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空が
屋根の近くまで来て
おめでとう と言う

握手しようとしたら
消えてしまった

みんな
消えてしまった
窓辺にいる子は
みんなふるえて
綺麗という字を
こわがっていた



だって
かまきりみたいだから
荒れ地に生まれたひとつの風と
荒れ野に生まれた多くの風とが
ひとつの海を奪い合っていた



金の光が
銀に変わるまでの永い間に
水は風に混じり
小さなものたちは生まれた
 ....
葉の雨 音の雨 風の雨
低く蒼い夜の連なり
月にいちばん近い星
吸い込まれるようにかがやいている



ついさっきまではっきりしていた
よろこびをふちどる線たちが
おぼろ ....
世界は細さだった
世界は火の粉だった
隙間から見える声にあふれる
限りなく「はず」の少ない湖だった


飛び交う光の波の下に荒地があり
ぶつかりあう音のむこうに矢があった
世 ....
格子の影が降りてきて
まわりつづけるものたちは
みな止まっているかのように見える



ひたひたと
姿のないものの足音が
午後の後を尾けている



空と地の端
 ....
 

呑もうとしても呑めない
コップのなかの氷
それは
自分の指の影だった






音が止まってしまったのに
映画はまだつづいていて
あたりを見わたすと
席に ....
どうしようもなく空に向かい
わたしは
影を失くす



足の下を踏みしめ
家々をすぎ
すべてに接する崖へと至る



見えない花のわたしは
ひとつの大陸でできた楽器 ....
窓から世界が見えすぎるので
何度も何度も触れつづけては
指とガラスをたしかめていた
消えた素顔をたしかめていた



描かれた線に雨は重なり
音だけを残して見えなくなった
 ....
昨晩 幽霊の子が部屋に来て
コンピュータの前に座り
しばらく居座っているウイルスと
何やら会話をしていた
書きとめようとしたが
いつのまにか眠ってしまった


目が覚めると
 ....
わたしを
知りたいというわたしはいない
わたしは
わたしが鳥でも人でもかまわない
わたしは
あなたによってかたちになるのに
わたしは
あなたがあなたなのかわからない
わたしは
 ....
道を分ける白線の上を
影のない影が歩いていて
こちらに気付くと
逆の方に歩きはじめて
突然消えた



日曜の夜は
誰もおいでおいでをしてくれない
この世界のどこかに
わたしにならなかったわたしがいて
やはり ひとりで歩いているなら
おそらく わたしは
声をかけることができないので
せめて すぐ前を歩いてゆく
少しで ....
人のなかに 波のなかに
言葉を放ち
よろこびもしあわせも捨てようとしている
見知らぬ雨 見知らぬ路
見知らぬ緑
石にはね返る言葉を見つめていた


誰もが居るのに 誰も見えない
 ....
ひとりの子が
ひとつの楽器の生まれる様を見ている
作るものも
奏でるものも去ったあとで
子は楽器に愛しげに触れる
おずおずと うずくように
楽器は
花になる



