たとえば
主審の吹くホイッスル
スタジアムは
興奮のるつぼ
たとえば
ラジオの玉音放送は
長い長い
嘘の終わりだ
春が来て
木々の小枝に
新たな希望 ....
貴女の舌をください
と頼んだ
清々しい朝の匂いのする舌だった
僕は衣類を脱ぎ捨て
土中のもぐらになって暮らしはじめた
い 一笑一若(いっしょう いちじゅく)
一味(ひとあじ)ちがうよ 来年年女
ろ ロバのバン よべどさけべど のろまなバン屋
は 馬簾菊 バテレン来襲のごと 過ぎし夏
に 仁王 ....
世界の果てには物語が待っていると思っていた
幼い誤解そのままに生きてきた
物語は僕自身だと知らずに
沢山の街を通ってきたし
最後の列車にものった
季節が変わるのを ....
熟成した
ありがとうの肩越しに
平坦な
おはようとおやすみの隙間から
垣間見える結び目
熟練した
ごめんなさいの背中に
平熱の
いってきますとただいまの文字間から
透 ....
アマゾンの絞殺し屋といえば
大蛇アナコンダを思い浮かべるかもしれないが
本当はもっとすごいやつがいる
アマゾンのイチジク
それはジャングルの生態系を支える基幹植物のひとつ
細く弱々しい姿で巨 ....
夜にざわめく
海原にちいさな風
ひかりを求めて
さかなたちが踊る
爪月のほとりに
熱がつづく
眠りを急いて
夢を強いて
はこばれるすべて
行き来する波
呼吸のやりとり
は ....
ヒトが来るとみんなさ
オレの顔がお母さんに似てるって言ったり
お父さんに似てるって言ったりさ
おとなって何でそんなこと言うんだろ
“I’M NOT JOHNNY RAMONE”
お母 ....
濃い雲と
薄い雲のはざま
群青の帯に寝そべる
鋭利な月は
おりしも上ってきた
小さな求愛者の瞬きに
あくびで応える
水をお飲みなさい
と
彼女は言った
黄昏の重い扉の手前に立って
指先をしっかり伸ばして
振り返りながら
水をお飲みなさい
と 彼女は言った
この町は
たっぷりの水が流れていく町だ ....
うるわしき小間物店から
訪れし店
品ありて面白し
皿・造花・カバン
今日は雪ちらつき
妻ととも品を選ぶ
火曜日、本を読みたし
詩ができてゆく
昼下がり
枯れ木に残る葉
....
茶屋町からマリンライナーで四国に渡る
瀬戸内の海辺の町並みを眼下にしていると
あの津波を重ねてしまう
渦になりきれない潮のたわむれを見つめていると
いろんなこころを自分を使って実験してしまう
....
俺という人嫌いは
背中にうっすらと毛が生え
後光が後頭部から発するよう
頭髪の一部が欠落している
その代わりと言っては語弊があるが
人に良く知られた猫好きで
猫さえからかっていれば
人付 ....
夜のインターチェンジは光の花がつらなっているように
僕の孤独にしみわたってくるし
それを限りなくかみしめてきた気がする
つれない過去など捨ててしまったほうが良いのかもしれない
....
あなたを思い切なくなろうとする
そう思えることが気持ちの幸福だ
ときどきみじめになるけれど
星を見つめるみたいな孤独と似て
仕方がないやと名前をつける
あなたを思 ....
ベツレヘムの星がまたたく頃
そっと目かくしをしてくるヤツ
朝まで名前を呼んでやらないんだからね
季節は冬から 深い冬へと移行していく。
氷が張る
霜が降りる
陽の傾きが早くなる
その予兆は至る場所で目にすることが出来るが
視界が澄めば澄むほど
思考は閉ざされていくのは何故だろ ....
そういうことだったんだ
と
気付くことがある
ものごとは複雑に絡み合っていて
原因があって結果がある
そしてその結果が今度は原因となって
新たな出来事を誘発する
「無間地獄」 ....
My Favorite Things
※演奏できません。
持っていません。
でも凄く好きで、
気に入っている楽器です。
David Sanborn の St. Louis B ....
昨日は夫の誕生日だった
なのに彼は出掛けて行った
気持ちを挫かれて
私は不機嫌になった
今朝、夫がドライブに行こうと誘う
久しぶりにふたりで車に乗った
森林の中、滝のある所を散策
....
こんもりと雪に覆われた朝
夢中でついばむすずめたちは
埋もれることもなく
枯草を折ることもない
だがまんまるの愛らしさは鋭い冷気への対抗
食糧不足は天敵も同じ
生きることは戦い
いの ....
僕は雪に魅せられる
とても切ないから
どんなに大切に受け止めても
一瞬にして消えてしまう
大事にしようと思う間もなく
手の中で静かに消える
でも一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
その美 ....
笑顔がきたないね
産み落としたその沼から
たばこくさい泡がぶくぶく立ちのぼる
円満とか
円滑とか
そういうのの前ではわたしの思いなんて
あとまわしにされるべきなんだよ
どこに行っ ....
遙かぶりだった信濃路
そこはペダルが都会よりも
緩やかに漕げる
遠慮してくれる
夏の日差しが
あなたの気配りよりも優しかった
裏庭の沼に急ぐ鴨の親子は
人間との僅かながらの境界 ....
墨染めの空を映して
ガラス、ガラスの群れ
強い光の訪れを
救済に灼かれる日を
待つ
立体交差の雑踏
四方向に
連れ立つことなく
分かたれることもなく
人々は歩い ....
何かをしようと思うのですが何をしていいのか解らず
家に一人でじっとしているのも寂しいものですから
出来るだけ服を着込んで嵐の様な風の夜に
月を見に出かける事にしたのです
月には雲がかかった ....
【謡】
組長が泣き出す孫を胸に抱き子分とともに唄う童謡
【汚】
汚ねえよ オトナはみんな汚ねえよ 怒る我が父 還暦過ぎの
【自然】
自然死に見せかけるよう旦那刺し保険金得る主婦の空想 ....
あの日、かれらはこの線路のうえを
電車に乗って去っていった
あの日から線路は
瓦礫におおわれ、寸断したまま
川をわたった橋梁はながされ、レールは宙にういてねじ曲がり
枕木はあとかたもなくきえ ....
白い粉雪が下りてきて
語りかける君からの言づけ
星の数より多くて
願い星が一瞬瞬いたのさえ
逃してしまった
君はいつも大事な事を
僕には伝えない
笑ってごまかして
掌の温もりだ ....
さあ、
詩を書こうと思ってひねり出す言葉と
太陽を浴びて
じわりと体温があがり
沸騰はしなけれど
静かに蒸発してくものを
理科室にあるような
ガラスで出来た清潔なフラスコに
再度集めて ....
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