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鯨にある指先(地上)の記憶のように
人間にも忘れてしまった記憶がある
それはsora(翼)の記憶
身体の奥にある翼(骨)の記憶を頼りに
背 ....
君は机に向かう
ボールペンを握る
罫線の上に
言葉を置いてゆく
それは君の決めた枠
君の胸の奥で
何か切実なものが発熱している
窓の外 ....
泣きたい時ほど哂いたくなるのはなぜだろう
つまづいて転んで
そのまま起き上がれなくなった事はありますか
愛する人の寝顔に無性に不安になって
揺さぶり起こした事はありますか
人間不 ....
果実
という言葉を胸に抱いて眠った
眠りのなかでわたしは一匹の鮭だった
寡黙に
川を遡上する
ほんの小さなものだった
朝がきて目 ....
ピーマンと ゴーヤとナスを 買ってきて
相互不一致に おかずは迷う
あーあ
夏が来た
やばい
俺が性犯罪者に最も近づく季節
ってかさ
なによ
おねーちゃんたちの
あの格好
ミニスカート
ホットパンツ
キャミソール
下手すると下着見せてる
君 ....
傾きかけた夕日に
静かに染められていく放課後の教室
たわむれあそぶ影法師たち
その風景からひとりひとりを
輪郭にそって丁寧にきりとり
ノートに貼り付けていく
ふるえる手で
間隔が
....
展示室に靴音が高く響く
自分の存在を悟られそうで
どきりとする
今日もとっとと定時退社して、
寄席に行ったら、
雨だしガラガラだろうと思ったら、
どっかの団体客で満席だった。
ふだん、落語なんて、興味もない客層なのは明らかで、
なんだか居心地が悪いなあ、 ....
おそらく
今日という一日を
まめをつぶして過ごしてしまったのが
悔しくもなくて
誰のために
血を流していたのか
自分のために
なっていたらなあ
感嘆が漏れてから
夏の湿気につつま ....
その道化師
わたしだけのピエロ
だと思っていた
ピエロといると
幸せだった
しかめっ面のわたしを
いつも笑わせてくれた
まいにち
優しく
元気かい?と
顔をのぞ ....
図鑑で見たことのない名前が
見覚えのない恐竜についている
たかだが十数年で何が起きたのか
サウルスは何ら変わっていないはずだが
人類は何を発見したのだろう
化石になりたい
化石のように ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ
出窓からは朝の港町の風景が広が ....
真上には晴れ
薄い薄い屋根に薄い薄い体で
平和の雲が空に浮いていた
それをつかむことができた
こっちにある
こっちにある
熱い熱い屋根に熱い熱い体で
あからさまな光にふてくされな ....
納豆を食べる
納豆を残す
納豆を生ゴミへ捨てる
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆の容器を洗う
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆を拾う
こびりついた葱を捨てられる ....
君に告白されて
すぐに返事が
出来なかった…
また人を好きなり
離れて行ってしまうのが
怖かったから
君は毎日毎日
愛の唄を私に
届けてくれる
あれから1ヶ月が
経ったね
君が一生懸 ....
整列する人の群れ
視線を避け動き回る目とうつむくつむじ
肩車に疲れた身体を寄せ合い、互いを委ねているのか。汗を擦り付けているのか。
手を垂直に伸ばしたところで、いまだ雲すら掴めない。
地平 ....
扉を開けると夏が直角に立っている午前。
明石を経ち、埼玉を経て岩手へ、の途中で気仙沼に寄り、盛岡を折り返し仙台を通りまた埼玉へ帰って来た。明日また明石へ帰る。新幹線で。夫と。行きよりも増えた荷物 ....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める
逃げ出すための
手段としては ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
※
男のひとは女性の下着に恋するものらしい
くしゃっとした
小さな布切れなのにね
でもそれは男の ....
雪よりも白い糸が
どこまでも続く
途絶えぬ筆記体の線が
サインは何処までも
{ルビ終焉=おわり}を知らない
時々刻々のように流れていく
どんなに流れても
忘れない
君の ....
確かめながら傷ついて
もう眠りたいって口癖
つかれきった憧れのしわを
今日ものばして額に飾る
寛大な理想
すきなようにいじってた
ちゃんとわかってるさ
だれかがみつからないだけ
....
最近、言語のちがいとそれによる文化のちがい、
あるいは文化のちがいによる言語のちがい、なのかもしれないが、
そういうものに強く興味をもっている。
例えば何か作業が終わると、日本語話者は『終わ ....
110716
ギと鳴く虫か
やりかけの画像が
ぎごちなく
振り出しに戻ると
好くない知らせが
虫の息で横たわっている
凡人には感じられない
寂 ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
....
回線の影が鳴り始める
たくさんのおまじないを用意して
咲かせたい花があった
くるくるとダイヤルをまわす
つながらない番号はないはず
私だけ 年をとってしまったわ
陸橋を運転しな ....
天井をかき分け浮いてまた沈む浮遊した昼チャイムは重く
ざわつきも混乱も日々続いてく国道沿いを見ては陽炎
いつだって風を待ってる蜃気楼オアシスがすぐそこにある
さみしい季節だと思ってた ....
ちーちゃん
そう呼ばれていた昔のわたし
まま、まま、楽しい夢をみたの。
やっと補助輪なしで乗れるようになったよ。
ねえ、花札かオセロしようよ。
お昼ごはんは、ラーメンがいい。
....
もう面倒臭いので
僕を刺して下さい
こんな何もかんも考えるのは面倒なので
いっそ僕をぶっ刺して下さい
そしたら安らかに眠れる気がします
自殺することは禁じられていて
....
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