温暖化現象とひそかな苦悩
yozo





           ナツ、おばぁちゃんに聞いたんだけどぉ
           ほんとはもっと暑いかったらしぃのよぉ

 何が。

 かというと
 久しぶりに過ぎ去った台風が連れてきた
 肌を刺す真夏の日射しに閉口する彼女を気遣い
 口数少ない。
 が売りのボクが放った世界レベルの未来的危惧やらから
 派生した
 京都議定書はては今度の戦争テロにっぽんハワイ化計画
 あぁ思い返せば
 脳天がジリジリ暑かったので出来た話題だったけど
 とにかく
 そんなボクに彼女ナツが出した間の手が
 ウットリと
 コレだったから最悪




 ● ● ●








『 願ネガわくば

  打ウち寄ヨす潮音シオネに深々シンシンと

  耳ミミを傾カタムく我ワレであれ○○ 』

ここあと2文字なんだけどなぁ

え。あれけれ?駄目でしょそんなん

あ。帰るの?空調消さないでね

今日も残業かなぁ




 ● ● ●








J.M.はレンズの向うを見つめてから
 1度しか会えない夕焼けに頬を紅潮させ
   出来かけの鰓をほんの少し開け閉めしてみせ
    呟いたと伝え聞いています

愚かしい。という衝動は知りませんので私は
 音波の果てで
  (唯一持ち得た愛撫なので)
    彼と外界を隔てる薄い膜を
     どうして撫ぜてあげられなかったのか
      環礁の産卵がはじまる度
       今でも思うのです






          ● ● ●






          終焉だろうか

          導き有ろうか

        営みの範囲では無いのか

      流れ集まり爆ぜ着床した泡沫よ

       行きたいなら連れていこう

           先の方は

            みち

            未知

             道

            満ち


            さえ

            冴え

             差

             得


           賑やかだ


           OVER?











           ● ● ●





       ナツ、おばぁちゃんにぃ言ったのねぇ
       ほんとはずっと知ってたんでしょぉて

 5時間目に

 発覚したカンニングは最悪だ
 樹液で染まる指紋など愚の骨頂ぞ
 とにかく
 そんなボクに彼女ナツが出した間の手が
 ウットリと
 コレだったので
 せめてもと道化にツバを立て冠った
 紅白帽theウルトラマンも
 無意味になろうというモノだ
 だから消しゴムは止めようって言ったのに

 ひとまずは

 木陰と水をくれ

 給食のミルクが胃の中で腐るぞ





                 そこの2人!


                      サボるな!








自由詩 温暖化現象とひそかな苦悩 Copyright yozo 2004-03-29 04:33:47
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