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nonya
ゆらいでいる
風もないのに
傾きかたが分からなくて
ゆらいでしまう
その人の傾きかたは
とても美しいから
なんとかその人と正対しようとして
ゆらいでしまう
もともと僕には
背骨がないから
ちょっとした息づかいにも
ゆらいでしまう
かと言って僕は
植物じゃないから
どうしても黙っていられなくて
ゆらいでしまう
いつだったか
いつまでもこんな所で
ゆらいでいる場合じゃないと
歩きかけたんだけど
僕はこの場所に
うっかり根をはってしまっていた
コンクリートの隙間に
貧弱な希望を伸ばして
生き延びようとしていたんだよ
なんだか笑っちゃうよね
あ、でも笑っちゃ駄目
と、やっぱり
ゆらいでしまう
だから僕は
当分ここにいるから
探せるものなら
探し出してごらん
てか、救い出してください
君に発見されるまでに
どうにか自分の
角度を見つけて
痛い夕映えの中で
カッコ良く
傾いてみせるから