最終電車の反対側の席に座る
ペアルックのカップルが羨ましくて
遊びつかれて眠るふりをして
貴方の肩にもたれかかったんだ
間近で聞こえる貴方の吐息
肌に伝わる心地好い体温
電車が止まるま ....
曖昧な言葉
すれ違いの感情
高速のヘッドライト
僕の影を斬った
曖昧な毎日
掠れてく声
切り出しかけて
言葉を飲み込んでいた
もう出会う筈のない誰か
もう出逢わない" ....
悲しみを表す言葉を並べて
悲しみの詩が出来たら
その悲しみは意思をもって
そっと旅立っていく
そんな気がして
僕は少し嬉しくなる
喜びを表す言葉を並べて
....
なんでもいい訳じゃない
赤を示す日もあれば
白い日もあり
紫が輝いてみたり
ビロードの日もあれば
綿だったり
ナイロンだったり
山だったり海だったり
女だったり男だったり
....
恋なんて
忘れちゃったの
毎日 床に雑巾かけるのが忙しくて
ウキウキなんて
忘れちゃったわよ
毎日 庭の草むしりが
忙しいの
ワクワクなんて
もう忘れちゃった
....
林檎がふるえている
暗い海の底で
ヒリヒリする電波を発しながら
傷んだ痕をさらしている
林檎たちがふるえている
共鳴しながら
いくつもの透明な触手を
スルスルのばし
痛みをそっ ....
思いつめていた
ぼくは
天界と地上を
さまよう
こころの中で
これ以上は
もう
これ以上は
猫は
ぼくのそばを
離れない
死の匂いを
嗅ぎとって
窓からは ....
お愛想だと判っていても
みょうな期待を持たされてしまう
口ぐせなんだよね
未来と繋がっているようで
繋がってなくて
この連休の天気予報みたいに当てにならない
悪気なんて無いのだ ....
足がかゆい
ばりばりと
かゆいあたりを
かいてみる
痛みはもとより
触れても分からないはずの場所がかゆい
きっと
ナイフで切り付けても気付かないであろう足の一部
神経が ....
まだ小さな子供だった
覚えてるよ、小さな手
春は桜
夏は蝉の鳴き声
秋は紅葉
冬は粉雪
この道を365回通る頃には
私の身体も大きくなった
君の一年は私の5年
....
誰も知らない塔の最上階に
僕たちはいつもいた
その部屋は『時間の部屋』と呼ばれ
窓からの景色は
天も地も人も時間も
すべてが見渡せた
僕たちはいつも3人で
僕は皆から『過去』と呼 ....
両手でくるぶしを隠そうと試みるんだけれども
隠し切れないんだ
俯いたまま
手を交差させて触れようとしてみるんだけれども
わたし、いつの間にか三角座り
外側をどうにかうまく隠そ ....
かあさん お母ちゃん
随分ご無沙汰でしたね
自分が辛い時にさえ
「もう、だいぶよくなりよるで・・心配いらん」
本当は飛んで行って
何でもしてあげたかったのに
....
ブランチのあと熱くなったお腹のせいで眠くなり
わたしは靴を脱ぎ捨てました
ミネラルの風に小さな貝殻が舞い
カラカラと海の風鈴は虹色に透けました
それと素足にさらさらと乾いた粒ら。o・* ....
{引用=(身体がふたたび目覚めはじめる)}
窓の内側
さわやかな風が
やわらかいレースの
カーテンをひるがえす
初夏のひかりが
まぶしすぎた
屋根の上
反射する水面の
ゆれる ....
光は満ちてゆく
花のような小舟を浮かべて
ふたたびの光は寄せてゆく
まだ浅い夏の水際に
片足を浸して眺めるだけだ
ドアを細めに開けて
そっと知られぬように
飛び立つ小鳥を慈しむよ ....
雨の中に鯉のぼりがいて
彼らは空を飛ぶことしか知らない
だけど、濡れた体を揺らしてみると
遠い昔を思い出したみたいだった
青い空を飛ぶよりも
うんとなめらかに飛んでいた
***
....
前歯でがりがり
おなかを削るように鳩サブレを食していたら
怒られた
ほんとうは
笑ってほしかった
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく
アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
“escape”
当たり前になった日々
わずかばかりの傷と
大げさな被害妄想を
繰り返し繰り返し並べて
“pride”という線を
綺麗に描こうと必死だった
“It's giv ....
彼は、わずか17歳でテントにガスを充満させて自殺した。あまりにも計画的な死の、報道では知り得ない事実。彼のすべては電子回路の詰まった1台の箱の中にあった。こどもの日の今日、あの山に慰霊に向かう人々がい ....
長雨をもたらした群雲の涯にかかる桟橋
漕ぎ出せば容赦無い光の海原
破線の僕の輪郭はより不確かなものとなって
影は灼けたアスファルトに縫いつけられる
光と影は背中合わせの白と黒 ....
ぶらぶらと
行くあてもなく
ぶらぶらと
輝く夜景を眺めながら
なんとなく
ぶらぶら
気付けば夜景の中に
ぽっかりと
穴の開いた心に
街の灯りが染み ....
飲みながら近況を話しても五下りほどで終わってしまうのだった
いかに平凡であるかを思い
いかに彼らと掛け離れているかを思う
仕事の話も
子供の話も
まるで持たず
景気の話も
話 ....
ねぇ君
過去の出来事で
くよくよ悩むのは止めようよ
今日という日が
すべての人にとって
これからの未来の
最初の日だとしたら
きっと君は
貴重な経験を重ねた分
....
汗と若葉、土地の震え、生々しい野原
肢体を投げ出し翠緑に溶け合う
ねばりつく湿地、からまる草叢
瑞々しい野性の緊縛、ほのかな痛みの中で
焼ける空を肺に入れて
きらめく吐息、静かな放熱
....
楽しいのと
楽しくないのは
たぶん同時にやってくる
表裏
くるんと回って
楽しいことが嫌になる
何やってんだよって
自己嫌悪
かっこ悪い
楽しいだけの
楽し ....
あるべき場所に
それは置かれている
拒絶ではない
豊穣のはての
姿なのだ
そっと手をあてれば
年月のぬくもりが
在る。
静かな夜に
とけ込むのは
喉を鳴らして
響く声
追憶の波際で
鳴り響いては
なんとか
つなぎとめている
窓から見上げた空
あの星に
届きそうもない距離を思い
見上げた角度 ....
ふいに
あなたは苦しげな表情
を
しながらその
裏で
屈託のない笑顔を孵そうとするのだろう
混乱するじゃないか
混濁するじゃないか
感性が
僕の
....
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