ぼくはアメリカ合衆国が大嫌いだけど
JAZZを芸術にまで高めたことには
大きな敬意を払っている
しかしJAZZは黒人奴隷のゴスペルを
発祥としているために秀でたJAZZMANには
人種差 ....
ものに名をつけるのは ひとの営み
ときに名をつけるのは ひとの奢り
ことに名をつけるのは ひとの悲しみ
モールの画材屋で
ホルベインの水彩セットを買った
施設に行くと
祖母は食堂のテーブルで
ニンニクの皮を剥いていた
お誕生日おめでとう
リボンをつけた木箱を渡すと
高かったでしょう?10万 ....
水の流れる壁に
透けて見えるのは
彼らが存在していないからだ
ネコの耳をした少女が
暗闇の中を近づいてくる
いつも裏目に裏目に
出る
よく来たわね
オートマータが怖かったでしょう? ....
げっそりと白豚になれ四月馬鹿
入学にいくらかかるの払えない
シクラメン泪を落とす場所がない
治聾酒が心の穴から漏れている
若草をサンドウェッジで根こそぎ
朝きても生きる意 ....
石を高温で焼き
それを鍋に放り込み
作る料理があると聞いて
心が痛む
そんなに
熱したら
石に住む
この子たちは
どうなるのだろう
かあさん、熱いよう、と
泣くんじゃないか
....
ニュース画面に映る満開の桜
その下で 賑わう人々
東京は お花見なのに
防寒着を着て かわかした軍手を持つ
白い雪が降り続けるので 消しに行く
桜より 広く白い
積み上げられた雪の ....
病院のベッドに三日間泊まった
聖なる牢獄に三日間も居たんだぜ
すごいことさ
可愛い看護師さんは小首を傾げて言った
何処に居たってあなたの生きる不安は同じでしょ
そう彼女はとても魅力的でセ ....
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春、春、春、桜吹雪
ひらりと花びら
僕の掌に 舞い落ちた
そっと 握りしめて
指の隙間に閉じ込める
―― 縛ることが愛だ ....
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その一本の桜の木は
古い民家の門扉の横にあって
左右に大きな枝を広げていた
ごつごつとして人を寄せ付けず
大地の力を漲らせ
雨風にそ ....
壊れてしまったレコード
もしくは
石のように固いバームクーヘン化した父
その口からは
絶えず呪詛がこぼれる
隣に住まう
父の兄上との確執が
幼い頃から
絵巻物のようにまた綴られる
も ....
「お世辞」
お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ
流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを
野 ....
今日一日を 糧に 爽やかに
人生刹那と カウントしようと
人生長きと カウントしようと
その刹那の赴くままに ポピーがそよぐ風に 爽やかに
選択する余地に 感謝の阿吽の呼吸を ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物
だから
病院ではなく
家がいい
生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに
ほかほかの湯気をたてた ....
長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする
わたしは
よくばりだったのだろう
長かった夜が明ける
昏い空に
ひと ....
四月 灰色の午後
湿った雪が舞っている
人生で何度目のことだろう
心は鉛の錨となり
失望の海に深く下ろされてい ....
とうとうきみは声を出してくれなくなったね
ぼくが死ぬまで一緒に声を聴かせてくれるかと
想っていたけれどやはり来る日は来るんだね
きみはきみの生んだ会社の
50周年を記念して誕生したものだっ ....
鎖に繋いでくださいと
言わされている紺色の群れ
縛ってください
何も考えられないくらい
と言わされている
紺色の群れ
殴ってください
おしっこ飲ませてくださいと
言わされて
....
空の真ん中に立ってみる
真っ青に晴れた
空の真ん中に立ってみる
なるほど空は晴れてはいるが
どうせ遠いし関係ないし
なるほど空は晴れてはいるが
地上じゃ風が暴れているし
森は
....
冷たく尖った風とか
蛍光灯みたいにぎらついて凍る日差しとかが
自分をいじめているみたいに感じるのは
あたしもうぢき駄目になる
あたしどんどん老いてゆく
あたしどんどん朽ちてゆく、と思い込 ....
桜が降ってくる
雪が降ってくるように
その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから
空から降ってくる
ひらひらと
....
南へ向かう鳥達が
薄色の空に溶けて行った
きみは衣装棚から
厚い上着を出してきて
胸元に飾った小さな憧れを
そっと隠した
子犬が地層の匂いを嗅いでいる
鳥の化石に恋をしたんだ
....
天才とは神に選ばれしもの
そう神はきみの近くにいた
しかし余りに神に近いため
その手と握手してしまった
そして天空へ消えて逝った
そしてきみの名だけが残る
神はいつ ....
穏やかなる心臓
心という名札を付ければ
心はここよと 迷う必要もなくなる
至らぬ刺激に 春風が窓枠から
四角の形で箱にする 心の部屋
悠然に流れる ドクン ドクン
....
音は空気を通過するだけで屈折する
光は水を通過するだけで屈折する
事実は脳髄を通過するだけで屈折する
視た
聴いた
嗅いだ
触った
経験という名の感覚の残滓は
時間を刻むことも ....
≪さいごの夜≫
自動改札機は水槽で
中に魚が住んでいる
という夢
をみている魚が居て
自動改札機の水槽を
....
摘まれるのならあなたの指先で摘まれたいとささやく、
生まれたばかりの黄緑色の新芽は、ニンフの羽のよう
にやわらかいけれど、たちまち老化する残酷な御伽話
を内包して ....
春だから育て過ぎます 槍などが貫いているあいすべき塔
大震災が起こった
多くの日本人も世界各国も
被災者に被災地に心を寄せた
だが原発から放射線が大量に飛散した
その年の漢字は《絆》と云う文字が選ばれた
そして一年が ....
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やっとこ咲いた
桜の前で
人々は
デジカメやケータイの
シャッターを切るのに忙しい
かくして
ひとひらに宿る
いのちの姿は
小さなSDカ ....
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