すべてのおすすめ
昭和元年が
自宅の階段から
滑り落ちて
踊り場の手すりに激突
品よくあつらえられた手すりを粉砕した。

七人兄妹の末っ子である昭和元年は
戦時中もすくすくと
ちりめんじゃこを食べ続けて ....
不思議な果実がなっているよ
って
黒い人たちが
ぶら下げられた木を
見て
涙いっぱい
こらえて
Billieは唄ったけれど

ぼくらの仲間も
海苔ひびの竹に
首吊されて

ぼ ....
蒲焼きなんかにされてたまるか!


威嚇のために
鰭をいっぱいに広げて
跳び上がったのがいけなかった


まんまとハリにかかり
ひゅん と
潟スキーの人の手に
おちてしまった
もう、かれこれ二時間ばかり
ゴカイの長い横っ腹に
食らいついてはいるが
どうしても
飲み込めないでいる

隣の奴は
ゴカイの頭の方に回り込み
うどんでも食うように
つるつると
器用 ....
おれたちは
おれたちだけで
この海の流れをつくる。
呼吸だけで
すべてのデトライタスを
浄化し
この干潟に
硫化水素はつくらせない。

だれの世話にもならない。
エアロバクターも
エントロバクターも
黙として
デトライタスを
食っている。

ただ
ひたすらに
原始の記憶
そのままに。
交差点に立ちながら考えた

なぜ俺はここにいるのだろう
紺色の制服の中のそのまた中は
少しも変わっていないのに

化石となって考えた
風がひゅーひゅーなっていた
女子高生が華やかに通り ....
ひからびた夢が
ひんやりと
かもいのあたりで
くびを
つっている


  これは、これで
  けっこういいあじ
  するんだよね


魚たちが
にぎやかに
しゃべりながら
 ....
高慢娘のおまえが

夏の光にパラソルさして

これはまたなんと恥ずかしそうな!

小指の先まで恥ずかしそうな!
みずいろの
そふぁーのうえに
あなたは
たいじとなって
ねむっている

てれびでは
よいどれてんしが
ちをはいている

そしてぼくは
ねころびながら
とおく
うみのおとを
 ....
雲のなかで
ねむるように
ちいさな海が死んだ朝
なきがらを
おおきな海に返しに行った。

あなたは
雲の棺をかすみ草でかざり
たいせつに両手にくるんで。

ぼくは
すこしばかり慎 ....
空や海の碧に染まず
ただよう白鳥のように
かっこよくもなく
蝶々のように
ダッタン海峡もとべず
かといって
酔いどれ船に乗る勇気もなく
まして
悪魔の風船をとばしたり
大地の商人にな ....
さかさまに立って泳げば
ほら
世の中も見えてくるだろう
金魚よ
大食漢のろくでなしよ
のうのうと管理された水槽でしか
生きる術を知らぬ阿呆よ

ぼろぼろになりながら
風をさがしている
海が
ちいさないびきをかきながら
かぜにふかれている


いるかが
とおいきおくを
うたっている


ゆったりと
こすもすがまわり
ぼくらはやがて
かぜになる
ひろい
のはらいちめんに
ふりつもった
ゆきが
キラキラキラキラ
すんだ
あかいひかりを
はなちだすと
うまれたばかりの
あのこが
ぽつんと
そこにたっていた
やさしく
すな ....
あなたは
とてもかなしく
笑う。

こすもすの
ひろがりのように
笑う。

いきものの
さがをいとおしむように
笑う。
かすかに
しおのにおいがする

ちりちりと
おもいでが
こげてゆく

ちょうをひきずったなまこが
ぶらっくほーるへとほふくし
いるかが
わらいながら
ただよっている

やがて ....
二足歩行を続けていると
いいことあるな

今日は
とびっきり かわいい
中学生に会ったし

青空に
薔薇は咲いてるし
ひりひりと
腸をさらし
夢を{ルビ喰=は}む


壊れかかった
メカニズムを
楽しむかのように
数ミリずつの
{ルビ匍匐=ほふく}を続ける


星の声は
聞こえない
ひかりものに
おおくのさかなが
むれてくる


ひとが
ぞろぞろ
つれてくる


うみが
しずかに
わらっている


なつ
しおが
まあるく
みちてくるのは
ぼくらのからだに
きざまれたひつぜんだ。

しおが
まっくらに
ひいてゆくのは
かぜがおしえる
このほしのぱずるだ。

このほしとつきとのなぞ ....
ずいぶん
ながいときがすぎたが
きょう、やっと
ふたりは
わずか五ミリほどの
ラビリンスを
うんだ。

ちいさな
コンクリートのすいそうで
ちゅうにうきながら
まようことしかしら ....
たとえば
紫陽花のころ
ぼくは
かかえきれない想いを抱いて
佇んでいる

ふりつづく
やさしい雨は
すべての景色を溶かし
なおも
ぼくの扉をたたく


願わくば 雨よ
ウテ ....
ひくひくと
こころがひくついて
うまれて
はじめての
すんじきゅうかを
しゅちょうしたから
おれは
ぴくぴくと
からだを
けいれんさせながら
それにこたえようとしたら
そりゃあな ....
ずっと
風をさがして
生きてきた

たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい

頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
どうしても手放せないものがある。

直径二十センチの海だ。

四キロを泳いで持ち帰った
はたちの俺だ。

ごろり
机の上にころがる
うす水色の{ルビ浮子=アバ}をまえに
いま、俺は ....
たもつさんの草野大悟さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
驚異の骨密度- 草野大悟自由詩4*05-2-6
干潟の風景〜Billie_Holidayなコアジサシ- 草野大悟自由詩2*04-8-14
干潟の風景〜ムツゴロウの挑戦- 草野大悟自由詩2*04-8-11
干潟の風景〜トビハゼの生きざま- 草野大悟自由詩5*04-8-5
干潟の風景〜アサリ貝の自負- 草野大悟自由詩5*04-8-3
干潟の風景〜泥中の虫- 草野大悟自由詩2*04-8-1
立番- 草野大悟自由詩7*04-7-26
夏おじさん- 草野大悟自由詩4*04-7-22
Photo- 草野大悟自由詩6*04-7-14
はなびのよる- 草野大悟自由詩1*04-7-10
さよなら、海- 草野大悟自由詩1*04-7-4
酔鯨- 草野大悟自由詩8*04-7-1
それでも風は・・・- 草野大悟自由詩2*04-6-30
海物語- 草野大悟自由詩9*04-6-29
ひまわりの生まれたとき- 草野大悟自由詩5*04-6-27
えむ- 草野大悟自由詩9*04-6-24
うみのもの- 草野大悟自由詩5*04-6-22
帰り道- 草野大悟自由詩5*04-6-21
海鼠- 草野大悟自由詩3*04-6-20
サビキ釣り- 草野大悟自由詩4*04-6-12
うみのぱずる- 草野大悟自由詩8*04-6-4
ラビリンス- 草野大悟自由詩604-6-2
立つ女に- 草野大悟自由詩504-5-26
ひこうはすし- 草野大悟自由詩204-5-25
風を釣る- 草野大悟自由詩7*04-5-18
プロローグ- 草野大悟自由詩304-5-14

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する