朝 南垂れのベランダに届けられる
冬陽という なによりのご馳走がある
     夜 裸木に呪文をとなえる
 北風という メッセンジャーがいる


      庭隅のわくら葉は いま
  ....
一人では 歩けない
二人でも 歩けない

ああ、だけど
会いたかったよ、新宿
十代で家を出て
キャバ嬢とかやりたかった

紅茶の湯気ふわふわ
「通貨が統一になるんですって」と
パン ....
三千年の時を経た公孫樹の雄木が
銀の葉を降らせる
銀の葉を降らせる
銀の葉は薄く鋭く尖り
銀の葉は優雅に旋回しながら
荒涼の野に振る

三千年の時を経た公孫樹の雌木が
金の実を落とす
 ....
父ちゃん泣いた 母ちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
お前が泣くから みんなで泣いた

みんなの涙は海になる
どんどん溢れて肩まで来たら
 ....
道路の真ん中に寝転んでみた。
真っ青ないい空が広がっていた。
こんなことで単純に、自分が特別な生き物になったような気がして、
笑ってしまった。
ふと昨日のことを思い出す。
小さな箱に押し込め ....
きのうの僕はつらかった

きのうの僕はかなしかった


だけど めざめたばかりの僕は

一枚の白い画用紙


つらい色をぬらないでおくれ

かなしい色をぬらないでおくれ

 ....
向かい愛
M字に開く股
互いの脚からませて
剥き出しの生殖器
くじるように指先
で弄び
朝の気配
取り残された満月
肉壁の輪をくぐり抜け
先っぽから一滴
斜光に垂れて
舌根に絡む ....
生きるも勝手
死ぬも勝手

上司と情死
不倫の果てに
手に手を取って
思い出めぐる
片道切符
湯上り浴衣
抱き合って写した写真
を形見に
海波
砕ける断崖から
身を投げる
 ....


眠りたい太陽は
徂徠する雲に翳り
口を得れば脚を失うだろう
無理に開いた胸には

寛容ねと謂う
君の眼差しに
愚鈍さを隠せずに朽葉色に染まり
消してあげる 蝋燭を
口角に気 ....
どうせなら一度くらい殴っておくんだった
そうじゃなければ愛しているとでも言っておけばよかった
見上げたり見下ろしたり
飽きもせずよくそんな遊びを続けていたもので
今になって思い返してみれば 何 ....
冷蔵庫には蟹がある
九本足の蟹がある




あたしは今夜見ないふり
首の赤味を押さえます




もしか
あなたが欲しいのが
甲羅の色のランプなら
あたしは ....
しらないおじさんがわたしの部屋に居ました。
そのおじさんは わたしに
「まほうのくすりをあげよう」といって、
ちいさな瓶をひとつ、くれました。

「これは、たらたらたらり というくすりだよ」 ....
    その瞬間
    私の手の甲に
    冷たく鈍い痛みが走る

    うっすらと
    滲みはじめるその赤に
    私は泣いた

    聞き付けた母親が
    どこ ....
言葉たち
あちこちで
みしみしと
ひしめきあっていて

言葉たち
時に
きゅうくつだったり

なんとなく
楽しかったり
はやく詩になりたいなぁ
なんて

 ....
昨晩瞬いていた満天の星屑が
ねむってた間に降ってきて
昼の七里ヶ浜の海にきらきら光る

昔々
女がりんごの実をもいで
男に蜜をあげました
  
人祖の罪で失われし楽園も
秋晴れに江 ....
夏に向かう曲線を 

ゆるやかに描きながら

六月の空は どんどん まぶしく


その下で まぶしく 

思い出すのは

何も知らなかった あの頃のこと


傷ついても ....
死にたいほど

焦っている人はいますか?

死にたいほど

悩んでいる人はいますか?

死にたいほど

苦しんでる人はいますか?


きっといるね

たくさんいるね
 ....
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満月- 恋月 ぴ ...自由詩3*05-7-5
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自戒- フユキヱ ...自由詩705-5-23
引き出し- 自由詩1105-5-17
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たらたらたらり- ukiha未詩・独白7*04-4-30
剥離- umineko自由詩5*04-4-3
未詩- 小池房枝自由詩603-12-17
きせきのひ- 服部 剛自由詩10*03-10-26
曲線- エム自由詩703-6-10
(競争)- エム自由詩203-6-6

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