あなたと住んだあの街を
今日久しぶりに訪れてきたよ
駅の改札でスイカが使えるようになっていて
なんだか不釣り合いな感じがした
私が働いていたビデオ屋さんが
つぶれていて驚いた
ほかにもいろ ....
私の全てが
受け入れられないって
四葉のクローバーで好き嫌いと
やけくそで占っていたら
それは違いますよと
笑いながら通り過ぎた
あの人に恋をした
「なんて優しいご忠告
きっと私に気 ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
....
やがて雨が降るというとき
そんなとき
一度終れたらいいな、と思う。
魚になりたがっていたからといって
皆が皆、
魚になれるわけじゃない
でも、それでも充分
幸せそうだった ....
無印で働いてるような彼氏がほしい
英語がもっとしゃべれるようになりたい
体の仕組みを詳しく知りたい
もっとスラッとしてたらいいのに
全部全部ないものねだり。足りない ....
(結婚するなら愛してくれる人がいい
結婚するならまじめな人がいい)
結婚について考えてみると、
相手はあなたしか考えられなかった
いつも期待を裏切らないあなたの
電話を待っている
あた ....
私は銀座の喫茶店でアルバイトをしていた事がある。
一杯1200円取るような店だがコンスタントに客
が入り、週末は近くにある劇場や、映画館帰りの客
でごった返すときもあった。こんな価格設定でも ....
深紅のイチョウが
月夜の湖に鮮やかな
色彩を描き出す
底の見えない水溜まりに
興味本意に足を突っ込む
そのまままっさかさまに
落ちていずれ反対側にたどり着く
....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る
轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど
....
慌ただしい朝
出勤前に身だしなみを整えていたら
妻から声がかかる
バァチャンガナクナッタ
僕らの結婚当初からお世話になっていた
九州から出てきた妻は母親代りに慕っていた
おばあち ....
私はおんな
毎日のお天気が気になる
紫外線にお洗濯
毎日のお天気とも闘う
私はおんな
キラキラしたものが大好き
可愛いものも大好き
だから自分が一番好きで
一番嫌い
....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た
空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた
手足になり損ねた ....
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
貴方の影を決して踏まぬようにと
いつも三歩下がって歩く癖が
いつしか身に染み付いていた
夕暮れに伸びて行く影法師は
遠のいて行く貴方の背中、貴方との距離
沈む夕陽を従えるように
貴方は歩いて行 ....
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく
友情、と言っていた
....
寂寞の{ルビ鎮魂歌=レクイエム}が
耳に残り{ルビ心臓=ハート}を食い破る頃
夜更けの月は狂った{ルビ緋色=スカーレット}
ヘッドフォン越しに響くミュージック
目を閉じれば激しすぎ ....
「
c かっ
こ」
あれ、かっっ、
こ
スペース、うまくできないや、へへへ。
橙色の光は坂を照らしている。
僕は走っている。
新聞を配っているんだ。
....
砂浜に続く小さな花に
潮風が囁けば
あの日の
僕らのはしゃぐ声が
遠く、
残響していて
ふいに、
よせる波が
すべてを打ち消した
....
夜桜がきらびやかに
うすい光のなかで
景色を染めていた
咲くから散るのか
散るから咲くのか
いずれにして儚い物は
うつくしかった
爪先立ちした兎は
背伸 ....
海岸からは海岸が見えなくて
これでは砂漠と同じです、あなた
水があるだけよ
ただ水があるだけの砂漠よ
遥か 第五感界の外の霧を掴むには
衰弱するのがよいと聞きました
あちらこちらに船を ....
どんなにダメダメでも
ダメじゃないよ。大丈夫だよ。そんな日もあるよって言ってくれる。
ありがとう。そばにいてくれて良かった。大好きなんだな。
キミのあいさつは
風が頬をなでるみたいで
キミの哀しい歌は
心の奥で優しく響いて
キミの世界には
朝露のひとしずくにも光があふれてた
風がやんで
歌もやんで
静まり ....
白く灯るシグナルに
息をのむ
メールは、きみ
こころがふるえる
ばかみたいに
よろこんで
くやしくて
すぐに返事は
しないんだから
まだ遠い夏を
まだ梅雨さえ来ない5月の空に描いて
貴女は揃えて広げた掌に息をかけ
ふうっと、飛ばす
果てしない宇宙の
一番身近な部分を
少しだけ切り取って描いた世界は
たんぽぽと
ラベンダー
....
南の風が
町を抜ける頃
温い昼下がりの射光と白い風景画の塗り籠めた下絵の上に停まった季節の翳り下で
欧風の白亜の建物の天辺に動かない風見鶏が見下ろす窓辺に揺れるカーテンのそよぎに抱かれて
セピ ....
言葉の羅列に侵されてく
そんな瞬間の私
怯えるように痛みの先を舐めて
舌の先に灯った芳香に焦がれた
貴方の瞳が夜明け色なら
私の瞳は最果てを映してた
言わないで口を紡いでて
綺麗 ....
{引用=つかめない キミの正体 月と知り 浅い夢に まどろむ夕暮れ
....
赤い電車も地下を走る
インバーターの
メロディーを奏でて
浅草/日本橋/銀座/新橋と
旧き佳き時代の繁華街を結び
雑多な電車が駆け抜ける
三浦半島から成田空港へ千葉NTへ
インタ ....
僕ら互いに理解できず
すりきった体は
紅く染まっていたよ
わからないから手を離す
分かりあいたいから手をつかむ
僕はどこにいる?
さぁどこだ
今いる過去の渦の ....
もう一度冬の夜中を越えて
朝を迎えにいけたら
二人で昼寝をしよう
夜の次には必ず朝が来る
何て思って安心して寝てしまうより
朝が来ない事に怯えたり
狂った朝が訪れる事を恐れたりしながら ....
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