つまりは総括なのだ。
ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム
雷鳴の中 交差点を ....
猫と人間
解り合うなんてまやかし
だけど確かにその目線の先にお互い存在して
真夜中に交差する心
わがままなあなたのReは愛しても
まだ足りないと盗みいるひと
雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな ....
きょうはどないや
おまえの宇宙の出来栄えは
なあ?
大好きやで
人生ってもぐらたたきみたいや
ずっとたたいてんねん
たたかれてんねん
未来は変えること出来 ....
鏡を見つめるわたしの目の中に、
鏡を見つめるわたしの目が映る。
(ひとみの中で、鏡像が無限に連鎖する。)
鏡の回廊、光線の無限反復。
鏡の回廊、すべてのものを閉じ込める。
瞳のなかで ....
くろく、くろく、くらい空。
雨の音がきこえる。
天井のうえ、
雨の音がきこえる。
空と屋根との多重唱。
埃積もった机のうえの、
十年遅れの怠惰な時計。
秒針だけが独りできざむ、
十 ....
今日もいつも通り
という自覚もなく
今日もいつも通り
という毎日が過ぎ
今日もいつも通り
私の隣には君がいる
だけど突然
底なし沼にハマるように
記憶に足を ....
一足早い中国の秋
人恋しい季節
たどりついた河北の地で
気の早い寂寥が
僕をつかまえる
もう出会えないかも知れない
あのひとの笑顔を
残してきたのは
や ....
路地裏の縁台に腰掛け
はだけた胸元に
団扇で風を送り
茶請けに水羊羹
冷茶を一服口に含み
にんまり、
路地には打ち水がしてあり、
しおれかけた朝顔の鉢が
そこ ここ
遠く ....
茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
110912
祈りたいならば
どこか遠く
だれにも見えないところで
おやりなさい
異教徒の群れの中では
声を立てたり
十字を切ったりしたら
命にかか ....
NHK{ルビ何某=なにがし}局 午前8時12分
気象予報士 {ルビ大菅=おおすげ}伝次郎はハ
いや、照っている 照っている
月並みな予報を伝える人柄の
実直な紳士感がまばゆいね
気象予報士 ....
画廊でブラマンクやユトリロやルオーを眺めた
地下鉄と環状線を乗り継いでやってくる女を待っていた
待ち合わせ時間が迫っていた
しかし慌てて地下駐車場に向かった
ダッシュボードからコンドームを四つ ....
ちりちり、ちりん
しゃりしゃらん
秋のはじまりの夜は澄んで
いくつもの水面に映し出される
まるい光を数えて歩きます
ふくらんでいく気持ちが
ぼくの肋骨を、内側から
甘く、うずかせ ....
秋風に
どうしてか白き花咲く蕎麦の花食料になる花は素朴だ
萩の花庭に散りいてゆうこくの秋風が吹き妻と帰宅す
ローマ書を書き写しつつ楽しみて次は更級日記写さむ
未来には何が待つか ....
人一倍寂しがり屋なはずなのに
気がつくと、いつもひとりぼっちになってしまう
これも運命ってやつなのかな
※
みんなはひとつの輪になっている
それなのにわたしだけ一歩後ろに下が ....
菜の花畑
咲きさかり
やまぶき色とみどり色
そよ風と土のかおり
織りあわされる
やわらかな茎の
なかほどで
てんとう虫は
僅かのあいだ
同朋の仔を
確かに見守る
てんとう ....
それはいつもとおなじ散歩道
いつもとおなじ日曜日の
気だるい午後に
わたしは、
歩いているわたしの背中を
見つけてしまった
(あれはもうひとりのわたし?
それともいつもの白昼夢?
....
あたしが初めてそいつに会ったのは、学校に上がってからでしてね。
昔の親は貧乏に忙しくて、幼稚園児に弁当持たせるので手一杯。湯気立て
て遊ぶ子ども捕まえて、字なんか仕込む趣味もありませんでしたか ....
花満ちる丘 風見守る下で
永遠の誓い あなたに囁く
明日が見えなくて
押し潰されそうな日々
自分さえ信じられない
凍てつく心を
そっと抱き締めてくれたね
信じれば 織り成せる ....
空港のインフォメーションを知らせる音がする
人生はひとつの感傷旅行のようなものだ
ぼくは何処へも行きたくなかった
みんな普通に歩いている
それが羨ましくて淋しかった
ぼく ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る
強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
鳥が啼いている
黄金色の影が
そこかしこに
あした晴れるかなって
胸の痛みが汚れている
鳥が幻のふりをして
地球の影絵に落書きする
鳥が啼いている
黄金色の影が
そこかしこに
....
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている
エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す
寝苦しさ ....
井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
ひろがる闇を測るにも
永遠なんて長 ....
僕はこの中国の猥雑な街で
現実世界と適合する為のリハビリをしている
語学の勉強をしているのも
体力を回復させるために歩こうとしているのも
いわゆるリハビリに相当するだろう
....
よくみられたい
よくおもわれたい
少なくとも嫌われたくない
そんな鎧は
いったん着てしまったら
脱げないよ
いらなかったのに
そんな鎧をいつから
着てたんだろう
重いのに
脱げ ....
ぼく、
透明な夜をみあげます
半透明のたましいを宿して
伸びていく木になります
ほしかったものが、なかなか
みたされないから
ほしくないって嘘をつく
あんなもの、いらない ....
ぽとり
と
つぶやきをひとつ
落としてきた
苔の生えた出会いのテクニックのように
ぽとり
と
つぶやきをひとつ
落としてきた
迷子猫のような写真まで貼りつ ....
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