東京の街路樹では
幾種類ものセミが鳴いていた
夏の時が豊か、だった
品川プリンスの坂をあがる
湿ったアスファルトの匂い
木々のひんやりとした匂い
いまからきみに ....
せ、み、ま、る
せみまる
SE・MI・MA・RU
SEMIMARU
{引用=
SEMIMARU SEMIMARU 悪魔の化身 SE・MI・MA・RU
SEMIMARU ....
お気に入りの帽子をかぶって
雨傘をくるりと回して
鼻歌まじりにこっそりおどる
そう今日は雨だもの
いつもより少し早起きをして
いつもと逆さまのバスに乗って
右足に水が入ってきたけど
....
鏡で色を盗むと
空は気圏のように薄らいでいく
ひかりだけで染められたセロファン
退色した虹がいろどる夜
沈黙ではない静かな
月光の耳鳴り
声は聞こえるものだろうか
それとも伝えるもの ....
雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わか ....
夏はかき消えたわけではなくて
ものごとを何とか見よう見ようとする思いが
季節に関しても働いていて
私のタマシイも視力検査の黒い目隠しを握って
残暑側に空いてるCマー ....
いのち
ちいさな
いのちが
受け継がれていく
まぶしい朝日
小鳥のさえずりが
まだ眠っているカラダに
呼びかける
食卓につき
そっと目を閉じると
広がる世界 ....
夢の壊れる音を聞いたことがある
あなたもきっと知っている
夏の日の昇るまえ
穏やかな空気の静寂を
死そのものとして頭の芯まで呼吸する
生に引きずられながら
ねえ 笑ったことがある
わ ....
この夏が終わるのもそう遠くはない、と
花火が打ち上げ終わった海にいる私
横たわる一メートルと五十センチあまりの生身
押し寄せる波に三十六度五分の生気は解放される
あれからどれぐらい経つ ....
私を忘れて下さい
私は貴方の望む女には
なれない
貴方のことはとても
深く深く愛している
けれども
ごめんなさいね
今はそ ....
転がるように、おどけるあなた
まるでピエロみたいだった
はらはら、わたしは
あなたが演じるあなたを
ただ見つめてる
空中ブランコ、ゆれてもその手を
つないだその、手をはなしたくはな ....
・
夜
飲みさしのコーヒーの中に
砕けた夏を発見した
掬い上げようとしたら
逃げるみたいに砕けて沈み
底の方で銀色に光っている
人差指でかき回すと
跡形もなく溶けてしまった
....
結果が重要なのではない
そこに至るまでの過程が
もっとも
重要
なんだ
一足ごとに
アスファルト踏みつけるたびにそこから
名前のない生命がうまれて
燃えながら
....
鏡にうつる
自分を見てる
ありもしない
本を読んで
ふすまが
開く音がして
慌てて
本を閉じる
それでも
気づくことなく
人は次の
ふすまから出ていく
少し
....
前髪が濡れていて、うまく夜風に
流れてくれないのを感じながら
腕を軽く上げた先の
線香花火に、視線を戻した
断末魔の産声が
チリチリと聞こえていたはず
かつての夏の夜
赤い輪郭を ....
夜のおわりのはじまりの朝
シーツの広さを掌で思い知って
二人のおわりのはじまりの一人
残り香がひんやりと胸を掠めて
昼のおわりのはじまりの夜
未練たらしい影法師が踵から生えて
夢の ....
地球が悲鳴をあげている
叫んでいるのに
気づかなかった人々
花 咲きほころぶ春
ギラギラ太陽輝く夏
赤や黄色の葉を散らせる秋
白一面の冬
季節をずらし
それらしくな ....
とてもとても長い道
まだ先は見えない
暗くて冷たい土を踏み締めながら
一歩一歩進んでゆく
足が痛くても辛くても
止まらず進んでゆく
とてもとて ....
嫌われもののからすは
誰からも愛されない
慈悲の心があっても
精進の心があっても
愛されはしない
冷たい冷たい冬も
ひとりぼっち
笑っ ....
悲しいから
泣きましたら
そっと
母は抱いて
くれました
あぁ
温かいなあ
と思った
時には
もう遅く
私は冷たく
なっていくのです
母の手で
ゆっくり
ゆっく ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする
水と油
そんな感じで
高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
写真を破りながら
思い出を殴るような
身体の中から消す作業は
苦痛の先を感じさせる。
理由を捨てて
やってみちゃえばいいよ。
自分から逃げずに
でも
嫌になったら休めば ....
まあ 夢の話だ
乗り過ごした成人式を
だいぶ前にすませたやつが
不意に眠り込んでしまって
夢を見て
目が覚めても
こわさからは覚めきれなくて
夕方だったはずが
真っ暗なんだ
消し忘れ ....
わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....
どんな味がするんだろ
塩焼きにしたら美味しいのかな
唐揚げにしたら胸がやけそう
なんだかそんな気がするよ
どんな形をしてるんだろ
ストラップにしたらカッコイイのかな
リングにしたら ....
必要 必要じゃない
大切 大切じゃない
好き 好きじゃない
君と僕の接続エラー
日常茶飯事接続エラー
「原因は不明です」
だって説明書には載ってない
それ ....
暮れてゆく夏のかたむく日差しのように
あなたの後ろすがたが遠ざかってしまう
今日あった嬉しいこと、虹
久しぶりに見れたこと
あなたの後ろすがたが遠ざかってしまう
淋しさがぼんやりと浮 ....
電器店で洗濯機の購入手続きをしている間
に降り出したゲリラ豪雨は雷を伴って
ドドドォーンと雷鳴が店内に響き渡る
電器店の1階にあるセミオープンの駐車場
にも雨が吹き込んでいて
(それは水 ....
僕らが見なければならないのは夢と幻
窮屈すぎる日常と
電車の傾きをも気にしない非日常
混み合った道路と時間のジレンマ
そこらへんに転がっている無数の意味
太陽は少しずつ傾きながら変わり続 ....
永遠なんて信じていないから
今日を懸命に生きている
わたし
だけど
あなたといると
永遠があればいいなって
思ってしまうから
明日のこととか
来週のこととか
今日が ....
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