真っ白な顔に
赤い唇
派手な衣装を身に纏い
彼は誰かに楽しんで欲しかった
彼は誰かに笑って欲しかった
彼はあの子の笑顔が見たかった
でもピエロは少しずつ
透明に
誰にも ....
トイレから出ると
首の長い女性が
宙に浮かんでいた
待ちきれなくて
こうなったのか
トントンって
ノックしてくれたら
途中で出てあげたよ
可哀想に僕のせいだ
フローリングに
....
*
(香る
話しは途中で腰を折らなければならない
あの川に行き着くとまだ薄い肌着を脱いだばかりだから
忘れてた
寒さに震えて地上を曝け出すなんて
微汗にもならない
匂いは幹 ....
冬なのにあたたかいオレンジのせとか
まあるい君をどう食べよう?
やわらかくすいつく肌に爪をいれるのが
僕にはなんだか無精におもえて
青白い包丁で6つにわける
半月形のせとかたち
皮はや ....
仕事をとられたといっても
それはポジションをとられたって事で
経験をとられたわけじゃない
継続が終わっても持続する力
相手はあなたであってあなたではない
与えられたポジションはいつかは消 ....
その褐色の巨人は
毛髪からエレキを放電し
異様な叫び声を上げたり
心を揺さぶる言葉を呟き
その褐色の巨人は
無骨な太い指で
楽器の喉元を押さえ
楽器の内臓を掻き毟って
悲鳴を上げさ ....
ひと言の代わりに振った手のひらを降ろせずに一人振り続けている
わがままを言えば最後になるような気がして噛んだ唇から血
大丈夫かなあ
そうつぶやく君に
根拠なく言う 大丈夫だよ
心でつなぐ手の二人は
裸で歩いていた冬の光りの中を
反対側のホームの手前で
そっと切り離す私の
カラダから抜け出させたカ ....
拒絶したいものが
多すぎたのです
もはや茎は弱り
棘は何をも
突き刺すことが
できないのです
それでも薔薇は咲いています
誰もその手に触れられないという
誇りの欠片を最後まで持って ....
久しぶりに訪れたここは、私がいなくなる前と変わらずにゆっくり年月重ねてた。
でも、私が居ても居なくても、なんにも変わらないんだということに気づいたら一抹の不安とそれに勝る安堵感があります。
ただい ....
駘蕩暮色
百年が行き交うカーブ清水坂
対岸に獅子の吼声鷗外荘
少壮の{ルビ精鋭=エリート}双眸ナカータ似
嫡子あげ「不器量」{ルビ御姫=おひい}返納す
くちなしの哀れ ....
鍵盤の隙間
忍ばす剃刀
赤い雨だれ
にわかに注ぐ
私の中では
ただ一つだけ
美しいもの
赤い雨だれ
叔母の形見の
白いブラウス
パラリパラリと
野薔薇を咲かす
手首 ....
郊外電車の車窓から夕暮れの開発地が見える。電車はあるときは半地下に潜り、あるときは高架線となり、田園地帯を我が物顔に走る。路線の駅に会わせて区画整理された街並みは美しいが、ほんの数百メートル移動 ....
幸せとは
程遠いところにいる。
ぼくは
不幸なんて
感じていないのに。
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった
逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
愛さえあればなんてね
でもそれってお金で買えそうな気もするよ
何もしないからと言いながら
私の背中に変なのを押し当ててくる
そんな安っぽいんじゃなくてさ
至高の愛
とか
無償 ....
雪の降る日には
わたしの手は凍えてしまい
擦り合わせても
擦り合わせても
ちっともあたたかくなりません
デパートで500円で買った手袋をして
いっしょうけんめい擦り合わせ
じっと火を ....
拍手の束、の様な雨音
あめのおとはすきよ、結核で死んだ祖母はそう言っていたらしい
灰にやられ、目をつぶる
山が噴火したのだ
自然はいつでも私を泣かせる
傘をさして歩く
無目 ....
1月31日
今から20年前に
母は泣きながら私を産みました
3600gの大きな私は
母を苦しめたそうです
父が家に帰った瞬間に
私は生まれたので
父は立ち会えなかったそう ....
消えてしまいそうな
私は目についた雑誌を一冊手にとって
日曜日の空気に紛れた
昨日の電話
聞いてよと願えば3日以内に会えた頃とは違うから
突然の変化を驚かない
痛くない
なにもないところにど ....
汚染される超次元ステージ
醜くなった雛をみて
みえないふりをした
溢れた水銀が光をおびて核になる
ガンジス川では今日も
ピラニアが草食系
計画などないけれど
....
看板ばかりが大きな
古ぼけたシェブロン
停留所のサインも なにもないそこに
長距離バスがやってくる
テール・ランプの冷たい光りの帯
夜の街は、行き場を失った静けさに満たされ
月の光さ ....
私は時々、こう考える。私以外の人間は存在せず、現実は全て私の夢で、その私はまだ生まれてさえいないのではないかと。
また、こうも思う。宇宙全体が本当はバスケットボールくらいの球で、アメリカ人の子供がい ....
空に浮かべるは白い息
冬の寒さは私の
感覚を
動きを
感情を
麻痺させる
降り続ける雪はあなたへの
道を
心を
塞いでしまう
降り続ける雪は ....
{引用=先攻 白組、盆暮呉吾郎(初出場)}
演歌が今宵も
今どきカセット手売りする
キャリーと苦労を曳きながら
銀座 赤坂 新宿と
ネオンとファンデに{ルビ容貌=きりょう}焼け
夢も ....
頑張りやの
あんな子は二度と来ないでしょうと
しゃきしゃきとわたしの髪は細かく床に散らばる
もともと十二月までの半年契約で
一月からは大阪で開業する先輩の新店スタッフに
あらかじめ呼ばれてい ....
なにが有効な手なのか
わからないままに
かれは
もう、とっくに
地図に表記されていない場所にきていた
音がない
姿がない
赤い血が
ながれることのない ....
{ルビタイグレス=雌虎}と呼ばれたのだ
その倨傲を無能の輩に膾炙され
あの高音を失い恋人に捨てられ
音楽界からも煙たがられて
「私は用済みなのよ」と
52歳のある日寂しく死んでいた
ディー ....
かみのけとかはある
人望とかみのけと
りょうほうないのより
よかった
すしやで
にせのすしを
たべたあと
えどですしやは
ファーストフード
といって
あたまをかたげ
はしを
....
りすはおばかだ。どんぐりをどこへ隠したか忘れる。
ばあさんもおばかだ。鼻紙をいろんなところに隠して忘れる。
エコを心配して、ばあさんを叱ってはいけない。ばあさんには、ポケットの中、パンツの中、枕 ....
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