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―野原でまぼろしが燃えていましたね。

―ええ燃えていましたね。

―あのあおじろい火から
   燃える蛍のランプはいくつ作れるのでしょうね。

―ええいったいいくつ作れるのでしょう ....
[銀波]

あおじろいいのちが
誰かの胸にともる頃
あなたの耳のなかに
夕暮が入りこみ耳の
中で星たちはしみわ
たる水の音を聞き入
りながら瞬き始める




[tears] ....
{引用=
雨がね
未来を運んでくるの



まあるい街路樹や
がらんとした
わたし
の家
すべていまは
透明な線が
つつんでくれて


ふるえるわたしの舌が
線をう ....
春のなかうすいいろのわたしがゆく。全世界には雲雀しかいない。



秋のレモン。陽だまりのレモン。空のレモン。遠い宇宙で星が消滅した。



海はなみだ。小鳥はなみだ。春はなみだ。こと ....
これは夢 夢のまにまに 揺られてる 象の子供と やわらかな僕



つばさもつものの悲しい夢をみて めざめた床で 空に恋慕する



トーストと ボイルドエッグ コーヒーで きみが ぼ ....
その1
爪のにおいを嗅ぐのがすき



その2
口げんかで負けることをよしとしない



その3
すぐ怒るなんでも人にせいにする



その4
甘えるのが苦手


 ....
{引用=*
風の匂いや若柳や小鳥に
こころがひとりでにほころび
つぼみがゆっくり花ひらくように
はるにかぜをひいてしまうこと
くしゅん




*
きらきらした風のなかで
うつ ....
(行方不明になる少し前の光景)

そう、いつか南風に
わたしの髪がながされて
地平線の水色に
例えば(紅い花を)
あるいは羊雲の群れに
かすかな共和国のひびきを感じたとき
わたしの名前 ....
{引用=
音もなくオレンジ色に燃える雲

だれかぼくに
手紙をください}
{引用=






ぼくたちが生まれる前にも
世界が存在した
という不思議

ぼくたちが寄り添うために
世界は在ったのだから







{引用=*
ぼくの町ではさあ
エプロンについた醤油のしみまでが神々しく輝くんだ。
- 朝 -
そいつを封筒につめてだな
なんにも書いてない便箋一枚
一緒にいれて。
灰色した丘のうえのポ ....
 十月

忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた 
ぼくは何気ないそぶりで 自然 ....
風がおわるよ。
もうすぐ。
ともだちの
髪もなまえも
風の泡になるね。



  ちいさなガラスをとおして
  見える視野。
  いつもの都会のはずなのに。

  それは、
 ....
*


わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。







*

少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
電車が止まるたびに
ひとの泣き声がします
ここ真昼の東京駅は
けして夢を見ることをしません

うだるような夏の日
固まりになってひびく
靴の音
顔を置き忘れた
魂の音

ひとびと ....
宝石は黄昏
茜色の泣き声のように
かすかな叫びが
鳴りひびく

地平線の不安に
母はにがい魂を引き裂いて
貧しい明日を燃やしている

行方不明になった死骸が
ぼんやりとたなびき
 ....
その頃
ぼくらといえば
美しい霜のうえを
自転車で完璧な曲線を
描きながら
ふるえる独奏者としての
ふるえるりんごの夕陽のことばを
所有してました
複雑なぼくらのようなわたしたちの
 ....
うち転校するんよ明日
ひぐらし鳴く森の
高いニレの樹に
お別れしにきたんよ今日
明日になったら
あのおっきな船みたいな雲に乗って
転校するんよ
降り積もる、
夕の灰
(うすい羽は)
野の窪み。
一人
女の腹から
(渇きに)(割れて)
生まれ来て。
(その)
寒々とした野原の
(隔たり)
産湯に、
つかったままの
ぼく ....
i