新しい言 ....
音の無い空
音の無い花
近づきながら 離れながら
混じることなく
川の上に重なる川
川を映す川をゆく


花に触れ
鎮む流れ
陽は分かれ
影は過ぎる
花は音 ....
この先
いきどまりです


木陰の看板を
すぎてゆく雲


誰かの何かが持ち去られ
小さなものひとつ分だけ足りない世界の
午後のガラスの路を歩む


春は銀 ....
何もない手に
白が降りて
名前を呼んだ
もくれんよ
もくれんよ


微笑む間もなく
雨は来て
空を伝い
午後を撒いた


灰の鱗
一人歩きの傘
午後の陽の行 ....
異なる季節の雪に埋もれて
じっと静かに咲いている花


かたちは声を待っている
すがたは声を知っている
錆びた鉄柱が立っている
裂けめは花に覆われている
雲ひとつない空
掴むところのない空


川沿いの砂利道は
小刻みな縦揺れ
見向きもしない水鳥


呼ぶ声に顔を上げ ....
わたしは投げ出す
わたしは拾う
手は銀になってゆく


つばさ失く飛ぶ火が越えてゆく海
ただ音だけで造られた海のむこう


骨と魔術師との対話
夜に生まれ
朝に消え ....
時間が
外から来る光を
横になりながら見つめている
花は雪
雪は花



晴れた日
道は海へつづく
ずっと空のままでいる川
とどろきの向かうほうへ
雪は昇り
落 ....
左目を右目にあげたのに
右目は涙を流さない


目が覚めたら一緒にごはんを食べよう
そう書いた手紙を残して
眠ったまま逝った人の声が
もう一度どこからか聞こえてくるまで ....
いつかわたしは
わたしから名を与えられた
わたしではないわたしが
鳥のように道に立っていた
地にも 空にも
翼は落ちていた


遠い光の日に
熊は殪された
血は流れ
人の内に ....
ひらたく長いパンの両端を
いとおしげに抱えている子
何度も 何かに捧げるように 
持つ手を変えては見つめる子



パンはやがて消えてしまうけれど
君のからだの一部になる ....
開いた左の瞳から
閉じた右の瞳に応える
言葉だとわからないほど
小さな言葉で
あたたかさと重さの言葉で
話しつづける
常にあたりを流れていて
片目を閉じると現れる
会 ....
ふと手に触れた夜が
地平線を見せてくれた
幻と幻の間をふちどる
ほんとうのかたちを見せてくれた


水たまりの上に跳ねる言葉を
橋の向こうから見つめるもの
影と影の間のまなざし ....
散る花と天馬のかたわら舞い踊る
         あなたの名前わたしの名前



一日に何度もひとりで水族館
         イルカ生きとるクリオネ死んどる



 ....
ずっとずっと まわりで
小さな音が鳴り止まない
バスから降りて バスに乗る
またバスから降りて またバスに乗る
いつのまにか隣に
歌がふたつ 座っている



小さな支えを失っ ....
建物の谷間の空き地から
町を分ける河が見える
もう作られることのない鉄橋の
橋脚ばかりが並んでいる
雲の居ない水面と
船の窓に映る汽車
そこにしか棲めない生き物のように
 ....
たもつさんの木立 悟さんおすすめリスト(74)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(空)- 木立 悟未詩・独白305-8-17
ノート(綺麗)- 木立 悟未詩・独白604-10-7
魚の夢- 木立 悟自由詩304-7-6
砂憶- 木立 悟自由詩204-7-2
ノート(世界)- 木立 悟自由詩404-7-2
ノート(夏囚)- 木立 悟自由詩304-7-1
ノート(白連符)_- 木立 悟未詩・独白504-6-30
ノート(器)- 木立 悟自由詩704-6-21
ノート(白窓)- 木立 悟自由詩804-6-18
ノート(幽霊_Ⅱ)- 木立 悟未詩・独白804-6-14
ノート(わたし_あなた)- 木立 悟未詩・独白604-6-10
ノート(幽霊)- 木立 悟未詩・独白404-6-6
ノート(どこかに)- 木立 悟未詩・独白704-5-23
異路- 木立 悟自由詩6*04-5-8
器の子- 木立 悟自由詩1204-5-7
降り来る言葉_XIII- 木立 悟自由詩904-5-4
凹光路- 木立 悟自由詩804-4-21
ノート(木蓮)- 木立 悟自由詩904-4-9
ノート(白息)- 木立 悟未詩・独白304-4-5
空洞軌- 木立 悟自由詩604-3-31
銀の手- 木立 悟自由詩704-3-19
__凪- 木立 悟自由詩904-3-17
ノート(右目)- 木立 悟未詩・独白704-3-15
秘名- 木立 悟自由詩604-3-8
ノート(笑み)- 木立 悟自由詩504-2-20
ノート(卵)- 木立 悟自由詩404-2-18
降り来る言葉_XII- 木立 悟自由詩204-2-16
ノート(戯れ音)- 木立 悟短歌504-2-11
ノート(まぶしい日)- 木立 悟自由詩504-1-24
ノート(40Y.1・13)- 木立 悟未詩・独白204-1-22

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