神経を通じて見てはいけないアレの端末を脳中枢へと運ぶ。見てはいけないアレの端末であるグロテスクな映像には言葉にしていけない文字である淫らなアナタ自身の当たり障りのない日常的な .... 僕が 存在できるのは
君の お陰です

体と心を
与えてくれました

息を 吸えます
光を 浴びられます

そんな 何気ない 欠片が
支えてくれました

僕が 
望んでも 探 ....
ころころ月が 指うえアソブ
あんなに雨だれ 聴いたのに
覚えているのは 風の事
吹いた過ぎたと つかえた胸に
爪たて 口たて 脈をうつ

風車は どちらさま
残したわだち 戻らぬ見返り
 ....
  口喧嘩はない 無駄話さえもない 
 老耄はおひとりさまのにぶい暮らし
 庭隅のどうだんつつじは色艶褪せて
   早苗月の倦怠を匂わせ漂わせる

    独り言は虚しげにこだまする

 ....
嵐の日に
卵を
ひとつ
手のひらに包んで
大切な
人たちがいる
場所へ

こんな嵐の日に
止めておけって
すれ違いの人が
わめいている

けれど

卵しか
持っていな ....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
 ....
   怒鳴りだしたい
   衝動を
   奥歯で噛みつぶす

   瞼の裏に溜まった
   悔しさを
   ギリギリの精神力で
   持ち堪えている

   溢れそうな感情を
   ....
出産を終えた私に指立てて「グッジョブ!」と言う2歳の娘 たなについたとたん ゆれおちるいた
くずれたものはない おとしたものも
のせられなかったゆびが ただおちて

おこごとはよわくはげしくみみなりに
ちらかってはばかって くしゃくしゃ
汗をかいた

汗で目がしみる

生物として
人として
うれしい

曇っていても
太陽を感じる

風が吹かなくても
体温を感じる

くよくよするな
汗をかけ

ひか ....
私の スカルは 玻璃(はり)の うつわ
スキルは からっぽ なにもないわ
I am a ボーンヘッド頭が固いって言われてる 
けど いつかきっと はじけるのよ
石頭なりに 夢見ているの 

 ....
僕が使徒を引き連れて
詩を書き始めるきっかけは
十九歳の夏
或る女との
一方的な
失恋の果てにある

契約までかわすこと
になったのは
その歳の秋頃だろう
なぜか失意のうちに
幻 ....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった

愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす

美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ

どうしようもない時 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…

たっぷりの肥料と 
水やりをし ....
飴を取るときはひとつ
飴を頂くと手のひらにふたつある

言葉の意味を調べてひとつ知る
誰かと話をしていると
いつの間にか言葉の意味をふたつ知る

買い物帰りに今川焼きを買うときは
ひと ....
ああ神よ どうか
四十五パーセントくらいの誤解をお与えください
少なくても三十五 三十は行き過ぎです
勝手な想像と思い込みで
悩んだり喜んだり
怒ったり主張したり
素敵な誤解を捧げあって
 ....
僕の実家の近くに、一軒の八百屋があった。その八百屋は『杉本青果店』というごくありきたりの名前だった。その八百屋では、おそらくは杉本夫妻であろう中年二人の男女がただ淡々と働いて、野菜を売っていた。僕は登 .... 地球から見えない場所で星になる 慈愛の糸でできた繭のような部屋は、安心だ。
管制塔のように 耳の中の音を分析する。


母の補聴器の購入のために 街にでた
街は祭り日。
耳の不自由な母と 私の世界は どれだけちがうのか
 ....
あの信号が変わる前に渡れたら
きっと うまくいく

ありふれた願を懸けた



決して走ってはならない

ありふれたルールを課した



早歩きがどんどん早くなる

早歩 ....
パソコンとかスマホの
画面に表示される
あの子の空とその子の空がくっついていくのを見てる
わたしの夕焼け
あちこちで
同じそれが
ひろがりつづけてひとつになるまで見ている
ここにも太陽が ....
古本屋で買ってきた
詩集の頁に
銀行の明細書が挟まっていた

お取引金額二千円
手数料百五円
お取引後残高十六円

そう記された明細書が
栞のように
詩集に挟まっていた ....
夜が明けたよ
夜更けまで降っていた
淋しい雨も いつの間にか上がって
ギャラリーの軒下に逃げていた鳩たちが
ライオンの頭に集まり始めた

いろんなことがあったんだよ
いわれのない憎悪 ....
父の手をさする

硬く曲がったままの指を
一本ずつひろげ
滞ったものが
少しずつ流れていくように
強張ったものが
僅かにほぐれていくように

節くれだった
頑丈な父の手

鍬を ....
ホモスイッチは、
すべての男の人の
おしりの穴の中にあって
それを押すと
ちゃんとホモになれる
というか、
これを読んで
試してみようかって
考えただけでも
それを押さなくても
き ....
孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
いつかどこかで 出会いなおそうと
思えるくらいには 時が過ぎたよ



荒れ果てた町の 荒れ朽ちた部屋は
一人分だけの  ....
ぬいぐるみを口にあてて金が欲しいと叫んだ
beebeeさんのおすすめリスト(6566)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
聞こえた- nonya自由詩19*14-6-21
チャーム・ストレンジ- mizunomadoka自由詩214-6-21
先輩の肌に初めて触れたのは卒業式の胴上げでした- 北大路京 ...短歌514-6-21
キングコング岬_★- atsuchan69自由詩2*14-6-21
You- CoCoa自由詩114-6-21
紐ツキ- 砂木自由詩9*14-6-20
折畳まれた日録_(十)- 信天翁自由詩214-6-20
卵を届ける日- 塩崎みあ ...自由詩4*14-6-20
星を食べた少女- 小原あき自由詩13*14-6-20
【_表面張力_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-6-20
出産を終えた私に指立てて「グッジョブ!」と言う2歳の娘- 北大路京 ...短歌814-6-20
レイくも- 砂木自由詩4*14-6-20
もうしばらく汗で目がしみていたい- ichirou自由詩10*14-6-20
セモリナ_フラワー- るるりら自由詩15*14-6-19
使徒の竜と契約を巡って- りゅうの ...自由詩5*14-6-19
ただしい孤独について- 梅昆布茶自由詩2014-6-19
夢を食う- イナエ自由詩19*14-6-19
ひとつよりもふたつ- ichirou自由詩11*14-6-19
イノルフリ- ただのみ ...自由詩25*14-6-18
_僕が『小説』を書くきっかけになった、とても小さな出来事__ ...- yamadahifumi散文(批評 ...5+14-6-18
地球から見えない場所で星になる- 北大路京 ...自由詩914-6-18
透ける_風嘯_(すけるとん_ほいっする)_- るるりら自由詩17*14-6-18
早歩き- ichirou自由詩18*14-6-18
ぼろぼろの木陰を歩いている- モリマサ ...自由詩5*14-6-18
- 小川 葉自由詩714-6-18
広場の朝_Ldn.- 藤原絵理 ...自由詩5*14-6-17
父の手- Lucy自由詩22*14-6-17
ホモスイッチ- atsuchan69自由詩3*14-6-17
十九歳迷路- クナリ自由詩8*14-6-17
ぬいぐるみを口にあてて金が欲しいと叫んだ- 北大路京 ...自由詩914-6-17

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