造花
Etuji

眼をとじて
静かなせかいにはいる

闇にそい
わきあがる追憶を孤独が抱きしめる

痩せた犬がうらめしそうにふりむきながら
白い霧のむこうへ境界をこえてゆく

私はあなたのそばで
ひとりになる

空のない海がひろがる

造られた花のような生からのがれようと
言葉をさがしもとめ
ついには
すがるように
あなたにふれようとして

やがて訪れるときのように
ねむる。



自由詩 造花 Copyright Etuji 2008-09-19 20:56:13
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