暗い受難が
名もないアスファルトの海に

堕ち、

て、


、産まれ





1.

座り込む前、私は知っていた

焼けた夕陽を目にする度
自分の踵から伸 ....
走り去る緑

水田は
鮮やかにきらめいて

遠く木々が
燃え立つ

なんて
真っ青な
そら

これが
最後のドライブなら

そう言ってくれれば
よかったのに
慣れない浴衣を着て
すましてしゃがんだきみに
線香花火をひとつ
手渡す

ライターで火を点けてあげると
少しして
控えめな火花が
炭酸のようにはじけていく

いつの間にか
催眠術 ....
すなでつくったおしろ

おおきいな

うれしいな


でもね

かんたんに こわれてしまう


かんたんに。
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ



机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないこ ....
元気じゃない時は
人を助けたくて仕方がない

まずは元気になってからと
自分に言い聞かせて
ようやく余裕の出た時には
視野が広がって
他のことを思い付くんだ

必要な時しか
必要な ....
意地を
張ってる
だけ

日々習得する仮面を強がりと呼び
日々解脱する鱗を素直と知った


寂しさ

切なさ

自業自得で
庇う対象

自分
でないことくらい明確なだけに
余計
意地を張ってやり ....
「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある


まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽


ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
携帯をいじる人

周囲を気にせず大声で話す人

化粧をして顔を変える人

音楽に耳を澄ます人

集中して本を読む人


そこには「電車に乗っている」という佇まいをしている人はいな ....
ずっと
そばにある
そばにおいてる
モノ。

色付きの
ちり紙すら
捨てられない
捨てたら過去の
記憶すらなくなりそうで

イヤ。

溜まり溜まった
大きな山と
 ....
落陽、その時に見えたのは希望でも何でもなかった



羊を数えた夜が明けないから
一匹ずつ撃ち殺そうとして
銃創、その時に知ったのは暗闇でも死でもなかった


{引用=捨てないように ....
運命にまた見離されたよ
乾いた空にかき消された願い

本当は君が一番辛いはずなのにね
笑った顔が痛いくらい胸に突き刺さる

優しさを切り売りして同情を買って
商売上手だけが生き残る社会
 ....
世の中にあふれる才能というやつは
いつだって僕の恐怖を煽る
かなわない
そう思わせるのが奴らの仕事
かなわない
だから僕は多くの諦めと
少しの悪あがきで牙を剥く
かなわない
それでも僕 ....
心のダムに
言葉の雫がたまったら
きっと流れるうたの川

溢れ出してしまいそうになりながら
きらきらした雫だけ抜き取って
私しかつくれないうたの川

いつかとっておきの
雫でできた川
ここのダムから流 ....
街路樹を通りぬけるたび

ドップラー効果が過ぎてゆく

記憶の海

蝉が鳴いている

呼吸する波

蝉が鳴いている

夕方の明るさに

ぼくたちはやがて戸をたてる

蝉 ....
向こう岸のビルの群れ
肉色の雲の腹がひろがり
黒い飴色をした東京湾が凪ぎながらゆれて
高速道路が時間のように巡っている
血だらけな手も足もたくさんあるのよ
あたしたちみんな輪郭を共 ....
かけないで下さい
ワタクシの
目玉焼きに
ウスターソースを
白身本来のほのかな甘味と
黄身のもっちりとした
弾力感とを
ワタクシから
取り上げないで下さい


入れないで下さい
 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
こえられるか
それを

はるかな緑の稜線を
過ぎ去った時の豊かな過去の記憶をかかえ
こえられるか

熱いまなざしのさき
あふれる想いのながれる河を
こえられるか

たちすくむ身を ....
                 080718



ガムを噛み噛み
きしる音に脅されて
保険に入る
地震の起こる確立
80パーセントの恐怖
家が崩れて
下敷きになる恐怖
命が助 ....
ある人は
足取り軽く
またある人は
ズシッと重く

それでも会場へ向かう
人波
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる

夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
昔はよかった


人は言う


昔もよかった


とは
決して言わない
新しいということは
美徳とされた筈なのに
広がる夢に
心踊らしていた筈なのに
新しいということは
 ....
汚れた掌に
赤いポストがあるので
たくさんの
手紙を書いた

赤いのは
恥ずかしいからだと
手紙の返事には
いつも
そう書かれていた

あの赤いポストが
今はない

窓 ....
* 1

愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた


* 2

あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね

目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
止まっていた半年間が
今日 大きく動いた。

この日を待っていた、
ずっとずっと。
泣きながら。
笑える気がしたから。


同じ時代を生きている
そんな奇跡のような現実が愛しい ....
ジョゼは魚になりたいといった
木曜日の夜
二度と目が醒めない様に
風呂桶に潜りながら
枕を抱えていた

ギターの音が聞こえていた
水曜日の朝
世界の全てが消される様に
窓の向こうを眺 ....
夢と過ぎた城をぬける
荒れた田畑を
古い鎧が肩におもい
切り捨てた刀身の血のりは
悔いの闇
あるいは
執着の炎
生きるために
切り捨てたのだ
畦のむこう
暗い林のかなたへ
ゆるや ....
明日で一学期が終わるので
仕事用のパソコンを持って帰る
念のため個人データはすべてロック
ああ、重い重い…肩が外れそうだ
エスカレータ登ったら
電車 行っちゃったよ く、くやしい
肩が痛い ....
900kgの重りが
肩からおろせない

本当なら骨もろとも粉々なはず
なのに私は
ここに立って息してる
歯をくいしばってでも、弱音は吐かない
「助けて」なんて今は、口が裂けても言わな ....
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