水は、万象の旅人

 生き物の身体は
 彼等の泊まる、仮の宿

 水よ

 お前が
 笑いさざめくのは
 春の林床に降り注ぎ
 小川を結び、走るとき

 お前が
 咳き込み ....
ことばに変換できない
内に断層の捲れ上がる感覚
{ルビ穿=うが}たれた二つの池が風もないのに細波立つ
千も万もの透明な手足を生やしては
縋るものもない空の空を
死にもの狂いで掻き毟る

 ....
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
あまった時間なんてないのにもてあます
反省なんてしたくないから探す/言葉を

文字にすればゆるされるとおもっている
今が過去になると決めている

明日の自分を想像できるけど
少し夢をみる ....
 
おいらの悲しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ

おいらの悔しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ

おいらがひとのために歌うのをきいたのは、おまえだけだ



 
わたしに
ゆ という文字を
教えてくれた人は
あたかもそれを
ひとふでがきのように
描いてみせるので
その曲線の美しさに
魅せられたわたしは
日暮れて
昏くなるまで
いくどもそれを ....
 道端に 老いを養ふ あせびかな 地上に引き出された私の網膜に
無数の矢が
容赦なく突き刺さる

モグラになって初めて知った
過剰な光は
漆黒の闇よりもさらに凶暴で
瞳を凝らす事を禁じ
見る事を私に許さない

視神 ....
緑色の小鳥が歌います
夜の夢という名の
美しく透明な時と場所で
小さな嘴で泣くように歌います


 墜ちたら死ぬのさ
 飛ぶしかない
 飛ぶしかない
 それが僕の一生なんだ


 ....
いたずら  乱太郎

眠りを知らない時の神
人間の右回りに活動する肉体の細胞核は
騙された睡眠薬だ
無限に生きる術は夢で踊り
永遠の門番から渡された片道切符の切れ端の上で
一喜一憂して果 ....
筆を置いた


彼はしかし
ここに居たかった

墨の濃さをも知らぬ取り巻きに

筆は必要なく




そして彼は ペンを手に取った


彼が綴る言葉には
どんな言葉よ ....
本当が聞きたい あるものなら今ここで
僕の有限と君の有限の間で 不滅があると信じた
ずっと笑って指差して来たものを 君とだったから信じた

いつかは土に帰る
無かったことになる
五十年 ....
               140414

かわら家に立ち寄ると
ちょうど練りあがったばかりで
これから紐にするのだと
みんな気合が入ってきていた
まるで
離れ離れの兄妹がやっと一緒に ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる





「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
度の強い
あなたの眼鏡をかけると
そこは二重の世界

レンズ越しの
歪んだ世界

たった一枚のレンズで
私の世界は歪んでゆく

人の顔も表情も
喜びも悲しみも
全 ....
春になるとあらわれる
円い緑の丘がある

その丘はいつも
すこし遠くにあらわれる
だからそのてっぺんに吹く風を
わたしは知らない

その丘の上の空は
昔に書いた詩たちが
掠れて消え ....
雪を土の上に敷いていく その道を
スノーダンプに雪を積んで 水辺まで運ぶ

降り積もった雪の塊 
昼の熱にとけて したたり落ち
夕暮れに 冷め 夜に凍り 
朝には スコップもささらない
 ....
おんなの
からだの
わたしが
甘くて
甘くて
にがい


すきあらば
はいってこようとするからいくつもの
条件
ありかた
ばかり
言葉になって
こぼれだす


それな ....
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか

花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう

さらさらさらさ ....
貫いて、
まっすぐ空を貫いて
僕は僕の
生きてきた道を
証そうとしていた

この手を握りしめると
隠しようのない非力さが伝わって
けれどわずかに
意外な力も伝わって
 ....
それはなかったことにして

ではなく ないことにして

これもなかったものと泣き

いや ないものと叫びたいだけで


火の粉が夜空を浮遊する


仰ぎ見るわたしの口 ....
よく晴れた朝
新しい職場へ向かう
昨日の特訓で疲れているけど
今日も頑張れる
覚えなくてはならないことがありすぎて
頭がぱんぱんになる
あまり眠れなかったけど
ちょうどいい緊張感だ

 ....
{引用=おっぱいの弾力が失せた女は信用できない
       … 夭折の男根主義者(ダンコニスト)
             セルゲイ・メンタイコスキー}
 ビッグ・ティッツ

海潮音の記号 ....
ああもうだめだ 何にもできない
そんな時はきっと一日寝ているに限るね
そんなことを思いつつ
着替えて外出を始めるのだ

戦闘の準備はできたかい

それでは
沈黙の扉を閉じて
飛翔を願う鳥を幽閉したまま
坂道を登ってきた
目の前の足元だけ見つめて

振り返れば
私の後ろに従うはずの
長いようで短かった上り坂は
春霧に沈んで消えていた

 ....
足元に広がるのは私の亡骸だ
あれもこれもそれもどれも私であったものだ
ひどく醜悪でそれでいてなんと切ないものか

打ち寄せる波が見えるかい
あれは血潮だ涙だ脳髄だ
小さくか細い声が聞こえる ....
再就職先の紹介をした知人に
立派な菓子折りをもらった

上用饅頭が詰まっているものと
内心ほくそ笑んだが
上品な包装を開けてみると
見事な上げ底であった

しかし
饅頭を取り除けた底 ....
時の意味を問う
午前は
萌黄色の航海である

海に
漕ぎだすための一本のオールは
時間の形をしている
私たちは
沈むまいと
午前を漕ぐ
太陽が昇る所を目指す

失われた午前は
 ....
猫になりたい
すまして本を読む
あなたの足もとでじゃれつきたい

猫になりたい
そのページをたどる指先で
やさしくのどを撫でて欲しい

猫になりたい
こんなに寒い冬の日は
あなたと ....
駅の地下にある
ちょっと特別な待合室では
スーツにバッジをつけた男が
ソファにもたれて眠っている

黒いカバンのサイドポケットから
今朝のJapan Timesがのぞいて
上着の胸ポケッ ....
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