どこにでも空はある
この手元の
ガラス瓶のなかにも
耳を近づけると
かすかな雲雀の声が聞こえた
            (sky in the bottle)
 

ii
 ....
生まれたての
手の平で つかんだもの すべて。
鎖骨の窪みから とくりと こぼれだし。
山や丘の傾斜地を ゆっくり流れる。
スペイン産の白ぶどう酒の
甘やかな匂い。
車輪のスポークが散らす ....
始点


まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
も ....
  鳩が いっせいに 飛びたって
  まっさらな 秋が やってきた
  
  マロングラッセの やわらかな 日差しが
  やさしく そよぐ

  にんげんより すこしだけ
  透きとおっ ....
  雨の日には
  誰かの心がおわる

  かつて夏の日に
  鳥がいなくなってしまった
  残された鳥籠のヴィジョン

  死滅した都市だけが
  優しい思考を生きてゆく
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。

水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
せつないね 水の音
世界が 少し へこんで
水の音
くすり指 井戸で ひたせば
風が 吹く 家


宿題を ぱたんと 鳴らして
水の音
よるが 窓から やってくる
遠くの 森で
 ....
母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです

母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでも ....
あいにくと
今朝は
雲母の雨

レイゾウコに
証券市場線の傾きで
保存されたキャベツが
笑う

そう
どうでも
いいことだった

遠いNの遠足に
かかる雲のあいま
母さん ....
みえない身体のなかで
手が縮こまる
青く染まった
泥の歴史を反芻しながら
鳶色に滴る見える手は 
(見えない手は)
(見えない何本もの手は)
みずからを固くだきしめて
ひびわれた胡桃の ....
ふうって
ためいき つくと
へやの くうきが
すこし ゆれる

くちを すぼめて
もうすこし つよく
ふうって ふくと
れーすの かーてん ゆれて
まどの そと
こずえも ひらひら ....
たもつさんの青色銀河団さんおすすめリスト(50)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まぼろし- 青色銀河 ...自由詩1122-11-21
ぼろぼろのつばさ_4'- 青色銀河 ...自由詩4+*20-4-21
- 青色銀河 ...自由詩512-5-26
巨大爆発- 青色銀河 ...短歌310-11-9
ひかりのノート- 青色銀河 ...短歌3*10-11-8
天使の見分け方- 青色銀河 ...未詩・独白907-4-4
はるにきくおと(ノート)- 青色銀河 ...未詩・独白907-3-28
花梨石の標本箱- 青色銀河 ...未詩・独白907-1-28
冬の日(短歌)- 青色銀河 ...携帯写真+ ...1407-1-18
存在理由- 青色銀河 ...自由詩2*07-1-10
クレヨンの朝- 青色銀河 ...自由詩1206-10-24
十月_十一月_十二月_虹- 青色銀河 ...未詩・独白7*05-6-17
風がおわるよ。- 青色銀河 ...未詩・独白305-6-12
春がうまれました- 青色銀河 ...未詩・独白605-4-28
東京駅- 青色銀河 ...未詩・独白105-4-25
黄昏- 青色銀河 ...未詩・独白2*05-2-20
うた- 青色銀河 ...自由詩905-1-25
船の雲- 青色銀河 ...未詩・独白3*04-11-26
輪郭- 青色銀河 ...未詩・独白104-11-25
Sky_in_the_Bottle- 青色銀河 ...自由詩304-9-14
鎖骨の窪み- 青色銀河 ...未詩・独白204-9-14
始点- 青色銀河 ...未詩・独白504-9-9
ショーウィンドー- 青色銀河 ...携帯写真+ ...404-9-5
ヴィジョン- 青色銀河 ...携帯写真+ ...704-9-5
水文字- 青色銀河 ...自由詩12*04-9-2
水の音ノート- 青色銀河 ...未詩・独白404-8-30
季節- 青色銀河 ...自由詩1204-8-27
草笛_弾く_キャベツ- 青色銀河 ...自由詩704-8-22
- 青色銀河 ...自由詩504-8-21
ひぐらし- 青色銀河 ...未詩・独白204-8-18

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