『おや 気がつかれましたか。』
「はぁ。」
『まだ眠っててもかまいませんよ。』
「はぁ ん〜 とても長いエスカレーターですね。 」
『そうですね。』
「先が見えない。 ....
ただ 紺 としか言いようのない色の
ベニヤのようなうすっぺらい壁面の上に
サビだらけのトタン屋根がふわりと乗っけられている
建物そのものが 甘く針金で結わえられて
地球の上に ふわりと ....
ホッテントット族が眠たくなって
だらんと垂れているところを
ピグミー族が短い脚を伸ばして
落ちないよう引っ張っている
夜中の十二時半のいびき
その反対側では
バスッケト選手のアメリ ....
スプーンのお腹は 唇の熱を一瞬奪う。
離して写れば 魚眼レンズなお米顔
花柄の柄を掴んで 口に入れちゃう。
スプーンはテレビと違って
私を これ以上小さくすることはできない。
小さく ....
何処の世界へ行きたいですか?
花がたくさん咲いてる世界ですか?
笑みが溢れる世界ですか?
愛される世界ですか?
本当に行ってみたい世界は?
行ってみたいのは 差別のない世界
行って ....
{引用=
鴉の眼に宿る一閃の煌きが人々にとっては畏怖でしかなくとも
夕暮れに戻った巣の中では献身的な愛を育む母鳥であるかもしれない
そう言ったおまえのイメージからははっきりと
精巧な素描の上に ....
僕の
指で
嘔吐する
君の
口内から吐き出される
言葉、言葉、言葉は
キラキラと
美しい
夜の
露の
ネオンの
輝きの
眩しい
現実
夜風が
気持ちいい
夜だ
....
長い睫毛の目をくりくりと
人見知りも見せずお話してくれました
独学で成るレゴのヘリコプターと
黒マジックで見事に塗装し直したセダンと
救急車の工程中も見せてくれました
東京ばなながヒットして ....
念のために確認しておく
モーソー
それはある
内容はない
カップラーメンのから
空っぽのビールの缶
それはある
それらに手はない
足もない
カッターナイフはある
ナ ....
姿見に映すわたしの姿
ぷくっと気になる「部位」がある
*
肩甲骨を意識して
立ち姿に気をつけてみた
たとえばモデルさんみたいに片足を気持ち後ろにずらす
それなのに元カレ ....
いつものブラックでは淋しげだったから
表情のない顔に何か落としてみたかった
今日は気まぐれで角砂糖一個
ポツン
呟く音が聞こえてくる
ちっちゃな輪っか 中くらいの輪っ ....
玄関が開き 掃除が始まる。
箒がほこりを集め ほこりが塵取に集められる。
年季の入った 赤のプラスチック製の塵取がチラリする。
中学校で使ったのと一緒ですね。
割れ目がないからそのものではない ....
団子を肴に酒を呑むなんて
これが{ルビ所謂=いわゆる} 粋なのでしょう
乙ですねとも言うのでしょうか
ここは何でもある{ルビ雨風食堂=あめかぜしょくどう}
脂ぎった店主のオッチャンが
「 ....
110529
こんな庵では如何でしょう
難しいですね
実現には10年くらいは掛かりますね
企画立案中でしたら
予算化のための具体案をすぐに提出し ....
なんでもない休日の
中間点からおよそ50歩ほど
家に近づいたあたりで
やっぱり雨は降り出した
ありきたりの舗道を
無邪気に塗り潰していく雨粒
いつだって間が悪い僕は
もちろん傘な ....
雨が降る
雨落ちる
暗い空から
水落ちる
見ず聞こえる
見ずに聞く
言葉の嵐
こころの声
越えてゆく
越える山
からだ使って
山のぼる
病んでいる
悩んでいる ....
年賀状だけのやり取りが十九年
余震が続く四月にイレギュラーで
安否を尋ねる手紙をもらってから
毎日メールで話すようになった
なんて
私もババアになったもんだよね
文脈には生活の蓄積を窺わせ ....
藍色の街を見下ろす丘で
声もなく涙する背中は壊れそう
届かない光へと
変わらぬ愛を歌う
あの時から目が離せなくなった
くだらない誓い
見え透いた嘘
荊で織られた鎖と檻と
....
出る幕ではなかったのだ
悲しみも
砂粒のごとき憐憫も
わたしの心の切れ端ごと
烏に啄ばまれるがいいのだ
それは景色ではなかった
累々 ....
けだるい床に敷かれたままの寝具が
なだらかな山を見せ
私は脚を崩し
あなたはインドの仏さまのように
片腕で頭を支え横になっている
輪郭だけを知っているつもり
ぬくもりに残像を刷る朝
( ....
雑誌で特集されていた 最先端の仮面を買った。
形はフルフェイス型ではなく 鼻から額までを包むハーフ型で
ベースとなる模様は 赤・緑・青の三色。
アイラインにも一工夫されていて パッチリ感が半端な ....
少年は淋しげな木に 小さな言の葉を飾り付けた
少女も 紳士も 婦人も 老人も 通りがかる人達も
小さな言の葉を飾り付けた
不揃いの言の葉が瞬く
誰もが足を停めて
それぞれの言の葉で暖めた ....
アンテナのとらえる
周波
そのとき
その場所
そのまま。
脳が
肌が
髪が
感じる
こっちだぞ
その道だ
迷路でも
悪路でも
突き進む
やが ....
もうすぐ帰るのだ
少し前は他人事であったが
今は自分ごとになっている
人の一生は短いものだね
30年経つともう次の世代になる
理屈では前から分かっていたが
いざ死んでみると実感する
「逝 ....
煙の皮を被った太陽が吐いてるよ
表の表はオモテでウラじゃないよ
CMまたいで裏ワザ続きはwebよ
ダイヤとクローバー蛸壺カードを切るよ
トリケラトプスの話術kira☆k ....
三時草の おばちゃん とは
三時草を 私にくれた人のことだ
三時草は おひさまが三時の高さにあるときだけ咲く
だから さんじそう
三時草の花が
三時草に咲くためには
三時草 ....
大きな欅の木のしたで
乾いた蚯蚓が八の字を描いて死んでいる
無から生まれた宇宙の話しを聴きながら
きみはもう死んでしまったから
こんな話しはおもしろくないかもしれないけど
きみに残さ ....
110527
それで
お父様はいつお帰りですか?
夏には必ず帰りますと返事をしたら
その頃またお電話差し上げますと切れた
どこの誰だか分からない
....
悔しさを葬りましょう
妬みを葬りましょう
痛みを葬りましょう
虚ろを葬りましょう
焼香しましょう
昇降機に乗せましょう
乗り切れます乗り切れます
ブザーは鳴りません あっ ....
{引用=
眩さを手放すように
広がる
女とも男ともない
曖昧な
なめらかな皮膚に似た
花弁が
湿度の高い夜を抱いて
此処で居ますから
それだけで
報われますから
苦しまないでくだ ....
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