お疲れさま♪
優しく声をかけたいのだけど
つい嫌味な言葉なんかを付け加えてしまう
どうしてなのかな
額に汗かいて努力したのはあなただし
わたしは洗い物とかしながら眺めていただけ
....
雛菓子をつまむ指先の
その感触は
母さまの温もり
ひとつまみ
もうひとつまみと
雛の飾りから拝借する君の
{ルビ当=あ}て{ルビ所=ど}ない{ルビ戯=たわむ}れは
長き ....
打つ手ては一つか
綱渡りか定石か
四方八方 袋のネズミ
いいえ ゲームはこれから
石は見ている
白い帯が待ってる
怪しい酸鼻の予感
吹き溜まりも待ってる
たたら たたら 地をな ....
わたしがシャープと言えば
きみはフラットと言う
いつだってそういうことになっている。
わたしはあがり調子の躁状態で
うきうきとよく冷えたビールをあおる
きみはどん底に停滞して
苦虫 ....
「モンゴル」
トルフト族の住む
モンゴルの地
あてやかな衣装して
踊る娘達
朱を顔にぬり
帯をしめ
砂地ゆく
ラクダの列
箱に詰めし荷は
常日頃の品の ....
身体を澄ませて
夜が囁く言葉に
精神を傾ける時
無限に広がる天球から
探していた答が
静かに降りてくる
五月の真夜中
足元の地球が緩やかに回転する
天恵 ....
また、わたしが見ていると、一羽のわしが中空を飛び、大きな声でこう言うのを聞いた、「ああ、わざわいだ、わざわいだ、地に住む人々は、わざわいだ。なお三人の御使がラッパを吹き鳴らそうとしている」。
第五の ....
昔に植えた
自慢の椰子を倒してくれという
七メートルほどあるトックリヤシモドキが四本
これから台風がくれば
隣の駐車場の人様の車の上にいつ倒れるかも知れないのが心配で
風の日はよく眠れないの ....
声高に叫べないから
文字の裏にスルリと隠す
ほとばしる感情をメタファーにゆだねて
苦く噛みしめる思いをほどいて昇華していく
そうやって幾つ言葉を散らしてきたのだろうか
押し黙 ....
youtubeで、
1989年の、片岡鶴太郎主演の、
「季節はずれの海岸物語」を見る。
そのころ、
ぼくは、東京で、寮生活をしていて、
なぜ、
このドラマをよく覚えているかというと、
ち ....
昨日までの激しい雨が
嘘のように澄み切った青い空
なのに気分はブルー…
昨夜のデートで彼女が
「その紺のスーツとスカイブルーのネクタイ、すごく似合ってるよ」
って言ってくれた ....
{画像=080524153641.jpg}
話した途端に、あ痛ぇ、失敗したなんてありませんか? 言わなきゃよかった言葉を吐き出してから失敗に気が付く。
もう取り消せないけど、コチンって落ち ....
日々
パズルのピースはかわっていく
何が昨日とちがうか
気づくこともなく
うつっていく
定められた正しさのもとで
裁かれて
選別されて
つぐなうつもりで傷をつけあい ....
君はどこの子?オマケの子
子にオマケは無いンじゃない
だって ついて来たンだもん
今夜のお味噌の具の中に
八百屋でカブを買ったのさ
薄明かりのキッチンで
慌ててピョコッと隠れて ....
世界の果てを目指す
無意味の行進
のような言葉
こぼれる音
シンクロして流れ込む
うねり
闇の中
空っぽの風が
吹き渡って行く
光もないのに浮かび上がる
その姿を
感知するのは何 ....
目の前にある一杯のぐい呑みに溢れた
桜政宗の燗酒をぐいと飲み干す
その傍らには酒の肴の赤身のマグロと
今日一日の痼(しこ)り
プルンと小鉢に鎮座して、
それを箸先で舐め
全てを忘れる切 ....
いつの日も
隠れてたんだね
このはちょう
でもぼくは
見つけたんだよ
このはちょう
ゆらゆらと
風に揺らめく
このはちょう
くるくると
首回すのは
....
あぜ道にはよもぎの群れ
なつかしい香りがきて
足をとめ
瑠璃色の頂をあおげば
中空にひびく
ひばりたちのクーラント
くり返されて
増幅されていく営み
遠ざかったもの
遠ざけ ....
張り裂けそうな胸を抱えたままで
整然とした街を歩いていく
君を失ったからではなく
単に空っぽな未来を想って
痛むこの胸がつらくて
知らないうちに奥歯を噛みしめている
若者たちが集まって ....
赤い軌道をひとり歩き
真っ直ぐに日は照り
真っ直ぐに日は沈む
何故 そんなに真っ直ぐな道を進むの?
何故 ひたすらに真っ直ぐ貫くの?
何故 規則正しく礼儀良くするの?
疲れないかな ....
AといえばA
されど
BといえばB
平野に拓き敷かれた田園を縫う
屏風状の防風林や団子状の間伐林
赤屋根のサイロや家畜小屋
立ち停まって修めなければいけない
長い時間を内包する風景を
すっ飛ばして疾走する旅行者の
過ちの時速 ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい
最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
はるのやまは
そのいただきに
じゅんぱくの
ヴェールをまとわずとも
うつくしい
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初夏の夜
二人公園で夜空を見上げていた
静かに揺れるブランコに二人
並んで座り
揺らしていた
暗い花壇では朱いコスモスが
強い ....
空色の
ポリバケツに
堆積する
首を
寝違えた詩人の
寝違えた詩
綺麗で
あくまで綺麗で
読む気がしないほど綺麗だっ ....
週末、
普通預金から、5万5千円おろして、
土曜日にひとり、
日曜日にひとり、
可愛かった、お気に入りのデリの子を、
部屋に呼ぼうかと、さんざん思いつめたけれど、
水曜日に彼女ができた ....
じわじわと
紫紺のまどろみを
勿体つけるように
愉しみながら
じりじりと
虹の軌道を
滑らかに
辿り続け
私はというと
ぴうぴうと
加速された
強風を心配しつつも
....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る
用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる
怒りが
駆け出していった方向を
振り返る
自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
春の
壜に
沈澱した
メトロノーム
歌は
亡い
右往と左往
ちくたくたく
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